ゼカリヤ書

0401 私と話していた御使いが戻って来て、私を呼びさましたので、私は眠りからさまされた人のようであった。
0402 彼は私に言った。「あなたは何を見ているのか。」そこで私は答えた。「私が見ますと、全体が金でできている一つの燭台があります。その上部には、鉢があり、その鉢の上には七つのともしび皿があり、この上部にあるともしび皿には、それぞれ七つの管がついています。
0403 また、そのそばには二本のオリーブの木があり、一本はこの鉢の右に、他の一本はその左にあります。」
0404 さらに私は、私と話していた御使いにこう言った。「主よ。これらは何ですか。」
0405 私と話していた御使いが答えて言った。「あなたは、これらが何か知らないのか。」私は言った。「主よ。知りません。」
0406 すると彼は、私に答えてこう言った。「これは、ゼルバベルへの【主】のことばだ。『権力によらず、能力によらず、わたしの霊によって』と万軍の【主】は仰せられる。
0407 大いなる山よ。おまえは何者だ。ゼルバベルの前で平地となれ。彼は、『恵みあれ。これに恵みあれ』と叫びながら、かしら石を運び出そう。」
0408 ついで私に次のような【主】のことばがあった。
0409 「ゼルバベルの手が、この宮の礎を据えた。彼の手が、それを完成する。このとき、あなたは、万軍の【主】が私をあなたがたに遣わされたことを知ろう。
0410 だれが、その日を小さな事としてさげすんだのか。これらは、ゼルバベルの手にある下げ振りを見て喜ぼう。これらの七つは、全地を行き巡る【主】の目である。」
0411 私はまた、彼に尋ねて言った。「燭台の右左にある、この二本のオリーブの木は何ですか。」
0412 私は再び尋ねて言った。「二本の金の管によって油をそそぎ出すこのオリーブの二本の枝は何ですか。」
0413 すると彼は、私にこう言った。「あなたは、これらが何か知らないのか。」私は言った。「主よ。知りません。」
0414 彼は言った。「これらは、全地の主のそばに立つ、ふたりの油そそがれた者だ。」
0501 私が再び目を上げて見ると、なんと、巻き物が飛んでいた。
0502 彼は私に言った。「何を見ているのか。」私は答えた。「飛んでいる巻き物を見ています。その長さは二十キュビト、その幅は十キュビトです。」
0503 すると彼は、私に言った。「これは、全地の面に出て行くのろいだ。盗む者はだれでも、これに照らし合わせて取り除かれ、また、偽って誓う者はだれでも、これに照らし合わせて取り除かれる。」
0504 「わたしが、それを出て行かせる。──万軍の【主】の御告げ──それは、盗人の家に入り、また、わたしの名を使って偽りの誓いを立てる者の家に入り、その家の真ん中にとどまり、その家を梁と石とともに絶ち滅ぼす。」
0505 私と話していた御使いが出て来て、私に言った。「目を上げて、この出て行く物が何かを見よ。」
0506 私が、「それは何ですか」と尋ねると、彼は言った。「これは、出て行くエパ枡だ。」そして言った。「これは、全地にある彼らの罪だ。」
0507 見よ。鉛のふたが持ち上げられ、エパ枡の中にひとりの女がすわっていた。
0508 彼は、「これは罪悪だ」と言って、その女をエパ枡の中に閉じ込め、その口の上に鉛の重しをかぶせた。
0509 それから、私が目を上げて見ると、なんと、ふたりの女が出て来た。その翼は風をはらんでいた。彼女たちには、こうのとりの翼のような翼があり、彼女たちは、あのエパ枡を地と天との間に持ち上げた。
0510 そこで私は、私と話していた御使いに尋ねた。「あの者たちは、エパ枡をどこへ持って行くのですか。」
0511 彼は私に言った。「シヌアルの地で、あの女のために神殿を建てる。それが整うと、そこの台の上に安置するためだ。」
0601 私が再び目を上げて見ると、なんと、四台の戦車が二つの山の間から出て来ていた。山は青銅の山であった。
0602 一の戦車は赤い馬が、 二の戦車は黒い馬が、
0603 三の戦車は白い馬が、 四の戦車はまだら毛の強い馬が引いていた。
0604 私は、私と話していた御使いに尋ねて言った。「主よ。これらは何ですか。」
0605 御使いは答えて言った。「これらは、全地の主の前に立って後、天の四方に出て行くものだ。
0606 そのうち、黒い馬は北の地へ出て行き、白い馬はそのあとに出て行き、まだら毛の馬は南の地へ出て行く。
0607 この強い馬が出て行き、地を駆け巡ろうとしているのだ。」そこで彼が、「行って、地を駆け巡れ」と言うと、それらは地を駆け巡った。
0608 そのとき、彼は私にこう告げた。「見よ。北の地へ出て行ったものを。それらは北の地で、わたしの怒りを静める。」
0609 ついで私に次のような【主】のことばがあった。
0610 「捕囚の民であったヘルダイ、トビヤ、エダヤからささげ物を受け取り、その日、あなたはバビロンから帰って来たゼパニヤの子ヨシヤの家へ行け。
0611 あなたは金と銀を取って、冠を作り、それをエホツァダクの子、大祭司ヨシュアの頭にかぶらせ、
0612 彼にこう言え。『万軍の【主】はこう仰せられる。見よ。ひとりの人がいる。その名は若枝。彼のいる所から芽を出し、【主】の神殿を建て直す。
0613 彼は【主】の神殿を建て、彼は尊厳を帯び、その王座に着いて支配する。その王座のかたわらに、ひとりの祭司がいて、このふたりの間には平和の一致がある。』
0614 その冠は、ヘルダイ、トビヤ、エダヤ、ゼパニヤの子ヨシヤの記念として、【主】の神殿のうちに残ろう。
0615 また、遠く離れていた者たちも来て、【主】の神殿を建て直そう。このとき、あなたがたは、万軍の【主】が私をあなたがたに遣わされたことを知ろう。もし、あなたがたが、あなたがたの神、【主】の御声に、ほんとうに聞き従うなら、そのようになる。」

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