1901 あなたの神、【主】が、あなたに与えようとしておられる地の国々を、あなたの神、【主】が断ち滅ぼし、あなたがそれらを占領し、それらの町々や家々に住むようになったときに、
1902 あなたの神、【主】があなたに与えて所有させようとしておられるその地に、三つの町を取り分けなければならない。
1903 あなたは距離を測定し、あなたの神、【主】があなたに受け継がせる地域を三つに区分しなければならない。殺人者はだれでも、そこにのがれることができる。
1904 殺人者がそこにのがれて生きることができる場合は次のとおり。知らずに隣人を殺し、以前からその人を憎んでいなかった場合である。
1905 たとえば、木を切るため隣人といっしょに森に入り、木を切るために斧を手にして振り上げたところ、その頭が柄から抜け、それが隣人に当たってその人が死んだ場合、その者はこれらの町の一つにのがれて生きることができる。
1906 血の復讐をする者が、憤りの心に燃え、その殺人者を追いかけ、道が遠いために、その人に追いついて、打ち殺すようなことがあってはならない。その人は、以前から相手を憎んでいたのではないから、死刑に当たらない。
1907 だから私はあなたに命じて、「三つの町を取り分けよ」と言ったのである。
1908 あなたの神、【主】が、あなたの先祖たちに誓われたとおり、あなたの領土を広げ、先祖たちに与えると約束された地を、ことごとくあなたに与えられたなら、
1909 ──私が、きょう、あなたに命じるこのすべての命令をあなたが守り行い、あなたの神、【主】を愛し、いつまでもその道を歩むなら──そのとき、この三つの町に、さらに三つの町を追加しなさい。
1910 あなたの神、【主】が相続地としてあなたに与えようとしておられる地で、罪のない者の血が流されることがなく、また、あなたが血の罪を負うことがないためである。
1911 しかし、もし人が自分の隣人を憎み、待ち伏せして襲いかかり、彼を打って、死なせ、これらの町の一つにのがれるようなことがあれば、
1912 彼の町の長老たちは、人をやって彼をそこから引き出し、血の復讐をする者の手に渡さなければならない。彼は死ななければならない。
1913 彼をあわれんではならない。罪のない者の血を流す罪は、イスラエルから除き去りなさい。それはあなたのためになる。
1914 あなたの神、【主】があなたに与えて所有させようとしておられる地のうち、あなたの受け継ぐ相続地で、あなたは、先代の人々の定めた隣人との地境を移してはならない。
1915 どんな咎でも、どんな罪でも、すべて人が犯した罪は、ひとりの証人によっては立証されない。ふたりの証人の証言、または三人の証人の証言によって、そのことは立証されなければならない。
1916 もし、ある人に不正な証言をするために悪意のある証人が立ったときには、
1917 相争うこの二組の者は、【主】の前に、その時の祭司たちとさばきつかさたちの前に立たなければならない。
1918 さばきつかさたちはよく調べたうえで、その証人が偽りの証人であり、自分の同胞に対して偽りの証言をしていたのであれば、
1919 あなたがたは、彼がその同胞にしようとたくらんでいたとおりに、彼になし、あなたがたのうちから悪を除き去りなさい。
1920 ほかの人々も聞いて恐れ、このような悪を、あなたがたのうちで再び行わないであろう。
1921 あわれみをかけてはならない。いのちにはいのち、目には目、歯には歯、手には手、足には足。
2001 あなたが敵と戦うために出て行くとき、馬や戦車や、あなたよりも多い軍勢を見ても、彼らを恐れてはならない。あなたをエジプトの地から導き上られたあなたの神、【主】が、あなたとともにおられる。
2002 あなたがたが戦いに臨む場合は、祭司は進み出て民に告げ、
2003 彼らに言いなさい。「聞け。イスラエルよ。あなたがたは、きょう、敵と戦おうとしている。弱気になってはならない。恐れてはならない。うろたえてはならない。彼らのことでおじけてはならない。
2004 共に行って、あなたがたのために、あなたがたの敵と戦い、勝利を得させてくださるのは、あなたがたの神、【主】である。」
2005 つかさたちは、民に告げて言いなさい。「新しい家を建てて、まだそれを奉献しなかった者はいないか。その者は家へ帰らなければならない。彼が戦死して、ほかの者がそれを奉献するといけないから。
2006 ぶどう畑を作って、そこからまだ収穫していない者はいないか。その者は家へ帰らなければならない。彼が戦死して、ほかの者が収穫するといけないから。
2007 女と婚約して、まだその女と結婚していない者はいないか。その者は家へ帰らなければならない。彼が戦死して、ほかの者が彼女と結婚するといけないから。」
2008 つかさたちは、さらに民に告げて言わなければならない。「恐れて弱気になっている者はいないか。その者は家に帰れ。戦友たちの心が、彼の心のようにくじけるといけないから。」
2009 つかさたちが民に告げ終わったら、将軍たちが民の指揮をとりなさい。
2010 町を攻略しようと、あなたがその町に近づいたときには、まず降伏を勧めなさい。
2011 降伏に同意して門を開くなら、その中にいる民は、みな、あなたのために、苦役に服して働かなければならない。
2012 もし、あなたに降伏せず、戦おうとするなら、これを包囲しなさい。
2013 あなたの神、【主】が、それをあなたの手に渡されたなら、その町の男をみな、剣の刃で打ちなさい。
2014 しかし女、子ども、家畜、また町の中にあるすべてのもの、そのすべての略奪物を、戦利品として取ってよい。あなたの神、【主】があなたに与えられた敵からの略奪物を、あなたは利用することができる。
2015 非常に遠く離れていて、次に示す国々の町でない町々に対しては、すべてこのようにしなければならない。
2016 しかし、あなたの神、【主】が相続地として与えようとしておられる次の国々の民の町では、息のある者をひとりも生かしておいてはならない。
2017 すなわち、ヘテ人、エモリ人、カナン人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人は、あなたの神、【主】が命じられたとおり、必ず聖絶しなければならない。
2018 それは、彼らが、その神々に行っていたすべての忌みきらうべきことをするようにあなたがたに教え、あなたがたが、あなたがたの神、【主】に対して罪を犯すことのないためである。
2019 長い間、町を包囲して、これを攻め取ろうとするとき、斧をふるって、そこの木を切り倒してはならない。その木から取って食べるのはよいが、切り倒してはならない。まさか野の木が包囲から逃げ出す人間でもあるまい。
2020 ただ、実を結ばないとわかっている木だけは、切り倒してもよい。それを切り倒して、あなたと戦っている町が陥落するまでその町に対して、それでとりでを築いてもよい。
2101 あなたの神、【主】があなたに与えて所有させようとしておられる地で、刺し殺されて野に倒れている人が見つかり、だれが殺したのかわからないときは、
2102 あなたの長老たちとさばきつかさたちは出て行って、刺し殺された者の回りの町々への距離を測りなさい。
2103 そして、刺し殺された者に最も近い町がわかれば、その町の長老たちは、まだ使役されず、まだくびきを負って引いたことのない群れのうちの雌の子牛を取り、
2104 その町の長老たちは、その雌の子牛を、まだ耕されたことも種を蒔かれたこともない、いつも水の流れている谷へ連れて下り、その谷で雌の子牛の首を折りなさい。
2105 そこでレビ族の祭司たちが進み出なさい。彼らは、あなたの神、【主】が、ご自身に仕えさせ、また【主】の御名によって祝福を宣言するために選ばれた者であり、どんな争いも、どんな暴行事件も、彼らの判決によるからである。
2106 刺し殺された者に最も近い、その町の長老たちはみな、谷で首を折られた雌の子牛の上で手を洗い、
2107 証言して言いなさい。「私たちの手は、この血を流さず、私たちの目はそれを見なかった。
2108 【主】よ。あなたが贖い出された御民イスラエルをお赦しください。罪のない者の血を流す罪を、御民イスラエルのうちに負わせないでください。」彼らは血の罪を赦される。
2109 あなたは、罪のない者の血を流す罪をあなたがたのうちから除き去らなければならない。【主】が正しいと見られることをあなたは行わなければならないからである。
2110 あなたが敵との戦いに出て、あなたの神、【主】が、その敵をあなたの手に渡し、あなたがそれを捕虜として捕らえて行くとき、
2111 その捕虜の中に、姿の美しい女性を見、その女を恋い慕い、妻にめとろうとするなら、
2112 その女をあなたの家に連れて行きなさい。女は髪をそり、爪を切り、
2113 捕虜の着物を脱ぎ、あなたの家にいて、自分の父と母のため、一か月の間、泣き悲しまなければならない。その後、あなたは彼女のところに入り、彼女の夫となることができる。彼女はあなたの妻となる。
2114 もしあなたが彼女を好まなくなったなら、彼女を自由の身にしなさい。決して金で売ってはならない。あなたは、すでに彼女を意のままにしたのであるから、彼女を奴隷として扱ってはならない。
2115 ある人がふたりの妻を持ち、ひとりは愛され、ひとりはきらわれており、愛されている者も、きらわれている者も、その人に男の子を産み、長子はきらわれている妻の子である場合、
2116 その人が自分の息子たちに財産を譲る日に、長子である、そのきらわれている者の子をさしおいて、愛されている者の子を長子として扱うことはできない。
2117 きらわれている妻の子を長子として認め、自分の全財産の中から、二倍の分け前を彼に与えなければならない。彼は、その人の力の初めであるから、長子の権利は、彼のものである。
2118 かたくなで、逆らう子がおり、父の言うことも、母の言うことも聞かず、父母に懲らしめられても、父母に従わないときは、
2119 その父と母は、彼を捕らえ、町の門にいる町の長老たちのところへその子を連れて行き、
2120 町の長老たちに、「私たちのこの息子は、かたくなで、逆らいます。私たちの言うことを聞きません。放蕩して、大酒飲みです」と言いなさい。
2121 町の人はみな、彼を石で打ちなさい。彼は死ななければならない。あなたがたのうちから悪を除き去りなさい。イスラエルがみな、聞いて恐れるために。
2122 もし、人が死刑に当たる罪を犯して殺され、あなたがこれを木につるすときは、
2123 その死体を次の日まで木に残しておいてはならない。その日のうちに必ず埋葬しなければならない。木につるされた者は、神にのろわれた者だからである。あなたの神、【主】が相続地としてあなたに与えようとしておられる地を汚してはならない。