0701 【主】からエレミヤにあったみことばは、こうである。
0702 「主の家の門に立ち、そこでこのことばを叫んで言え。【主】を礼拝するために、この門に入るすべてのユダの人々よ。【主】のことばを聞け。
0703 イスラエルの神、万軍の【主】は、こう仰せられる。あなたがたの行いと、わざとを改めよ。そうすれば、わたしは、あなたがたをこの所に住ませよう。
0704 あなたがたは、『これは【主】の宮、【主】の宮、【主】の宮だ』と言っている偽りのことばを信頼してはならない。
0705 もし、ほんとうに、あなたがたが行いとわざとを改め、あなたがたの間で公義を行い、
0706 在留異国人、みなしご、やもめをしいたげず、罪のない者の血をこの所で流さず、ほかの神々に従って自分の身にわざわいを招くようなことをしなければ、
0707 わたしはこの所、わたしがあなたがたの先祖に与えたこの地に、とこしえからとこしえまで、あなたがたを住ませよう。
0708 なんと、あなたがたは、役にも立たない偽りのことばにたよっている。
0709 しかも、あなたがたは盗み、殺し、姦通し、偽って誓い、バアルのためにいけにえを焼き、あなたがたの知らなかったほかの神々に従っている。
0710 それなのに、あなたがたは、わたしの名がつけられているこの家のわたしの前にやって来て立ち、『私たちは救われている』と言う。それは、このようなすべての忌みきらうべきことをするためか。
0711 わたしの名がつけられているこの家は、あなたがたの目には強盗の巣と見えたのか。そうだ。わたしにも、そう見えていた。──【主】の御告げ──
0712 それなら、さあ、シロにあったわたしの住まい、先にわたしの名を住ませた所へ行って、わたしの民イスラエルの悪のために、そこでわたしがしたことを見よ。
0713 今、あなたがたは、これらの事をみな行っている。──【主】の御告げ──わたしがあなたがたに絶えず、しきりに語りかけたのに、あなたがたは聞こうともせず、わたしが呼んだのに、答えもしなかった。
0714 それで、あなたがたの頼みとするこの家、わたしの名がつけられているこの家、また、わたしが、あなたがたと、あなたがたの先祖に与えたこの場所に、わたしはシロにしたのと同様なことを行おう。
0715 わたしは、かつて、あなたがたのすべての兄弟、エフライムのすべての子孫を追い払ったように、あなたがたを、わたしの前から追い払おう。
0716 あなたは、この民のために祈ってはならない。彼らのために叫んだり、祈りをささげたりしてはならない。わたしにとりなしをしてはならない。わたしはあなたの願いを聞かないからだ。
0717 彼らがユダの町々や、エルサレムのちまたで何をしているのか、あなたは見ていないのか。
0718 子どもたちはたきぎを集め、父たちは火をたき、女たちは麦粉をこねて『天の女王』のための供えのパン菓子を作り、わたしの怒りを引き起こすために、ほかの神々に注ぎのぶどう酒を注いでいる。
0719 彼らはわたしの怒りを引き起こすのか。──【主】の御告げ──自分たちを怒らせ、自分たちの赤恥をさらすためではないか。」
0720 それで、神である主はこう仰せられる。「見よ。わたしの怒りと憤りは、この場所と、人間と、家畜と、畑の木と、地の産物とに注がれ、それは燃えて、消えることがない。」
0721 イスラエルの神、万軍の【主】は、こう仰せられる。「全焼のいけにえを、あなたがたのほかのいけにえに加えて、その肉を食べよ。
0722 わたしは、あなたがたの先祖をエジプトの国から連れ出したとき、全焼のいけにえや、ほかのいけにえについては何も語らず、命じもしなかった。
0723 ただ、次のことを彼らに命じて言った。『わたしの声に聞き従え。そうすれば、わたしは、あなたがたの神となり、あなたがたは、わたしの民となる。あなたがたをしあわせにするために、わたしが命じるすべての道を歩め。』
0724 しかし、彼らは聞かず、耳を傾けず、悪いかたくなな心のはかりごとのままに歩み、前進するどころか後退した。
0725 あなたがたの先祖がエジプトの国を出た日から今日まで、わたしはあなたがたに、わたしのしもべであるすべての預言者たちを、毎日朝早くから、たびたび送ったが、
0726 彼らはわたしに聞かず、耳を傾けず、うなじのこわい者となって、先祖たちよりも悪くなった。
0727 あなたが彼らにこれらのことをすべて語っても、彼らはあなたに聞かず、彼らを呼んでも、彼らはあなたに答えまい。
0728 そこであなたは彼らに言え。この民は、自分の神、主の声を聞かず、懲らしめを受けなかった民だ。真実は消えうせ、彼らの口から断たれた。
0729 『あなたの長い髪を切り捨て、裸の丘の上で哀歌を唱えよ。【主】は、この世代の者を、激しく怒って、退け、捨てたからだ。』
0730 それは、ユダの子らが、わたしの目の前に悪を行ったからだ。──【主】の御告げ──彼らは、わたしの名がつけられているこの家に自分たちの忌むべき物を置いて、これを汚した。
0731 また自分の息子、娘を火で焼くために、ベン・ヒノムの谷にあるトフェテに高き所を築いたが、これは、わたしが命じたこともなく、思いつきもしなかったことだ。
0732 それゆえ、見よ、その日が来る。──【主】の御告げ──その日には、もはや、そこはトフェテとかベン・ヒノムの谷と呼ばれない。ただ虐殺の谷と呼ばれる。人々はトフェテに、余地がないほどに葬る。
0733 この民のしかばねは、空の鳥、地の獣のえじきとなるが、これを追い払う者もない。
0734 わたしは、ユダの町々とエルサレムのちまたから、楽しみの声と喜びの声、花婿の声と花嫁の声を絶やす。この国は廃墟となるからである。
0801 その時、──【主】の御告げ──人々は、ユダの王たちの骨、首長たちの骨、祭司たちの骨、預言者たちの骨、エルサレムの住民の骨を、彼らの墓からあばき、
0802 それらを、彼らが愛し、仕え、従い、伺いを立て、拝んだ日や月や天の万象の前にさらす。それらは集められることなく、葬られることもなく、地面の肥やしとなる。
0803 また、この悪い一族の中から残された残りの者はみな、わたしが追い散らした残りの者のいるどんな所でも、いのちよりも死を選ぶようになる。──万軍の【主】の御告げ──」
0804 あなたは、彼らに言え。【主】はこう仰せられる。「倒れたら、起き上がらないのだろうか。背信者となったら、悔い改めないのだろうか。
0805 なぜ、この民エルサレムは、背信者となり、背信を続けているのか。彼らは欺きにすがりつき、帰って来ようとしない。
0806 わたしは注意して聞いたが、彼らは正しくないことを語り、『私はなんということをしたのか』と言って、自分の悪行を悔いる者は、ひとりもいない。彼らはみな、戦いに突入する馬のように、自分の走路に走り去る。
0807 空のこうのとりも、自分の季節を知っており、山鳩、つばめ、つるも、自分の帰る時を守るのに、わたしの民は【主】の定めを知らない。
0808 どうして、あなたがたは、『私たちは知恵ある者だ。私たちには【主】の律法がある』と言えようか。確かにそうだが、書記たちの偽りの筆が、これを偽りにしてしまっている。
0809 知恵ある者たちは恥を見、驚きあわてて、捕らえられる。見よ。【主】のことばを退けたからには、彼らに何の知恵があろう。
0810 それゆえ、わたしは彼らの妻を他人に与え、彼らの畑を侵略者に与える。なぜなら、身分の低い者から高い者まで、みな利得をむさぼり、預言者から祭司に至るまで、みな偽りを行っているからだ。
0811 彼らは、わたしの民の娘の傷を手軽にいやし、平安がないのに、『平安だ、平安だ』と言っている。
0812 彼らは忌みきらうべきことをして、恥を見ただろうか。彼らは少しも恥じず、恥じることも知らない。だから、彼らは、倒れる者の中に倒れ、彼らの刑罰の時、よろめき倒れる」と【主】は仰せられる。
0813 「わたしは彼らを、刈り入れたい。──【主】の御告げ──しかし、ぶどうの木には、ぶどうがなく、いちじくの木には、いちじくがなく、葉はしおれている。わたしはそれをなるがままにする。」
0814 どうして、私たちはすわっているのか。集まって、城壁のある町々に行き、そこで死のう。私たちの神、【主】が、私たちを滅ぼす。主が私たちに毒の水を飲ませられる。私たちが【主】に罪を犯したからだ。
0815 平安を待ち望んでも、幸いはなく、いやしの時を待ち望んでも、見よ、恐怖しかない。
0816 「ダンから馬の鼻息が聞こえる。その荒馬のいななきの声に、全地は震える。彼らは来て、地と、それに満ちるもの、町と、その住民を食らう。
0817 見よ。わたしが、まじないのきかないコブラや、まむしを、あなたがたの中に送り、あなたがたをかませるからだ。──【主】の御告げ──」
0818 私の悲しみはいやされず、私の心は弱り果てている。
0819 聞け。遠くの地からの私の民の娘の叫び声を。「【主】はシオンにおられないのか。シオンの王は、その中におられないのか。」「なぜ、彼らは自分たちの刻んだ像により、外国のむなしいものによって、わたしの怒りを引き起こしたのか。」
0820 「刈り入れ時は過ぎ、夏も終わった。それなのに、私たちは救われない。」
0821 私の民の娘の傷のために、私も傷つき、私は憂え、恐怖が、私を捕らえた。
0822 乳香はギルアデにないのか。医者はそこにいないのか。それなのに、なぜ、私の民の娘の傷はいやされなかったのか。
0901 ああ、私の頭が水であったなら、私の目が涙の泉であったなら、私は昼も夜も、私の娘、私の民の殺された者のために泣こうものを。
0902 ああ、私が荒野に旅人の宿を持っていたなら、私の民を見捨てて、彼らから離れることができようものを。彼らはみな姦通者、裏切り者の集会だから。
0903 彼らは舌を弓のように曲げ、真実でなく、偽りをもって、地にはびこる。まことに彼らは、悪から悪へ進み、わたしを知らない。──【主】の御告げ──
0904 おのおの互いに警戒せよ。どの兄弟も信用するな。どの兄弟も人を押しのけ、どの友も中傷して歩き回るからだ。
0905 彼らはおのおの、だまし合って、真実を語らない。偽りを語ることを舌に教え、悪事を働き、依然として悔い改めない。
0906 彼らはしいたげに、しいたげを重ね、欺きに欺きを重ねて、わたしを知ろうともしなかった。──【主】の御告げ──
0907 それゆえ、万軍の【主】はこう仰せられる。「見よ。わたしは彼らを溶かしてためす。いったい、わたしの民の娘に対し、ほかに何ができようか。
0908 彼らの舌はとがった矢で、欺きを語る。口先では友人に平和を語るが、腹の中では待ち伏せを計る。
0909 これらのために、わたしは彼らを罰しないだろうか。──【主】の御告げ──このような国に対して、わたしが復讐しないだろうか。」
0910 私は山々のために泣き声をあげて嘆き、荒野の牧草地のために哀歌を唱える。そこは、焼き払われて通る人もなく、群れの声も聞こえず、空の鳥から家畜まで、みな逃げ去っているからだ。
0911 わたしはエルサレムを石くれの山とし、ジャッカルの住みかとする。ユダの町々を荒れ果てさせ、住む者もなくする。
0912 知恵があって、これを悟ることのできる者はだれか。【主】の御口が語られたことを告げ知らせることのできる者はだれか。どうしてこの国は滅びたのか。どうして荒野のように焼き払われて、通る人もないのか。
0913 【主】は仰せられる。「彼らは、わたしが彼らの前に与えたわたしの律法を捨て、わたしの声に聞き従わず、それに歩まず、
0914 彼らのかたくなな心のままに歩み、先祖たちが彼らに教えたバアルに従って歩んだ。」
0915 それゆえ、イスラエルの神、万軍の【主】は、こう仰せられる。「見よ。わたしは、この民に、苦よもぎを食べさせ、毒の水を飲ませる。
0916 彼らも先祖たちも知らなかった国々に彼らを散らし、剣を彼らのうしろに送り、ついに彼らを絶滅させる。」
0917 万軍の【主】はこう仰せられる。「よく考えて、泣き女を呼んで来させ、使いをやって巧みな女たちを連れて来させよ。」
0918 彼らをせきたて、私たちのために嘆きの声をあげさせ、私たちの目に涙をしたたらせ、私たちのまぶたに水をあふれさせよ。
0919 シオンから嘆きの声が聞こえるからだ。ああ、私たちは踏みにじられ、いたく恥を見た。私たちが国を見捨て、彼らが私たちの住まいを投げやったからだ。
0920 女たちよ。【主】のことばを聞き、あなたがたの耳は、主の言われることばを受けとめよ。あなたがたの娘に嘆きの歌を教え、隣の女にも哀歌を教えよ。
0921 死が、私たちの窓によじのぼり、私たちの高殿に入って来、道ばたで子どもを、広場で若い男を断ち滅ぼすからだ。
0922 語れ。──【主】の御告げはこうだ──人間のしかばねは、畑の肥やしのように、刈り入れ人のあとの、集める者もない束のように、横たわる。
0923 【主】はこう仰せられる。「知恵ある者は自分の知恵を誇るな。つわものは自分の強さを誇るな。富む者は自分の富を誇るな。
0924 誇る者は、ただ、これを誇れ。悟りを得て、わたしを知っていることを。わたしは【主】であって、地に恵みと公義と正義を行う者であり、わたしがこれらのことを喜ぶからだ。──【主】の御告げ──
0925 見よ。その日が来る。──【主】の御告げ──その日、わたしは、すべて包皮に割礼を受けている者を罰する。
0926 エジプト、ユダ、エドム、アモン人、モアブ、および荒野の住人でこめかみを刈り上げているすべての者を罰する。すべての国々は無割礼であり、イスラエルの全家も心に割礼を受けていないからだ。」