出エジプト記


3401 【主】はモーセに仰せられた。「前のと同じような二枚の石の板を、切り取れ。わたしは、あなたが砕いたこの前の石の板にあったあのことばを、その石の板の上に書きしるそう。
3402 朝までに準備をし、朝シナイ山に登って、その山の頂でわたしの前に立て。
3403 だれも、あなたといっしょに登ってはならない。また、だれも、山のどこにも姿を見せてはならない。また、羊や牛であっても、その山のふもとで草を食べていてはならない。」
3404 そこで、モーセは前のと同じような二枚の石の板を切り取り、翌朝早く、【主】が命じられたとおりに、二枚の石の板を手に持って、シナイ山に登った。
3405 【主】は雲の中にあって降りて来られ、彼とともにそこに立って、【主】の名によって宣言された。
3406 【主】は彼の前を通り過ぎるとき、宣言された。「【主】、【主】は、あわれみ深く、情け深い神、怒るのにおそく、恵みとまことに富み、
3407 恵みを千代も保ち、咎とそむきと罪を赦す者、罰すべき者は必ず罰して報いる者。父の咎は子に、子の子に、三代に、四代に。」
3408 モーセは急いで地にひざまずき、伏し拝んで、
3409 お願いした。「ああ、主よ。もし私があなたのお心にかなっているのでしたら、どうか主が私たちの中にいて、進んでくださいますように。確かに、この民は、うなじのこわい民ですが、どうか私たちの咎と罪を赦し、私たちをご自身のものとしてくださいますように。」
3410 主は仰せられた。「今ここで、わたしは契約を結ぼう。わたしは、あなたの民すべての前で、地のどこにおいても、また、どの国々のうちにおいても、かつてなされたことのない奇しいことを行おう。あなたとともにいるこの民はみな、【主】のわざを見るであろう。わたしがあなたとともに行うことは恐るべきものである。
3411 わたしがきょう、あなたに命じることを、守れ。見よ。わたしはエモリ人、カナン人、ヘテ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人を、あなたの前から追い払う。
3412 あなたは、注意して、あなたが入って行くその地の住民と契約を結ばないようにせよ。それがあなたの間で、わなとならないように。
3413 いや、あなたがたは彼らの祭壇を取りこわし、彼らの石柱を打ち砕き、アシェラ像を切り倒さなければならない。
3414 あなたはほかの神を拝んではならないからである。その名がねたみである【主】は、ねたむ神であるから。
3415 あなたはその地の住民と契約を結んではならない。彼らは神々を慕って、みだらなことをし、自分たちの神々にいけにえをささげ、あなたを招くと、あなたはそのいけにえを食べるようになる。
3416 あなたがその娘たちをあなたの息子たちにめとるなら、その娘たちが自分たちの神々を慕ってみだらなことをし、あなたの息子たちに、彼らの神々を慕わせてみだらなことをさせるようになる。
3417 あなたは、自分のために鋳物の神々を造ってはならない。
3418 あなたは、種を入れないパンの祭りを守らなければならない。わたしが命じたように、アビブの月の定められた時に、七日間、種を入れないパンを食べなければならない。あなたがアビブの月にエジプトを出たからである。
3419 最初に生まれるものは、すべて、わたしのものである。あなたの家畜はみな、初子の雄は、牛も羊もそうである。
3420 ただし、ろばの初子は羊で贖わなければならない。もし、贖わないなら、その首を折らなければならない。あなたの息子のうち、初子はみな、贖わなければならない。だれも、何も持たずに、わたしの前に出てはならない。
3421 あなたは六日間は働き、七日目には休まなければならない。耕作の時も、刈り入れの時にも、休まなければならない。
3422 小麦の刈り入れの初穂のために七週の祭りを、年の変わり目に収穫祭を、行わなければならない。
3423 年に三度、男子はみな、イスラエルの神、【主】、主の前に出なければならない。
3424 わたしがあなたの前から、異邦の民を追い出し、あなたの国境を広げるので、あなたが年に三度、あなたの神、【主】の前に出るために上る間にあなたの地を欲しがる者はだれもいないであろう。
3425 わたしのいけにえの血を、種を入れたパンに添えて、ささげてはならない。また、過越の祭りのいけにえを朝まで残しておいてはならない。
3426 あなたの土地から取れる初穂の最上のものを、あなたの神、【主】の家に持って来なければならない。子やぎをその母の乳で煮てはならない。」
3427 【主】はモーセに仰せられた。「これらのことばを書きしるせ。わたしはこれらのことばによって、あなたと、またイスラエルと契約を結んだのである。」
3428 モーセはそこに、四十日四十夜、【主】とともにいた。彼はパンも食べず、水も飲まなかった。そして、彼は石の板に契約のことば、十のことばを書きしるした。
3429 それから、モーセはシナイ山から降りて来た。モーセが山を降りて来たとき、その手に二枚のあかしの石の板を持っていた。彼は、主と話したので自分の顔のはだが光を放ったのを知らなかった。
3430 アロンとすべてのイスラエル人はモーセを見た。なんと彼の顔のはだが光を放つではないか。それで彼らは恐れて、彼に近づけなかった。
3431 モーセが彼らを呼び寄せたとき、アロンと会衆の上に立つ者がみな彼のところに戻って来た。それでモーセは彼らに話しかけた。
3432 それから後、イスラエル人全部が近寄って来たので、彼は【主】がシナイ山で彼に告げられたことを、ことごとく彼らに命じた。
3433 モーセは彼らと語り終えたとき、顔におおいを掛けた。
3434 モーセが【主】の前に入って行って主と話すときには、いつも、外に出るときまで、おおいをはずしていた。そして出て来ると、命じられたことをイスラエル人に告げた。
3435 イスラエル人はモーセの顔を見た。まことに、モーセの顔のはだは光を放った。モーセは、主と話すために入って行くまで、自分の顔におおいを掛けていた。
3501 モーセはイスラエル人の全会衆を集めて彼らに言った。「これは、【主】が行えと命じられたことばである。
3502 六日間は仕事をしてもよい。しかし、七日目には、【主】の聖なる全き休みの安息を守らなければならない。この日に仕事をする者は、だれでも殺されなければならない。
3503 安息の日には、あなたがたのどの住まいのどこででも、火をたいてはならない。」
3504 モーセはイスラエル人の全会衆に告げて言った。「これは、【主】が命じて仰せられたことである。
3505 あなたがたの中から【主】への奉納物を受け取りなさい。すべて、心から進んでささげる者に、【主】への奉納物を持って来させなさい。すなわち、金、銀、青銅、
3506 青色、紫色、緋色の撚り糸、亜麻布、やぎの毛、
3507 赤くなめした雄羊の皮、じゅごんの皮、アカシヤ材、
3508 燈油、そそぎの油とかおりの高い香のための香料、
3509 エポデや胸当てにはめ込むしまめのうや宝石である。
3510 あなたがたのうちの心に知恵のある者は、みな来て、【主】が命じられたものをすべて造らなければならない。
3511 幕屋、その天幕と、そのおおい、その留め金とその板、その横木、その柱と、その台座、
3512 箱と、その棒、『贖いのふた』とおおいの垂れ幕、
3513 机と、その棒とそのすべての用具と供えのパン、
3514 燈火のための燭台と、その用器とともしび皿と、燈火用の油、
3515 香の壇と、その棒とそそぎの油とかおりの高い香と幕屋の入口につける入口の垂れ幕、
3516 全焼のいけにえの祭壇とそれに付属する青銅の格子、その棒とそのすべての用具、洗盤と、その台、
3517 庭の掛け幕、その柱とその台座と庭の門の垂れ幕、
3518 幕屋の釘と庭の釘と、そのひも、
3519 聖所で仕えるための式服、すなわち、祭司アロンの聖なる装束と、祭司として仕える彼の子らの装束である。」
3520 イスラエル人の全会衆は、モーセの前から立ち去った。
3521 感動した者と、心から進んでする者とはみな、会見の天幕の仕事のため、また、そのすべての作業のため、また、聖なる装束のために、【主】への奉納物を持って来た。
3522 すべて心から進んでささげる男女は、飾り輪、耳輪、指輪、首飾り、すべての金の飾り物を持って来た。金の奉献物を【主】にささげた者はみな、そうした。
3523 また、青色、紫色、緋色の撚り糸、亜麻布、やぎの毛、赤くなめした雄羊の皮、じゅごんの皮を持っている者はみな、それを持って来た。
3524 銀や青銅の奉納物をささげる者はみな、それを【主】への奉納物として持って来た。アカシヤ材を持っている者はみな、奉仕のすべての仕事のため、それを持って来た。
3525 また、心に知恵のある女もみな、自分の手で紡ぎ、その紡いだ青色、紫色、緋色の撚り糸、それに亜麻布を持って来た。
3526 感動して、知恵を用いたいと思った女たちはみな、やぎの毛を紡いだ。
3527 上に立つ者たちはエポデと胸当てにはめるしまめのうや宝石を持って来た。
3528 また、燈火、そそぎの油、かおりの高い香のためのバルサム油とオリーブ油とを持って来た。
3529 イスラエル人は、男も女もみな、【主】がモーセを通して、こうせよと命じられたすべての仕事のために、心から進んでささげたのであって、彼らはそれを進んでささげるささげ物として【主】に持って来た。
3530 モーセはイスラエル人に言った。「見よ。【主】はユダ部族のフルの子であるウリの子ベツァルエルを名ざして召し出し、
3531 彼に、知恵と英知と知識とあらゆる仕事において、神の霊を満たされた。
3532 それは彼が金や銀や青銅の細工を巧みに設計し、
3533 はめ込みの宝石を彫刻し、木を彫刻し、あらゆる設計的な仕事をさせるためである。
3534 また、彼の心に人を教える力を授けられた。彼とダン部族のアヒサマクの子オホリアブとに、そうされた。
3535 主は彼らをすぐれた知恵で満たされた。それは彼らが、あらゆる仕事と巧みな設計をなす者として、彫刻する者、設計する者、および、青色、紫色、緋色の撚り糸や亜麻布で刺繍する者、また機織りする者の仕事を成し遂げるためである。
3601 ベツァルエルとオホリアブ、および、聖所の奉仕のすべての仕事をすることのできる知恵と英知を【主】に与えられた、心に知恵のある者はみな、【主】が命じられたすべてのことを成し遂げなければならない。」
3602 モーセは、ベツァルエルとオホリアブ、および、【主】が知恵を授けられた、心に知恵のある者すべて、すなわち感動して、進み出てその仕事をしたいと思う者すべてを、呼び寄せた。
3603 彼らは、聖所の奉仕の仕事をするためにイスラエル人が持って来たすべての奉納物をモーセから受け取った。しかしイスラエル人は、なおも朝ごとに、進んでささげるささげ物を彼のところに持って来た。
3604 そこで、聖所のすべての仕事をしていた、知恵のある者はみな、それぞれ自分たちがしていた仕事から離れてやって来て、
3605 モーセに告げて言った。「民は幾たびも、持って来ています。【主】がせよと命じられた仕事のために、あり余る奉仕です。」
3606 それでモーセは命じて、宿営中にふれさせて言った。「男も女も、もはや聖所の奉納物のための仕事をしないように。」こうして、民は持って来ることをやめた。
3607 手持ちの材料は、すべての仕事をするのに十分であり、あり余るほどであった。
3608 仕事に携わっている者のうち、心に知恵のある者はみな、幕屋を十枚の幕で造った。撚り糸で織った亜麻布、青色、紫色、緋色の撚り糸で作り、巧みな細工でケルビムを織り出した。
3609 幕の長さは、おのおの二十八キュビト、幕の幅は、おのおの四キュビト、幕はみな同じ寸法とした。
3610 五枚の幕を互いにつなぎ合わせ、また、他の五枚の幕も互いにつなぎ合わせた。
3611 そのつなぎ合わせたものの端にある幕の縁に青いひもの輪をつけた。他のつなぎ合わせたものの端にある幕の縁にも、そのようにした。
3612 その一枚の幕に輪五十個をつけ、他のつなぎ合わせた幕の端にも輪五十個をつけ、その輪を互いに向かい合わせにした。
3613 そして、金の留め金五十個を作り、その留め金で、幕を互いにつなぎ合わせて、一つの幕屋にした。
3614 また、幕屋の上に掛ける天幕のために、やぎの毛の幕を作った。その幕を十一枚作った。
3615 その一枚の幕の長さは三十キュビト。その一枚の幕の幅は四キュビト。その十一枚の幕は同じ寸法とした。
3616 その五枚の幕を一つにつなぎ合わせ、また、ほかの六枚の幕を一つにつなぎ合わせ、
3617 そのつなぎ合わせたものの端にある幕の縁に、輪五十個をつけ、他のつなぎ合わせた幕の縁にも輪五十個をつけた。
3618 また、青銅の留め金五十個を作り、その天幕をつなぎ合わせて、一つにした。
3619 また、天幕のために、赤くなめした雄羊の皮のおおいと、じゅごんの皮でその上に掛けるおおいとを作った。
3620 さらに、幕屋のためにアカシヤ材で、まっすぐに立てる板を作った。
3621 板一枚の長さは十キュビト、板一枚の幅は一キュビト半であった。
3622 板一枚ごとに、はめ込みのほぞ二つを作った。幕屋の板、全部にこのようにした。
3623 幕屋のために板を作った。南側に板二十枚。
3624 その二十枚の板の下に銀の台座四十個を作った。一枚の板の下に、二つのほぞに二個の台座、ほかの板の下にも、二つのほぞに二個の台座を作った。
3625 幕屋の他の側、すなわち、北側に板二十枚を作った。
3626 銀の台座四十個。すなわち、一枚の板の下に二個の台座。ほかの板の下にも二個の台座。
3627 幕屋のうしろ、すなわち、西側に板六枚を作った。
3628 幕屋のうしろの両隅のために、板二枚を作った。
3629 底部では重なり合い、上部では一つの環で一つに合わさるようにした。二枚とも、そのように作った。それが両隅であった。
3630 板は八枚、その銀の台座は十六個、すなわち一枚の板の下に、二つずつ台座があった。
3631 ついで、アカシヤ材で横木を作った。すなわち、幕屋の一方の側の板のために五本、
3632 幕屋の他の側の板のために横木五本、幕屋のうしろ、すなわち西側の板のために横木五本を作った。
3633 それから、板の中間を、端から端まで通る中央横木を作った。
3634 板には金をかぶせ、横木を通す環を金で作った。横木には金をかぶせた。
3635 ついで、青色、紫色、緋色の撚り糸、撚り糸で織った亜麻布で、垂れ幕を作った。これに巧みな細工でケルビムを織り出した。
3636 そのために、アカシヤ材の四本の柱を作り、それに金をかぶせた。柱の鉤は金であった。そしてこの柱のために銀の四つの台座を鋳造した。
3637 ついで、天幕の入口のために、青色、紫色、緋色の撚り糸、撚り糸で織った亜麻布で、刺繍をした幕を作った。
3638 五本の柱と、その鉤を作り、その柱の頭部と帯輪に金をかぶせた。その五つの台座は青銅であった。




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