申命記


3401 モーセはモアブの草原からネボ山、エリコに向かい合わせのピスガの頂に登った。【主】は、彼に次の全地方を見せられた。ギルアデをダンまで、
3402 ナフタリの全土、エフライムとマナセの地、ユダの全土を西の海まで、
3403 ネゲブと低地、すなわち、なつめやしの町エリコの谷をツォアルまで。
3404 そして【主】は彼に仰せられた。「わたしが、アブラハム、イサク、ヤコブに、『あなたの子孫に与えよう』と言って誓った地はこれである。わたしはこれをあなたの目に見せたが、あなたはそこへ渡って行くことはできない。」
3405 こうして、【主】の命令によって、【主】のしもべモーセは、モアブの地のその所で死んだ。
3406 主は彼をベテ・ペオルの近くのモアブの地の谷に葬られたが、今日に至るまで、その墓を知った者はいない。
3407 モーセが死んだときは百二十歳であったが、彼の目はかすまず、気力も衰えていなかった。
3408 イスラエル人はモアブの草原で、三十日間、モーセのために泣き悲しんだ。そしてモーセのために泣き悲しむ喪の期間は終わった。
3409 ヌンの子ヨシュアは、知恵の霊に満たされていた。モーセが彼の上に、かつて、その手を置いたからである。イスラエル人は彼に聞き従い、【主】がモーセに命じられたとおりに行った。
3410 モーセのような預言者は、もう再びイスラエルには起こらなかった。彼を【主】は、顔と顔とを合わせて選び出された。
3411 それは【主】が彼をエジプトの地に遣わし、パロとそのすべての家臣たち、およびその全土に対して、あらゆるしるしと不思議を行わせるためであり、
3412 また、モーセが、イスラエルのすべての人々の目の前で、力強い権威と、恐るべき威力とをことごとくふるうためであった。

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