ゼカリヤ書

0101 ダリヨスの 二年の 八の月に、イドの子ベレクヤの子、預言者ゼカリヤに、次のような【主】のことばがあった。
0102 【主】はあなたがたの先祖たちを激しく怒られた。
0103 あなたは、彼らに言え。万軍の【主】はこう仰せられる。わたしに帰れ。──万軍の【主】の御告げ──そうすれば、わたしもあなたがたに帰る、と万軍の【主】は仰せられる。
0104 あなたがたの先祖たちのようであってはならない。先の預言者たちが彼らに叫んで、「万軍の【主】はこう仰せられる。あなたがたの悪の道から立ち返り、あなたがたの悪いわざを悔い改めよ」と言ったのに、彼らはわたしに聞き従わず、わたしに耳を傾けもしなかった。──【主】の御告げ──
0105 あなたがたの先祖たちは今、どこにいるのか。預言者たちは永遠に生きているだろうか。
0106 しかし、わたしのしもべ、預言者たちにわたしが命じた、わたしのことばとおきてとは、あなたがたの先祖たちに追い迫ったではないか。そこで彼らは立ち返って言った。「万軍の【主】は、私たちの行いとわざに応じて、私たちにしようと考えられたとおりを、私たちにされた」と。
0107 ダリヨスの 二年のシェバテの月である 十一の月の二十四日に、イドの子ベレクヤの子、預言者ゼカリヤに、次のような【主】のことばがあった。
0108 夜、私が見ると、なんと、ひとりの人が赤い馬に乗っていた。その人は谷底にあるミルトスの木の間に立っていた。彼のうしろに、赤や、栗毛や、白い馬がいた。
0109 私が、「主よ。これらは何ですか」と尋ねると、私と話していた御使いが、「これらが何か、あなたに示そう」と私に言った。
0110 ミルトスの木の間に立っていた人が答えて言った。「これらは、地を行き巡るために【主】が遣わされたものだ。」
0111 すると、これらは、ミルトスの木の間に立っている主の使いに答えて言った。「私たちは地を行き巡りましたが、まさに、全地は安らかで、穏やかでした。」
0112 【主】の使いは答えて言った。「万軍の【主】よ。いつまで、あなたはエルサレムとユダの町々に、あわれみを施されないのですか。あなたがのろって、七十年になります。」
0113 すると【主】は、私と話していた御使いに、良いことば、慰めのことばで答えられた。
0114 私と話していた御使いは私に言った。「叫んで言え。万軍の【主】はこう仰せられる。『わたしは、エルサレムとシオンを、ねたむほど激しく愛した。
0115 しかし、安逸をむさぼっている諸国の民に対しては大いに怒る。わたしが少ししか怒らないでいると、彼らはほしいままに悪事を行った。』
0116 それゆえ、【主】はこう仰せられる。『わたしは、あわれみをもってエルサレムに帰る。そこにわたしの宮が建て直される。──万軍の【主】の御告げ──測りなわはエルサレムの上に張られる。』
0117 もう一度叫んで言え。万軍の【主】はこう仰せられる。『わたしの町々には、再び良いものが散り乱れる。【主】は、再びシオンを慰め、エルサレムを再び選ぶ。』」
0118 私が目を上げて見ると、なんと、四つの角があった。
0119 私が、私と話していた御使いに、「これらは何ですか」と尋ねると、彼は私に言った。「これらは、ユダとイスラエルとエルサレムとを散らした角だ。」
0120 そのとき、【主】は四人の職人を私に見せてくださった。
0121 私が、「この者たちは、何をしに来たのですか」と尋ねると、主はこう仰せられた。「これらはユダを散らして、だれにも頭をもたげさせなかった角だ。この者たちは、これらの角を恐れさせ、また、ユダの地を散らそうと角をもたげる国々の角を打ち滅ぼすためにやって来たのだ。」
0201 私が目を上げて見ると、なんと、ひとりの人がいて、その手に一本の測り綱があった。
0202 私がその人に、「あなたはどこへ行かれるのですか」と尋ねると、彼は答えた。「エルサレムを測りに行く。その幅と長さがどれほどあるかを見るために。」
0203 私と話していた御使いが出て行くと、すぐ、もうひとりの御使いが、彼に会うために出て行った。
0204 そして彼に言った。「走って行って、あの若者にこう告げなさい。『エルサレムは、その中の多くの人と家畜のため、城壁のない町とされよう。
0205 しかし、わたしが、それを取り巻く火の城壁となる。──【主】の御告げ──わたしがその中の栄光となる。』
0206 さあ、さあ。北の国から逃げよ。──【主】の御告げ──天の四方の風のように、わたしがあなたがたを散らしたからだ。──【主】の御告げ──
0207 さあ、シオンにのがれよ。バビロンの娘とともに住む者よ。
0208 主の栄光が、あなたがたを略奪した国々に私を遣わして後、万軍の【主】はこう仰せられる。『あなたがたに触れる者は、わたしのひとみに触れる者だ。
0209 見よ。わたしは、こぶしを彼らに振り上げる。彼らは自分に仕えた者たちのとりことなる』と。このとき、あなたがたは、万軍の【主】が私を遣わされたことを知ろう。
0210 シオンの娘よ。喜び歌え。楽しめ。見よ。わたしは来て、あなたのただ中に住む。──【主】の御告げ──
0211 その日、多くの国々が【主】につき、彼らはわたしの民となり、わたしはあなたのただ中に住む。あなたは、万軍の【主】が私をあなたに遣わされたことを知ろう。
0212 【主】は、聖なる地で、ユダに割り当て地を分け与え、エルサレムを再び選ばれる。」
0213 すべての肉なる者よ。【主】の前で静まれ。主が立ち上がって、その聖なる住まいから来られるからだ。
0301 主は私に、【主】の使いの前に立っている大祭司ヨシュアと、彼を訴えようとしてその右手に立っているサタンとを見せられた。
0302 【主】はサタンに仰せられた。「サタンよ。【主】がおまえをとがめている。エルサレムを選んだ【主】が、おまえをとがめている。これは、火から取り出した燃えさしではないか。」
0303 ヨシュアは、よごれた服を着て、御使いの前に立っていた。
0304 御使いは、自分の前に立っている者たちに答えてこう言った。「彼のよごれた服を脱がせよ。」そして彼はヨシュアに言った。「見よ。わたしは、あなたの不義を除いた。あなたに礼服を着せよう。」
0305 私は言った。「彼の頭に、きよいターバンをかぶらせなければなりません。」すると彼らは、彼の頭にきよいターバンをかぶらせ、彼に服を着せた。そのとき、【主】の使いはそばに立っていた。
0306 【主】の使いはヨシュアをさとして言った。
0307 「万軍の【主】はこう仰せられる。もし、あなたがわたしの道に歩み、わたしの戒めを守るなら、あなたはまた、わたしの宮を治め、わたしの庭を守るようになる。わたしは、あなたをこれらの立っている者たちの間で、宮に出入りする者とする。
0308 聞け。大祭司ヨシュアよ。あなたとあなたの前にすわっているあなたの同僚たちは、しるしとなる人々だ。見よ。わたしは、わたしのしもべ、一つの若枝を来させる。
0309 見よ。わたしがヨシュアの前に置いた石。その一つの石の上に七つの目があり、見よ、わたしはそれに彫り物を刻む。──万軍の【主】の御告げ──わたしはまた、その国の不義を一日のうちに取り除く。
0310 その日には、──万軍の【主】の御告げ──あなたがたは互いに自分の友を、ぶどうの木の下といちじくの木の下に招き合うであろう。」

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