申命記

1301 あなたがたのうちに預言者または夢見る者が現れ、あなたに何かのしるしや不思議を示し、
1302 あなたに告げたそのしるしと不思議が実現して、「さあ、あなたが知らなかったほかの神々に従い、これに仕えよう」と言っても、
1303 その預言者、夢見る者のことばに従ってはならない。あなたがたの神、【主】は、あなたがたが心を尽くし、精神を尽くして、ほんとうに、あなたがたの神、【主】を愛するかどうかを知るために、あなたがたを試みておられるからである。
1304 あなたがたの神、【主】に従って歩み、主を恐れなければならない。主の命令を守り、御声に聞き従い、主に仕え、主にすがらなければならない。
1305 その預言者、あるいは、夢見る者は殺されなければならない。その者は、あなたがたをエジプトの国から連れ出し、奴隷の家から贖い出された、あなたがたの神、【主】に、あなたがたを反逆させようとそそのかし、あなたの神、【主】があなたに歩めと命じた道から、あなたを迷い出させようとするからである。あなたがたのうちからこの悪を除き去りなさい。
1306 あなたと母を同じくするあなたの兄弟、あるいはあなたの息子、娘、またはあなたの愛妻、またはあなたの無二の親友が、ひそかにあなたをそそのかして、「さあ、ほかの神々に仕えよう」と言うかもしれない。これは、あなたも、あなたの先祖たちも知らなかった神々で、
1307 地の果てから果てまで、あなたの近くにいる、あるいはあなたから遠く離れている、あなたがたの回りの国々の民の神である。
1308 あなたは、そういう者に同意したり、耳を貸したりしてはならない。このような者にあわれみをかけたり、同情したり、彼をかばったりしてはならない。
1309 必ず彼を殺さなければならない。彼を殺すには、まず、あなたが彼に手を下し、その後、民がみな、その手を下すようにしなさい。
1310 彼を石で打ちなさい。彼は死ななければならない。彼は、エジプトの地、奴隷の家からあなたを連れ出したあなたの神、【主】から、あなたを迷い出させようとしたからである。
1311 イスラエルはみな、聞いて恐れ、重ねてこのような悪を、あなたがたのうちで行わないであろう。
1312 もし、あなたの神、【主】があなたに与えて住まわせる町の一つで、
1313 よこしまな者たちが、あなたがたのうちから出て、「さあ、あなたがたの知らなかったほかの神々に仕えよう」と言って、町の住民を迷わせたと聞いたなら、
1314 あなたは、調べ、探り、よく問いたださなければならない。もし、そのような忌みきらうべきことがあなたがたのうちで行われたことが、事実で確かなら、
1315 あなたは必ず、その町の住民を剣の刃で打たなければならない。その町とそこにいるすべての者、その家畜も、剣の刃で聖絶しなさい。
1316 そのすべての略奪物を広場の中央に集め、その町と略奪物のすべてを、あなたの神、【主】への焼き尽くすいけにえとして、火で焼かなければならない。その町は永久に廃墟となり、再建されることはない。
1317 この聖絶のものは何一つ自分のものにしてはならない。【主】が燃える怒りをおさめ、あなたにあわれみを施し、あなたをいつくしみ、あなたの先祖たちに誓ったとおり、あなたをふやすためである。
1318 あなたは、必ずあなたの神、【主】の御声に聞き従い、私が、きょう、あなたに命じるすべての主の命令を守り、あなたの神、【主】が正しいと見られることを行わなければならない。
1401 あなたがたは、あなたがたの神、【主】の子どもである。死人のために自分の身に傷をつけたり、また額をそり上げたりしてはならない。
1402 あなたは、あなたの神、【主】の聖なる民である。【主】は、地の面のすべての国々の民のうちから、あなたを選んでご自分の宝の民とされた。
1403 あなたは忌みきらうべきものを、いっさい食べてはならない。
1404 あなたがたが食べることのできる獣は、牛、羊、やぎ、
1405 鹿、かもしか、のろじか、野やぎ、くじか、おおじか、野羊。
1406 および、ひづめが分かれ、完全に二つに割れているもので、反芻するものは、すべて食べることができる。
1407 反芻するもの、または、ひづめの分かれたもののうち、らくだ、野うさぎ、岩だぬきは、食べてはならない。これらは反芻するが、ひづめが分かれていない。それは、あなたがたには汚れたものである。
1408 豚もそうである。ひづめは分かれているが、反芻しないから、あなたがたには汚れたものである。その肉を食べてはならない。またその死体にも触れてはならない。
1409 すべて水の中にいるもののうち、次のものをあなたがたは食べることができる。すべて、ひれとうろこのあるものは食べることができる。
1410 ひれとうろこのないものは何も食べてはならない。それは、あなたがたには汚れたものである。
1411 すべて、きよい鳥は食べることができる。
1412 食べてならないものは、はげわし、はげたか、黒はげたか、
1413 黒とび、はやぶさ、とびの類、
1414 烏の類全部、
1415 だちょう、よたか、かもめ、たかの類、
1416 ふくろう、みみずく、白ふくろう、
1417 ペリカン、野がん、う、
1418 こうのとり、さぎの類、やつがしら、こうもり。
1419 羽があって群生するものは、すべてあなたがたには汚れたものである。
1420 羽のあるきよいものはどれも食べることができる。
1421 あなたがたは自然に死んだものを、いっさい食べてはならない。あなたの町囲みのうちにいる在留異国人にそれを与えて、彼がそれを食べるのはよい。あるいは、外国人に売りなさい。あなたは、あなたの神、【主】の聖なる民である。子やぎをその母の乳で煮てはならない。
1422 あなたが種を蒔いて、畑から得るすべての収穫の十分の一を必ず毎年ささげなければならない。
1423 主が御名を住まわせるために選ぶ場所、あなたの神、【主】の前で、あなたの穀物や新しいぶどう酒や油の十分の一と、それに牛や羊の初子を食べなさい。あなたが、いつも、あなたの神、【主】を恐れることを学ぶために。
1424 もし、道のりがあまりに遠すぎ、持って行くことができないなら、もし、あなたの神、【主】が御名を置くために選ぶ場所が遠く離れているなら、あなたの神、【主】があなたを祝福される場合、
1425 あなたはそれを金に換え、その金を手に結びつけ、あなたの神、【主】の選ぶ場所に行きなさい。
1426 あなたは、そこでその金をすべてあなたの望むもの、牛、羊、ぶどう酒、強い酒、また何であれ、あなたの願うものに換えなさい。あなたの神、【主】の前で食べ、あなたの家族とともに喜びなさい。
1427 あなたの町囲みのうちにいるレビ人をないがしろにしてはならない。彼には、あなたのうちにあって相続地の割り当てがないからである。
1428 三年の終わりごとに、その年の収穫の十分の一を全部持ち出し、あなたの町囲みのうちに置いておかなければならない。
1429 あなたのうちにあって相続地の割り当てのないレビ人や、あなたの町囲みのうちにいる在留異国人や、みなしごや、やもめは来て、食べ、満ち足りるであろう。あなたの神、【主】が、あなたのすべての手のわざを祝福してくださるためである。
1501 七年の終わりごとに、負債の免除をしなければならない。
1502 その免除のしかたは次のとおりである。貸し主はみな、その隣人に貸したものを免除する。その隣人やその兄弟から取り立ててはならない。【主】が免除を布告しておられる。
1503 外国人からは取り立てることができるが、あなたの兄弟が、あなたに借りているものは免除しなければならない。
1504 そうすれば、あなたのうちには貧しい者がなくなるであろう。あなたの神、【主】が相続地としてあなたに与えて所有させようとしておられる地で、【主】は、必ずあなたを祝福される。
1505 ただ、あなたは、あなたの神、【主】の御声によく聞き従い、私が、きょう、あなたに命じるこのすべての命令を守り行わなければならない。
1506 あなたの神、【主】は、あなたに約束されたようにあなたを祝福されるから、あなたは多くの国々に貸すが、あなたが借りることはない。またあなたは多くの国々を支配するが、彼らがあなたを支配することはない。
1507 あなたの神、【主】があなたに与えようとしておられる地で、あなたのどの町囲みのうちででも、あなたの兄弟のひとりが、もし貧しかったなら、その貧しい兄弟に対して、あなたの心を閉じてはならない。また手を閉じてはならない。
1508 進んであなたの手を彼に開き、その必要としているものを十分に貸し与えなければならない。
1509 あなたは心に邪念をいだき、「 七年、免除の年が近づいた」と言って、貧しい兄弟に物惜しみして、これに何も与えないことのないように気をつけなさい。その人があなたのことで【主】に訴えるなら、あなたは有罪となる。
1510 必ず彼に与えなさい。また与えるとき、心に未練を持ってはならない。このことのために、あなたの神、【主】は、あなたのすべての働きと手のわざを祝福してくださる。
1511 貧しい者が国のうちから絶えることはないであろうから、私はあなたに命じて言う。「国のうちにいるあなたの兄弟の悩んでいる者と貧しい者に、必ずあなたの手を開かなければならない。」
1512 もし、あなたの同胞、ヘブル人の男あるいは女が、あなたのところに売られてきて六年間あなたに仕えたなら、七年目にはあなたは彼を自由の身にしてやらなければならない。
1513 彼を自由の身にしてやるときは、何も持たせずに去らせてはならない。
1514 必ず、あなたの羊の群れと打ち場と酒ぶねのうちから取って、彼にあてがってやらなければならない。あなたの神、【主】があなたに祝福として与えられたものを、彼に与えなければならない。
1515 あなたは、エジプトの地で奴隷であったあなたを、あなたの神、【主】が贖い出されたことを覚えていなさい。それゆえ、私は、きょう、この戒めをあなたに命じる。
1516 その者が、あなたとあなたの家族を愛し、あなたのもとにいてしあわせなので、「あなたのところから出て行きたくありません」と言うなら、
1517 あなたは、きりを取って、彼の耳を戸に刺し通しなさい。彼はいつまでもあなたの奴隷となる。女奴隷にも同じようにしなければならない。
1518 彼を自由の身にしてやるときには、きびしくしてはならない。彼は六年間、雇い人の賃金の二倍分あなたに仕えたからである。あなたの神、【主】は、あなたのなすすべてのことにおいて、あなたを祝福してくださる。
1519 あなたの牛の群れや羊の群れに生まれた雄の初子はみな、あなたの神、【主】にささげなければならない。牛の初子を使って働いてはならない。羊の初子の毛を刈ってはならない。
1520 【主】が選ぶ場所で、あなたは家族とともに、毎年、あなたの神、【主】の前で、それを食べなければならない。
1521 もし、それに欠陥があれば、足がなえたり盲目であったり、何でもひどい欠陥があれば、あなたの神、【主】にそれをいけにえとしてささげてはならない。
1522 あなたの町囲みのうちでそれを食べなければならない。汚れた人もきよい人も、かもしかや、鹿と同じように、それを食べることができる。
1523 ただし、その血を食べてはならない。それを地面に水のように注ぎ出さなければならない。

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