0101 預言者ハバククが預言した宣告。
0102 【主】よ。私が助けを求めて叫んでいますのに、あなたはいつまで、聞いてくださらないのですか。私が「暴虐」とあなたに叫んでいますのに、あなたは救ってくださらないのですか。
0103 なぜ、あなたは私に、わざわいを見させ、労苦をながめておられるのですか。暴行と暴虐は私の前にあり、闘争があり、争いが起こっています。
0104 それゆえ、律法は眠り、さばきはいつまでも行われません。悪者が正しい人を取り囲み、さばきが曲げて行われています。
0105 異邦の民を見、目を留めよ。驚き、驚け。わたしは一つの事をあなたがたの時代にする。それが告げられても、あなたがたは信じまい。
0106 見よ。わたしはカルデヤ人を起こす。強暴で激しい国民だ。これは、自分のものでない住まいを占領しようと、地を広く行き巡る。
0107 これは、ひどく恐ろしい。自分自身でさばきを行い、威厳を現す。
0108 その馬は、ひょうよりも速く、日暮れの狼よりも敏しょうだ。その軍馬は、はね回る。その騎兵は遠くからやって来て、鷲のように獲物を食おうと飛びかかる。
0109 彼らは来て、みな暴虐をふるう。彼らの顔を東風のように向け、彼らは砂のようにとりこを集める。
0110 彼らは王たちをあざけり、君主たちをあざ笑う。彼らはすべての要塞をあざ笑い、土を積み上げて、それを攻め取る。
0111 それから、風のように移って来て、過ぎて行く。自分の力を自分の神とする者は罰せられる。
0112 【主】よ。あなたは昔から、私の神、私の聖なる方ではありませんか。私たちは死ぬことはありません。【主】よ。あなたはさばきのために、彼を立て、岩よ、あなたは叱責のために、彼を据えられました。
0113 あなたの目はあまりきよくて、悪を見ず、労苦に目を留めることができないのでしょう。なぜ、裏切り者をながめておられるのですか。悪者が自分より正しい者をのみこむとき、なぜ黙っておられるのですか。
0114 あなたは人を海の魚のように、治める者のないはう虫のようにされます。
0115 彼は、このすべての者を釣り針で釣り上げ、これを網で引きずり上げ、引き網で集める。こうして、彼は喜び楽しむ。
0116 それゆえ、彼はその網にいけにえをささげ、その引き網に香をたく。これらによって、彼の分け前が豊かになり、その食物も豊富になるからだ。
0117 それゆえ、彼はいつもその網を使い続け、容赦なく、諸国の民を殺すのだろうか。
0201 私は、見張り所に立ち、とりでにしかと立って見張り、主が私に何を語り、私の訴えに何と答えるかを見よう。
0202 【主】は私に答えて言われた。幻を板の上に書いて確認せよ。これを読む者が急使として走るために。
0203 この幻は、定めの時について証言しており、終わりについて告げ、まやかしを言ってはいない。もしおそくなっても、それを待て。それは必ず来る。遅れることはない。
0204 見よ。彼の心はうぬぼれていて、まっすぐでない。しかし、正しい人はその信仰によって生きる。
0205 実にぶどう酒は欺くものだ。高ぶる者は定まりがない。彼はよみのようにのどを広げ、死のように、足ることを知らない。彼はすべての国々を自分のもとに集め、すべての国々の民を自分のもとにかき集める。
0206 これらはみな、彼についてあざけりの声をあげ、彼を皮肉り、風刺してこう言わないだろうか。「ああ。自分のものでないものを増し加える者。──いつまでだろうか──その上に担保を重くする者。」
0207 あなたをかむ者が突然起き上がり、あなたを揺り動かす者が目ざめないだろうか。あなたは彼らに奪い取られる。
0208 あなたが多くの国々を略奪したので、ほかのすべての国々の民が、あなたを略奪する。あなたが人の血を流し、国や町や、そのすべての住民に暴力をふるったためだ。
0209 わざわいだ。自分の家のために不正な利得をむさぼり、わざわいの手からのがれるために、自分の巣を高い所に据える者。
0210 あなたは自分の家のために恥ずべきことを計り、多くの国々の民を滅ぼした。あなたのたましいは罪を犯した。
0211 まことに、石は石垣から叫び、梁は家からこれに答える。
0212 わざわいだ。血で町を建て、不正で都を築き上げる者。
0213 これは、万軍の【主】によるのではないか。国々の民は、ただ火で焼かれるために労し、諸国の民は、むなしく疲れ果てる。
0214 まことに、水が海をおおうように、地は、【主】の栄光を知ることで満たされる。
0215 わざわいだ。自分の友に飲ませ、毒を混ぜて酔わせ、その裸を見ようとする者。
0216 あなたは栄光よりも恥で満ち足りている。あなたも飲んで、陽の皮を見せよ。【主】の右の手の杯は、あなたの上に巡って来て、恥があなたの栄光をおおう。
0217 レバノンへの暴虐があなたをおおい、獣への残虐があなたを脅かす。あなたが人の血を流し、国や町や、そのすべての住民に暴力をふるったためだ。
0218 彫刻師の刻んだ彫像や鋳像、偽りを教える者が、何の役に立とう。物言わぬ偽りの神々を造って、これを造った者が、それにたよったところで、何の役に立とう。
0219 わざわいだ。木に向かって目をさませと言い、黙っている石に向かって起きろと言う者よ。それは像だ。それは金や銀をかぶせたもの。その中には何の息もない。
0220 しかし【主】は、その聖なる宮におられる。全地よ。その御前に静まれ。
0301 預言者ハバククの祈り。シグヨノテに合わせて。
0302 【主】よ。私はあなたのうわさを聞き、【主】よ、あなたのみわざを恐れました。この年のうちに、それをくり返してください。この年のうちに、それを示してください。激しい怒りのうちにも、あわれみを忘れないでください。
0303 神はテマンから来られ、聖なる方はパランの山から来られる。セラその尊厳は天をおおい、その賛美は地に満ちている。
0304 輝きは光のよう。ひらめきはその手から放たれ、そこに力が隠されている。
0305 その御前を疫病が行き、熱病はそのうしろに従う。
0306 神は立って、地を測り、見渡して、諸国の民を震え上がらせる。とこしえの山は打ち砕かれ、永遠の丘は低くされる。しかし、その軌道は昔のまま。
0307 私が見ると、クシャンの天幕は乱れ騒ぎ、ミデヤンの地の幕屋はわなないている。
0308 【主】よ。川に怒りを燃やされるのですか。あなたの怒りを川に向けられるのですか。それとも、あなたの憤りを海に向けられるのですか。あなたは、馬に乗り、あなたの救いの戦車に乗って来られます。
0309 あなたの弓はおおいを取り払われ、ことばの杖の誓いが果たされます。セラあなたは地を裂いて川々とされます。
0310 山々はあなたを見て震え、豪雨は流れ去り、深い淵はその声を出し、その手を高く上げます。
0311 太陽と月はその住みかにとどまります。あなたの矢の光によって、あなたのきらめく槍の輝きによって、それらは動きます。
0312 あなたは、憤って、地を行き巡り、怒って、国々を踏みつけられます。
0313 あなたは、ご自分の民を救うために出て来られ、あなたに油そそがれた者を救うために出て来られます。あなたは、悪者の家の頭を粉々に砕き、足もとから首まで裸にされます。セラ
0314 あなたは、戦士たちの頭に矢を刺し通されます。彼らは隠れている貧しい者を食い尽くす者のように、私をほしいままに追い散らそうと荒れ狂います。
0315 あなたは、あなたの馬で海を踏みつけ、大水に、あわを立たせられます。
0316 私は聞き、私のはらわたはわななき、私のくちびるはその音のために震える。腐れは私の骨のうちに入り、私の足もとはぐらつく。私たちを攻める民に襲いかかる悩みの日を、私は静かに待とう。
0317 そのとき、いちじくの木は花を咲かせず、ぶどうの木は実をみのらせず、オリーブの木も実りがなく、畑は食物を出さない。羊は囲いから絶え、牛は牛舎にいなくなる。
0318 しかし、私は【主】にあって喜び勇み、私の救いの神にあって喜ぼう。
0319 私の主、神は、私の力。私の足を雌鹿のようにし、私に高い所を歩ませる。指揮者のために。弦楽器に合わせて。