ゼカリヤ書

0701 ダリヨス王の 四年の 九の月、すなわち、キスレウの月の四日に、ゼカリヤに【主】のことばがあった。
0702 そのとき、ベテルは、サル・エツェルとレゲム・メレクおよびその従者たちを、主に願うために遣わし、
0703 万軍の【主】の宮に仕える祭司たちと、預言者たちに尋ねさせた。「私が長年やってきたように、 五の月にも、断食をして泣かなければならないでしょうか。」
0704 すると、私に次のような万軍の【主】のことばがあった。
0705 「この国のすべての民と祭司たちに向かってこう言え。この七十年の間、あなたがたが、 五の月と 七の月に断食して嘆いたとき、このわたしのために断食したのか。
0706 あなたがたが食べたり飲んだりするとき、食べるのも飲むのも、自分たちのためではなかったか。
0707 エルサレムとその回りの町々に人が住み、平和であったとき、また、ネゲブや低地に人が住んでいたとき、【主】が先の預言者たちを通して告げられたのは、次のことではなかったか。」
0708 ついで、ゼカリヤに次のような【主】のことばがあった。
0709 万軍の【主】はこう仰せられる。「正しいさばきを行い、互いに誠実を尽くし、あわれみ合え。
0710 やもめ、みなしご、在留異国人、貧しい者をしいたげるな。互いに心の中で悪をたくらむな。」
0711 それなのに、彼らはこれを聞こうともせず、肩を怒らし、耳をふさいで聞き入れなかった。
0712 彼らは心を金剛石のようにして、万軍の【主】がその御霊により、先の預言者たちを通して送られたおしえとみことばを、聞き入れなかった。そこで、万軍の【主】から大きな怒りが下った。
0713 「呼ばれたときも、彼らは聞かなかった。そのように、彼らが呼んでも、わたしは聞かない」と万軍の【主】は仰せられる。
0714 「わたしは、彼らを知らないすべての国々に彼らを追い散らす。この国は、彼らが去ったあと、荒れすたれて、行き来する者もいなくなる。こうして彼らはこの慕わしい国を荒れすたらせた。」
0801 次のような万軍の【主】のことばがあった。
0802 万軍の【主】はこう仰せられる。「わたしは、シオンをねたむほど激しく愛し、ひどい憤りでこれをねたむ。」
0803 【主】はこう仰せられる。「わたしはシオンに帰り、エルサレムのただ中に住もう。エルサレムは真実の町と呼ばれ、万軍の【主】の山は聖なる山と呼ばれよう。」
0804 万軍の【主】はこう仰せられる。「再び、エルサレムの広場には、老いた男、老いた女がすわり、年寄りになって、みな手に杖を持とう。
0805 町の広場は、広場で遊ぶ男の子や女の子でいっぱいになろう。」
0806 万軍の【主】はこう仰せられる。「もし、これが、その日、この民の残りの者の目に不思議に見えても、わたしの目に、これが不思議に見えるだろうか。──万軍の【主】の御告げ──」
0807 万軍の【主】はこう仰せられる。「見よ。わたしは、わたしの民を日の出る地と日の入る地から救い、
0808 彼らを連れ帰り、エルサレムの中に住ませる。このとき、彼らはわたしの民となり、わたしは真実と正義をもって彼らの神となる。」
0809 万軍の【主】はこう仰せられる。「勇気を出せ。あなたがたは、万軍の【主】の家である神殿を建てるための礎が据えられた日以来、預言者たちの口から、これらのことばを日ごろ聞いているではないか。
0810 その日以前は、人がかせいでも報酬がなく、家畜がかせいでも報酬がなかった。出て行く者にも、帰って来る者にも、敵がいるために平安はなかった。わたしがすべての人を互いに争わせたからだ。
0811 しかし、今は、わたしはこの民の残りの者に対して、先の日のようではない。──万軍の【主】の御告げ──
0812 それは、平安の種が蒔かれ、ぶどうの木は実を結び、地は産物を出し、天は露を降らすからだ。わたしはこの民の残りの者に、これらすべてを継がせよう。
0813 ユダの家よ。イスラエルの家よ。あなたがたは諸国の民の間でのろいとなったが、そのように、わたしはあなたがたを救って、祝福とならせる。恐れるな。勇気を出せ。」
0814 万軍の【主】はこう仰せられる。「あなたがたの先祖がわたしを怒らせたとき、わたしはあなたがたにわざわいを下そうと考えた。──万軍の【主】は仰せられる──そしてわたしは思い直さなかった。
0815 しかし、このごろ、わたしはエルサレムとユダの家とに幸いを下そうと考えている。恐れるな。
0816 これがあなたがたのしなければならないことだ。互いに真実を語り、あなたがたの町囲みのうちで、真実と平和のさばきを行え。
0817 互いに心の中で悪を計るな。偽りの誓いを愛するな。これらはみな、わたしが憎むからだ。──【主】の御告げ──」
0818 さらに、私に次のような万軍の【主】のことばがあった。
0819 万軍の【主】はこう仰せられる。「 四の月の断食、 五の月の断食、 七の月の断食、 十の月の断食は、ユダの家にとっては、楽しみとなり、喜びとなり、うれしい例祭となる。だから、真実と平和を愛せよ。」
0820 万軍の【主】はこう仰せられる。「再び、国々の民と多くの町々の住民がやって来る。
0821 一つの町の住民は他の町の住民のところへ行き、『さあ、行って、主の恵みを請い、万軍の【主】を尋ね求めよう。私も行こう』と言う。
0822 多くの国々の民、強い国々がエルサレムで万軍の【主】を尋ね求め、主の恵みを請うために来よう。」
0823 万軍の【主】はこう仰せられる。「その日には、外国語を話すあらゆる民のうちの十人が、ひとりのユダヤ人のすそを堅くつかみ、『私たちもあなたがたといっしょに行きたい。神があなたがたとともにおられる、と聞いたからだ』と言う。」
0901 宣告。【主】のことばはハデラクの地にあり、ダマスコは、そのとどまる所。主の目は人に向けられ、イスラエルの全部族に向けられている。
0902 これに境を接するハマテにも、また、非常に知恵のあるツロやシドンにも向けられている。
0903 ツロは自分のために、とりでを築き、銀をちりのように積み、黄金を道ばたの泥のように積み上げた。
0904 見よ。主はツロを占領し、その塁を打ち倒して海に入れる。ツロは火で焼き尽くされる。
0905 アシュケロンは見て恐れ、ガザもひどくおののく。エクロンもそうだ。その頼みにしていたものがはずかしめられたのだから。ガザからは王が消えうせ、アシュケロンには人が住まなくなる。
0906 アシュドデには混血の民が住むようになる。わたしはペリシテ人の誇りを絶やし、
0907 その口から流血の罪を除き、その歯の間から忌まわしいものを取り除く。彼も、私たちの神のために残され、ユダの中の一首長のようになる。エクロンもエブス人のようになる。
0908 わたしは、わたしの家のために、行き来する者を見張る衛所に立つ。それでもう、しいたげる者はそこを通らない。今わたしがこの目で見ているからだ。
0909 シオンの娘よ。大いに喜べ。エルサレムの娘よ。喜び叫べ。見よ。あなたの王があなたのところに来られる。この方は正しい方で、救いを賜り、柔和で、ろばに乗られる。それも、雌ろばの子の子ろばに。
0910 わたしは戦車をエフライムから、軍馬をエルサレムから絶やす。戦いの弓も断たれる。この方は諸国の民に平和を告げ、その支配は海から海へ、大川から地の果てに至る。
0911 あなたについても、あなたとの契約の血によって、わたしはあなたの捕らわれ人を、水のない穴から解き放つ。
0912 望みを持つ捕らわれ人よ。とりでに帰れ。わたしは、きょうもまた告げ知らせる。わたしは二倍のものをあなたに返すと。
0913 わたしはユダを曲げてわたしの弓とし、これにエフライムをつがえたのだ。シオンよ。わたしはあなたの子らを奮い立たせる。ヤワンはあなたの子らを攻めるが、わたしはあなたを勇士の剣のようにする。
0914 【主】は彼らの上に現れ、その矢はいなずまのように放たれる。神である主は角笛を吹き鳴らし、南の暴風の中を進まれる。
0915 万軍の【主】が彼らをかばうので、彼らは石投げを使う者を滅ぼして踏みつけ、彼らの血をぶどう酒のように飲み、鉢のように、祭壇の四隅の角のように、満たされる。
0916 その日、彼らの神、【主】は、彼らを主の民の群れとして救われる。彼らはその地で、きらめく王冠の宝石となる。
0917 それは、なんとしあわせなことよ。それは、なんと麗しいことよ。穀物は若い男たちを栄えさせ、新しいぶどう酒は若い女たちを栄えさせる。

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