2501 次のような【主】のことばが私にあった。
2502 「人の子よ。顔をアモン人に向け、彼らに預言せよ。
2503 あなたはアモン人に言え。神である主のことばを聞け。神である主はこう仰せられる。わたしの聖所が汚されたとき、イスラエルの地が荒れ果てたとき、ユダの家が捕囚となって行ったとき、あなたは、あはは、と言ってあざけった。
2504 それゆえ、わたしは、あなたを東の人々に渡して、彼らの所有とする。彼らはあなたのうちに宿営を張り、あなたのうちに住まいを作り、あなたの産物を食べ、あなたの乳を飲むようになる。
2505 わたしがラバを、らくだの牧場とし、アモン人の地を羊のおりとするとき、あなたがたは、わたしが【主】であることを知ろう。
2506 まことに、神である主はこう仰せられる。あなたは手を打ち、足を踏み鳴らし、イスラエルの地を心の底からあざけって喜んだ。
2507 それゆえ、わたしは、あなたに手を伸ばし、異邦の民にあなたをえじきとして与え、あなたを国々の民の中から断ち滅ぼし、国々の間から消えうせさせる。このとき、あなたは、わたしが【主】であることを知ろう。
2508 神である主はこう仰せられる。モアブとセイルは、『見よ、ユダの家は異邦の民と変わらない』と言った。
2509 それゆえ、わたしは、モアブの山地の町々、その国の誉れであるベテ・ハエシモテ、バアル・メオン、キルヤタイムの町々をことごとくあけ放ち、
2510 アモン人といっしょに、東の人々に渡して、その所有とし、諸国の民の間でアモン人が記憶されないようにする。
2511 わたしがモアブにさばきを下すとき、彼らは、わたしが【主】であることを知ろう。
2512 神である主はこう仰せられる。エドムはユダの家に復讐を企て、罪を犯し続け、復讐をした。
2513 それゆえ、神である主はこう仰せられる。わたしはエドムに手を伸ばし、そこから人も獣も断ち滅ぼし、そこを廃墟にする。テマンからデダンに至るまで人々は剣で倒される。
2514 わたしは、わたしの民イスラエルの手によってエドムに復讐する。わたしの怒りと憤りのままに彼らがエドムに事を行うとき、エドムは、わたしが復讐するということを知る。──神である主の御告げ──
2515 神である主はこう仰せられる。ペリシテ人は、復讐を企て、心の底からあざけって、ひどい復讐をし、いつまでも敵意をもって滅ぼそうとした。
2516 それゆえ神である主はこう仰せられる。見よ。わたしは、ペリシテ人に手を伸ばし、ケレテ人を断ち滅ぼし、海辺の残った者を消えうせさせる。
2517 わたしは憤って彼らを責め、ひどい復讐をする。彼らは、わたしが彼らに復讐するとき、わたしが【主】であることを知ろう。」
2601 十一年のその月の一日、私に次のような【主】のことばがあった。
2602 「人の子よ。ツロはエルサレムについて、『あはは。国々の民の門はこわされ、私に明け渡された。私は豊かになり、エルサレムは廃墟となった』と言ってあざけった。
2603 それゆえ、神である主はこう仰せられる。ツロよ。わたしはおまえに立ち向かう。海の波が打ち寄せるように、多くの国々をおまえに向けて攻め上らせる。
2604 彼らはツロの城壁を破壊し、そのやぐらをくつがえす。わたしはそのちりを払い去って、そこを裸岩にする。
2605 ツロは海の中の網を引く場所となる。わたしが語ったからだ。──神である主の御告げ──ツロは諸国のえじきとなり、
2606 畑にいる娘たちも剣で殺される。このとき、彼らはわたしが【主】であることを知ろう。
2607 まことに、神である主はこう仰せられる。見よ。わたしは、王の王、バビロンの王ネブカデレザルを、馬、戦車、騎兵をもって多くの民の集団とともに、北からツロに連れて来る。
2608 彼は畑にいる娘たちを剣で殺し、おまえに向かって塁を築き、塹壕を掘り、大盾を立て、
2609 城壁くずしをおまえの城壁に向けて配置し、やぐらを斧で取りこわす。
2610 その馬の大群の土煙はおまえをおおう。彼が城門に入るとき、打ち破られた町に入る者のように、騎兵と、車両と、戦車の響きに、おまえの城壁は震え上がる。
2611 彼は、馬のひづめで、おまえのちまたをすべて踏みにじり、剣でおまえの民を殺し、おまえの力強い柱を地に倒す。
2612 おまえの財宝は略奪され、商品はかすめ奪われ、城壁はくつがえされ、住みごこちのよい家は取りこわされ、石や、木や、ちりまでも、水の中に投げ込まれる。
2613 わたしはおまえの騒がしい歌をやめさせる。おまえの立琴の音ももう聞かれない。
2614 わたしはおまえを裸岩とする。おまえは網を引く場所となり、二度と建て直されない。【主】であるわたしが語ったからだ。──神である主の御告げ──
2615 神である主はツロにこう仰せられる。刺された者がうめき、おまえの中で虐殺が続けられ、おまえがくずれ落ちるとき、その響きに、島々は身震いしないだろうか。
2616 海辺の君主たちはみな、その王座をおり、上着を脱ぎ、あや織りの着物を脱ぎ、恐れを身にまとい、地面にすわり、身震いしながら、おまえのことでおののき、
2617 おまえについて、哀歌を唱えて言う。海に住む者よ。おまえはどうして海から消えうせたのか。海で強くなり、ほめはやされた町よ。すべての住民を恐れさせたその町とその住民よ。
2618 今、島々はおまえがくずれ落ちる日に身震いし、海沿いの島々はおまえの最期を見ておびえている。
2619 まことに、神である主はこう仰せられる。わたしがおまえを廃墟の町とし、住む者のない町々のようにするとき、深淵をおまえの上にわき上がらせ、大水がおまえをおおうとき、
2620 わたしがおまえを穴に下る者たちとともに昔の民のもとに下らせるとき、わたしはおまえを穴に下る者たちとともに、昔から廃墟であったような地下の国に住ませる。わたしが誉れを与える生ける者の地におまえが住めないようにするためだ。
2621 わたしはおまえを恐怖とする。おまえはもう存在しなくなり、人がおまえを尋ねても、永久におまえを見つけることはない。──神である主の御告げ──」
2701 次のような【主】のことばが私にあった。
2702 「人の子よ。ツロについて、哀歌を唱えよ。
2703 あなたはツロに言え。海の出入口に住み、多くの島々の民と取り引きをする者よ。神である主はこう仰せられる。ツロよ。『私は全く美しい』とおまえは言った。
2704 おまえの領土は海の真ん中にあり、おまえを築いた者は、おまえを全く美しく仕上げた。
2705 彼らはセニルのもみの木でおまえのすべての船板を作り、レバノンの杉を使って、おまえの帆柱を作った。
2706 バシャンの樫の木でおまえのかいを作り、キティムの島々の檜に象牙をはめ込んで、おまえの甲板を作った。
2707 エジプトのあや織りの亜麻布が、おまえの帆であり、おまえの旗じるしであった。エリシャの島々からの青色と紫色の布が、おまえのおおいであった。
2708 シドンとアルワデの住民が、おまえのこぎ手であった。ツロよ。おまえのうちの熟練者が、おまえの船員であった。
2709 ゲバルの長老と、その熟練者がおまえのうちにあって、破損を修理し、海のすべての船とその水夫たちが、おまえのうちにあって、おまえの商品を商った。
2710 ペルシヤ、ルデ、プテの人々は、おまえの軍隊の戦士であり、おまえに盾とかぶとを掛け、彼らはおまえに輝きを添えた。
2711 アルワデとヘレクの人々はおまえの回りの城壁の上に、また、ガマデ人はおまえのやぐらの中にいて、回りの城壁に丸い小盾を掛け、おまえを全く美しくした。
2712 タルシシュは、おまえがあらゆる財宝に豊かであったので、おまえと商いをし、銀、鉄、すず、鉛を、おまえの品物と交換した。
2713 ヤワン、トバル、メシェクはおまえと取り引きをし、人材と青銅の器具とをおまえの商品と交換した。
2714 ベテ・トガルマは馬、軍馬、騾馬を、おまえの品物と交換した。
2715 デダン人はおまえと取り引きをし、多くの島々はおまえの支配する市場であり、彼らは象牙と黒檀とをおまえにみつぎとして持って来た。
2716 アラムは、おまえの製品が豊かであったので、おまえと商いをし、トルコ玉、紫色の布、あや織り物、白亜麻布、さんご、ルビーを、おまえの品物と交換した。
2717 ユダとイスラエルの地もおまえと取り引きをし、ミニテの小麦、いちじく、蜜、香油、乳香を、おまえの商品と交換した。
2718 ダマスコも、おまえの製品が多く、あらゆる財宝が豊かなので、ヘルボンのぶどう酒と、ツァハルの羊毛でおまえと商いをした。
2719 ダンとヤワンもおまえの品物と交換した。その商品の中には、ウザルからの銑鉄、桂枝、菖蒲があった。
2720 デダンは鞍に敷く織り布でおまえと取り引きをした。
2721 アラビヤ人と、ケダルの君主たちもみな、おまえの御用商人であり、子羊、雄羊、やぎの商いをした。
2722 シェバとラマの商人たちはおまえと取り引きをし、あらゆる上等の香料、宝石、金を、おまえの品物と交換した。
2723 ハラン、カネ、エデン、それにシェバの商人たち、アッシリヤとキルマデはおまえと取り引きをした。
2724 彼らは豪華な衣服や、青色の着物、あや織り物、多彩な敷き物、堅く撚った綱とおまえの商品とをもっておまえと取り引きをした。
2725 タルシシュの船がおまえの品物を運んだ。おまえは海の真ん中で富み、大いに栄えた。
2726 おまえのこぎ手はおまえを大海原に連れ出し、東風は海の真ん中でおまえを打ち破った。
2727 おまえのくずれ落ちる日に、おまえの財宝、貨物、商品、おまえの水夫、船員、修繕工、おまえの商品を商う者、おまえの中にいるすべての戦士、おまえの中にいる全集団も、海の真ん中に沈んでしまう。
2728 おまえの船員の叫び声に海辺は身震いする。
2729 かいを取る者、水夫、海の船員はみな、船から降りて陸に立ち、
2730 おまえのために大声をあげて激しく泣き、頭にちりを振りかけ、灰の中をころび回る。
2731 彼らはおまえのために頭をそり、荒布をまとい、おまえのために心を痛めて泣き、いたく嘆き、
2732 泣き声をあげて哀歌を唱え、おまえのために悲しんで歌う。だれかツロのように海の真ん中で滅ぼされたものがあろうか。
2733 おまえの貨物が陸揚げされると、おまえは多くの国々の民を満ち足らせ、その豊かな財宝と商品で地の王たちを富ませた。
2734 おまえが海で打ち破られたとき、おまえの商品、全集団は、おまえとともに海の深みに沈んでしまった。
2735 島々の住民はすべておまえのことでおぞ気立ち、その王たちはひどく恐れて、あわてふためいた。
2736 国々の民の商人たちはおまえをあざけり、おまえは恐怖となり、とこしえになくなってしまう。」