0401 今、イスラエルよ。あなたがたが行うように私の教えるおきてと定めとを聞きなさい。そうすれば、あなたがたは生き、あなたがたの父祖の神、【主】が、あなたがたに与えようとしておられる地を所有することができる。
0402 私があなたがたに命じることばに、つけ加えてはならない。また、減らしてはならない。私があなたがたに命じる、あなたがたの神、【主】の命令を、守らなければならない。
0403 あなたがたは、【主】がバアル・ペオルのことでなさったことを、その目で見た。バアル・ペオルに従った者はみな、あなたの神、【主】があなたのうちから根絶やしにされた。
0404 しかし、あなたがたの神、【主】にすがってきたあなたがたはみな、きょう、生きている。
0405 見なさい。私は、私の神、【主】が私に命じられたとおりに、おきてと定めとをあなたがたに教えた。あなたがたが、入って行って、所有しようとしているその地の真ん中で、そのように行うためである。
0406 これを守り行いなさい。そうすれば、それは国々の民に、あなたがたの知恵と悟りを示すことになり、これらすべてのおきてを聞く彼らは、「この偉大な国民は、確かに知恵のある、悟りのある民だ」と言うであろう。
0407 まことに、私たちの神、【主】は、私たちが呼ばわるとき、いつも、近くにおられる。このような神を持つ偉大な国民が、どこにあるだろうか。
0408 また、きょう、私があなたがたの前に与えようとしている、このみおしえのすべてのように、正しいおきてと定めとを持っている偉大な国民が、いったい、どこにあるだろう。
0409 ただ、あなたは、ひたすら慎み、用心深くありなさい。あなたが自分の目で見たことを忘れず、一生の間、それらがあなたの心から離れることのないようにしなさい。あなたはそれらを、あなたの子どもや孫たちに知らせなさい。
0410 あなたがホレブで、あなたの神、【主】の前に立った日に、【主】は私に仰せられた。「民をわたしのもとに集めよ。わたしは彼らにわたしのことばを聞かせよう。それによって彼らが地上に生きている日の間、わたしを恐れることを学び、また彼らがその子どもたちに教えることができるように。」
0411 そこであなたがたは近づいて来て、山のふもとに立った。山は激しく燃え立ち、火は中天に達し、雲と暗やみの暗黒とがあった。
0412 【主】は火の中から、あなたがたに語られた。あなたがたはことばの声を聞いたが、御姿は見なかった。御声だけであった。
0413 主はご自分の契約をあなたがたに告げて、それを行うように命じられた。十のことばである。主はそれを二枚の石の板に書きしるされた。
0414 【主】は、そのとき、あなたがたにおきてと定めとを教えるように、私に命じられた。あなたがたが、渡って行って、所有しようとしている地で、それらを行うためであった。
0415 あなたがたは十分に気をつけなさい。【主】がホレブで火の中からあなたがたに話しかけられた日に、あなたがたは何の姿も見なかったからである。
0416 堕落して、自分たちのために、どんな形の彫像をも造らないようにしなさい。男の形も女の形も。
0417 地上のどんな家畜の形も、空を飛ぶどんな鳥の形も、
0418 地をはうどんなものの形も、地の下の水の中にいるどんな魚の形も。
0419 また、天に目を上げて、日、月、星の天の万象を見るとき、魅せられてそれらを拝み、それらに仕えないようにしなさい。それらのものは、あなたの神、【主】が全天下の国々の民に分け与えられたものである。
0420 【主】はあなたがたを取って、鉄の炉エジプトから連れ出し、今日のように、ご自分の所有の民とされた。
0421 しかし、【主】は、あなたがたのことで私を怒り、私はヨルダンを渡れず、またあなたの神、【主】が相続地としてあなたに与えようとしておられる良い地に入ることができないと誓われた。
0422 私は、この地で、死ななければならない。私はヨルダンを渡ることができない。しかしあなたがたは渡って、あの良い地を所有しようとしている。
0423 気をつけて、あなたがたの神、【主】があなたがたと結ばれた契約を忘れることのないようにしなさい。あなたの神、【主】の命令にそむいて、どんな形の彫像をも造ることのないようにしなさい。
0424 あなたの神、【主】は焼き尽くす火、ねたむ神だからである。
0425 あなたが子を生み、孫を得、あなたがたがその地に永住し、堕落して、何かの形に刻んだ像を造り、あなたの神、【主】の目の前に悪を行い、御怒りを買うようなことがあれば、
0426 私は、きょう、あなたがたに対して、天と地とを証人に立てる。あなたがたは、ヨルダンを渡って、所有しようとしているその土地から、たちまちにして滅びうせる。そこで長く生きるどころか、すっかり根絶やしにされるだろう。
0427 【主】はあなたがたを国々の民の中に散らされる。しかし、ごくわずかな者たちが、【主】の追いやる国々の中に残される。
0428 あなたがたはそこで、人間の手で造った、見ることも、聞くこともせず、食べることも、かぐこともしない木や石の神々に仕える。
0429 そこから、あなたがたは、あなたの神、【主】を慕い求め、主に会う。あなたが、心を尽くし、精神を尽くして切に求めるようになるからである。
0430 あなたの苦しみのうちにあって、これらすべてのことが後の日に、あなたに臨むなら、あなたは、あなたの神、【主】に立ち返り、御声に聞き従うのである。
0431 あなたの神、【主】は、あわれみ深い神であるから、あなたを捨てず、あなたを滅ぼさず、あなたの先祖たちに誓った契約を忘れない。
0432 さあ、あなたより前の過ぎ去った時代に尋ねてみるがよい。神が地上に人を造られた日からこのかた、天のこの果てからかの果てまでに、これほど偉大なことが起こったであろうか。このようなことが聞かれたであろうか。
0433 あなたのように、火の中から語られる神の声を聞いて、なお生きていた民があっただろうか。
0434 あるいは、あなたがたの神、【主】が、エジプトにおいてあなたの目の前で、あなたがたのためになさったように、試みと、しるしと、不思議と、戦いと、力強い御手と、伸べられた腕と、恐ろしい力とをもって、一つの国民を他の国民の中から取って、あえてご自身のものとされた神があったであろうか。
0435 あなたにこのことが示されたのは、【主】だけが神であって、ほかには神はないことを、あなたが知るためであった。
0436 主はあなたを訓練するため、天から御声を聞かせ、地の上では、大きい火を見させた。その火の中からあなたは、みことばを聞いた。
0437 主は、あなたの先祖たちを愛して、その後の子孫を選んでおられたので、主ご自身が大いなる力をもって、あなたをエジプトから連れ出された。
0438 それはあなたよりも大きく、強い国々を、あなたの前から追い払い、あなたを彼らの地に入らせ、これを相続地としてあなたに与えるためであった。今日のとおりである。
0439 きょう、あなたは、上は天、下は地において、【主】だけが神であり、ほかに神はないことを知り、心に留めなさい。
0440 きょう、私が命じておいた主のおきてと命令とを守りなさい。あなたも、あなたの後の子孫も、しあわせになり、あなたの神、【主】が永久にあなたに与えようとしておられる地で、あなたが長く生き続けるためである。
0441 それからモーセは、ヨルダンの向こうの地に三つの町を取り分けた。東のほうである。
0442 以前から憎んでいなかった隣人を知らずに殺した殺人者が、そこへ、のがれることのできるためである。その者はこれらの町の一つにのがれて、生きのびることができる。
0443 ルベン人に属する高地の荒野にあるベツェル、ガド人に属するギルアデのラモテ、マナセ人に属するバシャンのゴランである。
0444 これはモーセがイスラエル人の前に置いたみおしえである。
0445 これはさとしとおきてと定めであって、イスラエル人がエジプトを出たとき、モーセが彼らに告げたのである。
0446 そこは、ヨルダンの向こうの地、エモリ人の王シホンの国のベテ・ペオルの前の谷であった。シホンはヘシュボンに住んでいたが、モーセとイスラエル人が、エジプトから出て来たとき、彼を打ち殺した。
0447 彼らは、シホンの国とバシャンの王オグの国とを占領した。このふたりのエモリ人の王はヨルダンの向こうの地、東のほうにいた。
0448 それはアルノン川の縁にあるアロエルからシーオン山、すなわちヘルモンまで、
0449 また、ヨルダンの向こうの地、東の、アラバの全部、ピスガの傾斜地のふもとのアラバの海までである。
0501 さて、モーセはイスラエル人をみな呼び寄せて彼らに言った。聞きなさい。イスラエルよ。きょう、私があなたがたの耳に語るおきてと定めとを。これを学び、守り行いなさい。
0502 私たちの神、【主】は、ホレブで私たちと契約を結ばれた。
0503 【主】が、この契約を結ばれたのは、私たちの先祖たちとではなく、きょう、ここに生きている私たちひとりひとりと、結ばれたのである。
0504 【主】はあの山で、火の中からあなたがたに顔と顔とを合わせて語られた。
0505 そのとき、私は【主】とあなたがたとの間に立ち、【主】のことばをあなたがたに告げた。あなたがたが火を恐れて、山に登らなかったからである。主は仰せられた。
0506 「わたしは、あなたをエジプトの国、奴隷の家から連れ出した、あなたの神、【主】である。
0507 あなたには、わたしのほかに、ほかの神々があってはならない。
0508 あなたは、自分のために、偶像を造ってはならない。上の天にあるものでも、下の地にあるものでも、地の下の水の中にあるものでも、どんな形をも造ってはならない。
0509 それらを拝んではならない。それらに仕えてはならない。あなたの神、【主】であるわたしは、ねたむ神、わたしを憎む者には、父の咎を子に報い、三代、四代にまで及ぼし、
0510 わたしを愛し、わたしの命令を守る者には、恵みを千代にまで施すからである。
0511 あなたは、あなたの神、【主】の御名を、みだりに唱えてはならない。【主】は、御名をみだりに唱える者を、罰せずにはおかない。
0512 安息日を守って、これを聖なる日とせよ。あなたの神、【主】が命じられたとおりに。
0513 六日間、働いて、あなたのすべての仕事をしなければならない。
0514 しかし七日目は、あなたの神、【主】の安息である。あなたはどんな仕事もしてはならない。──あなたも、あなたの息子、娘も、あなたの男奴隷や女奴隷も、あなたの牛、ろばも、あなたのどんな家畜も、またあなたの町囲みのうちにいる在留異国人も──そうすれば、あなたの男奴隷も、女奴隷も、あなたと同じように休むことができる。
0515 あなたは、自分がエジプトの地で奴隷であったこと、そして、あなたの神、【主】が力強い御手と伸べられた腕とをもって、あなたをそこから連れ出されたことを覚えていなければならない。それゆえ、あなたの神、【主】は、安息日を守るよう、あなたに命じられたのである。
0516 あなたの父と母を敬え。あなたの神、【主】が命じられたとおりに。それは、あなたの齢が長くなるため、また、あなたの神、【主】が与えようとしておられる地で、しあわせになるためである。
0517 殺してはならない。
0518 姦淫してはならない。
0519 盗んではならない。
0520 あなたの隣人に対し、偽証してはならない。
0521 あなたの隣人の妻を欲しがってはならない。あなたの隣人の家、畑、男奴隷、女奴隷、牛、ろば、すべてあなたの隣人のものを、欲しがってはならない。」
0522 これらのことばを、【主】はあの山で、火と雲と暗やみの中から、あなたがたの全集会に、大きな声で告げられた。このほかのことは言われなかった。主はそれを二枚の石の板に書いて、私に授けられた。
0523 あなたがたが、暗黒の中からのその御声を聞き、またその山が火で燃えていたときに、あなたがた、すなわちあなたがたの部族のすべてのかしらたちと長老たちとは、私のもとに近寄って来た。
0524 そして言った。「私たちの神、【主】は、今、ご自身の栄光と偉大さとを私たちに示されました。私たちは火の中から御声を聞きました。きょう、私たちは、神が人に語られても、人が生きることができるのを見ました。
0525 今、私たちはなぜ死ななければならないのでしょうか。この大きい火が私たちをなめ尽くそうとしています。もし、この上なお私たちの神、【主】の声を聞くならば、私たちは死ななければなりません。
0526 いったい肉を持つ者で、私たちのように、火の中から語られる生ける神の声を聞いて、なお生きている者がありましょうか。
0527 あなたが近づいて行き、私たちの神、【主】が仰せになることをみな聞き、私たちの神、【主】があなたにお告げになることをみな、私たちに告げてくださいますように。私たちは聞いて、行います。」
0528 【主】はあなたがたが私に話していたとき、あなたがたのことばの声を聞かれて、【主】は私に仰せられた。「わたしはこの民があなたに話していることばの声を聞いた。彼らの言ったことは、みな、もっともである。
0529 どうか、彼らの心がこのようであって、いつまでも、わたしを恐れ、わたしのすべての命令を守るように。そうして、彼らも、その子孫も、永久にしあわせになるように。
0530 さあ、彼らに、『あなたがたは、自分の天幕に帰りなさい』と言え。
0531 しかし、あなたは、わたしとともにここにとどまれ。わたしは、あなたが彼らに教えるすべての命令──おきてと定め──を、あなたに告げよう。彼らは、わたしが与えて所有させようとしているその地で、それを行うのだ。」
0532 あなたがたは、あなたがたの神、【主】が命じられたとおりに守り行いなさい。右にも左にもそれてはならない。
0533 あなたがたの神、【主】が命じられたすべての道を歩まなければならない。あなたがたが生き、しあわせになり、あなたがたが所有する地で、長く生きるためである。
0601 これは、あなたがたの神、【主】が、あなたがたに教えよと命じられた命令──おきてと定め──である。あなたがたが、渡って行って、所有しようとしている地で、行うためである。
0602 それは、あなたの一生の間、あなたも、そしてあなたの子も孫も、あなたの神、【主】を恐れて、私の命じるすべての主のおきてと命令を守るため、またあなたが長く生きることのできるためである。
0603 イスラエルよ。聞いて、守り行いなさい。そうすれば、あなたはしあわせになり、あなたの父祖の神、【主】があなたに告げられたように、あなたは乳と蜜の流れる国で大いにふえよう。
0604 聞きなさい。イスラエル。【主】は私たちの神。【主】はただひとりである。
0605 心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くして、あなたの神、【主】を愛しなさい。
0606 私がきょう、あなたに命じるこれらのことばを、あなたの心に刻みなさい。
0607 これをあなたの子どもたちによく教え込みなさい。あなたが家にすわっているときも、道を歩くときも、寝るときも、起きるときも、これを唱えなさい。
0608 これをしるしとしてあなたの手に結びつけ、記 として額の上に置きなさい。
0609 これをあなたの家の門柱と門に書きしるしなさい。
0610 あなたの神、【主】が、あなたの先祖、アブラハム、イサク、ヤコブに誓われた地にあなたを導き入れ、あなたが建てなかった、大きくて、すばらしい町々、
0611 あなたが満たさなかった、すべての良い物が満ちた家々、あなたが掘らなかった掘り井戸、あなたが植えなかったぶどう畑とオリーブ畑、これらをあなたに与え、あなたが食べて、満ち足りるとき、
0612 あなたは気をつけて、あなたをエジプトの地、奴隷の家から連れ出された【主】を忘れないようにしなさい。
0613 あなたの神、【主】を恐れなければならない。主に仕えなければならない。御名によって誓わなければならない。
0614 ほかの神々、あなたがたの回りにいる国々の民の神に従ってはならない。
0615 あなたのうちにおられるあなたの神、【主】は、ねたむ神であるから、あなたの神、【主】の怒りがあなたに向かって燃え上がり、主があなたを地の面から根絶やしにされないようにしなさい。
0616 あなたがたがマサで試みたように、あなたがたの神、【主】を試みてはならない。
0617 あなたがたの神、【主】の命令、主が命じられたさとしとおきてを忠実に守らなければならない。
0618 【主】が正しい、また良いと見られることをしなさい。そうすれば、あなたはしあわせになり、【主】があなたの先祖たちに誓われたあの良い地を所有することができる。
0619 そうして、【主】が告げられたように、あなたの敵は、ことごとくあなたの前から追い払われる。
0620 後になって、あなたの息子があなたに尋ねて、「私たちの神、【主】が、あなたがたに命じられた、このさとしとおきてと定めとは、どういうことか」と言うなら、
0621 あなたは自分の息子にこう言いなさい。「私たちはエジプトでパロの奴隷であったが、【主】が力強い御手をもって、私たちをエジプトから連れ出された。
0622 【主】は私たちの目の前で、エジプトに対し、パロとその全家族に対して大きくてむごいしるしと不思議とを行い、
0623 私たちをそこから連れ出された。それは私たちの先祖たちに誓われた地に、私たちを入らせて、その地を私たちに与えるためであった。
0624 それで、【主】は、私たちがこのすべてのおきてを行い、私たちの神、【主】を恐れるように命じられた。それは、今日のように、いつまでも私たちがしあわせであり、生き残るためである。
0625 私たちの神、【主】が命じられたように、御前でこのすべての命令を守り行うことは、私たちの義となるのである。」