1601 次のような【主】のことばが私にあった。
1602 「あなたは妻をめとるな。またこの所で、息子や娘を持つな。」
1603 まことに、【主】は、この所で生まれる息子や娘につき、また、この国で、彼らを産む母親たちや、彼らを生ませる父親たちについて、こう仰せられる。
1604 「彼らはひどい病気で死ぬ。彼らはいたみ悲しまれることなく、葬られることもなく、地面の肥やしとなる。また、剣とききんで滅ぼされ、しかばねは空の鳥や地の獣のえじきとなる。」
1605 まことに【主】はこう仰せられる。「あなたは、服喪中の家に入ってはならない。悼みに行ってはならない。彼らのために嘆いてはならない。わたしはこの民から、わたしの平安と、──【主】の御告げ──いつくしみと、あわれみとを取り去った。
1606 この国の身分の高い者や低い者が死んでも葬られず、だれも彼らをいたみ悲しまず、彼らのために身を傷つけず、髪もそらない。
1607 だれも、死んだ者を悔やむために葬儀に出て、パンを裂くこともなく、その父や母を慰める杯を彼らに飲ませることもないだろう。
1608 あなたは宴会の家に行き、いっしょにすわって食べたり飲んだりしてはならない。」
1609 まことにイスラエルの神、万軍の【主】は、こう仰せられる。「見よ。わたしは、この所から、あなたがたの目の前で、あなたがたが生きているうちに、楽しみの声と喜びの声、花婿の声と花嫁の声を絶やす。
1610 あなたがこの民にこのすべてのことばを告げるとき、彼らがあなたに、『なぜ、【主】は私たちに、この大きなわざわいを語られたのか。私たちの咎とは何か。私たちの神、【主】に犯したという、私たちの罪とは何か』と尋ねたら、
1611 あなたは彼らにこう言え。『あなたがたの先祖がわたしを捨て、──【主】の御告げ──ほかの神々に従い、これに仕え、これを拝み、わたしを捨てて、わたしの律法を守らなかったためだ。
1612 また、あなたがた自身、あなたがたの先祖以上に悪事を働き、しかも、おのおの悪い、かたくなな心のままに歩み、わたしに聞き従わないので、
1613 わたしはあなたがたをこの国から投げ出して、あなたがたも、先祖も知らなかった国へ行かせる。あなたがたは、そこで日夜、ほかの神々に仕える。わたしはあなたがたに、いつくしみを施さない。』
1614 それゆえ、見よ、その日が来る。──【主】の御告げ──その日にはもはや、『イスラエルの子らをエジプトの国から上らせた【主】は生きておられる』とは言わないで、
1615 ただ『イスラエルの子らを北の国や、彼らの散らされたすべての地方から上らせた【主】は生きておられる』と言うようになる。わたしは彼らの先祖に与えた彼らの土地に彼らを帰らせる。
1616 見よ。わたしは多くの漁夫をやって、──【主】の御告げ──彼らをすなどらせる。その後、わたしは多くの狩人をやって、すべての山、すべての丘、岩の割れ目から彼らをかり出させる。
1617 わたしの目は彼らのすべての行いを見ているからだ。彼らはわたしの前から隠れることはできない。また、彼らの咎もわたしの目の前から隠されはしない。
1618 わたしはまず、彼らの咎と罪に対し二倍の報復をする。それは彼らがわたしの国を忌むべきもののしかばねで汚し、忌みきらうべきものを、わたしの与えた相続地に、満たしたからである。」
1619 【主】よ、私の力、私のとりで、苦難の日の私の逃げ場よ。あなたのもとに、諸国の民は地の果てから来て言うでしょう。「私たちの先祖が受け継いだものは、ただ偽るもの、何の役にも立たないむなしいものばかりだった。
1620 人間は、自分のために神々を造れようか。そんなものは神ではない」と。
1621 「だから、見よ、わたしは彼らに知らせる。今度こそ彼らに、わたしの手と、わたしの力を知らせる。彼らは、わたしの名が【主】であることを知る。」
1701 ユダの罪は鉄の筆と金剛石のとがりでしるされ、彼らの心の板と彼らの祭壇の角に刻まれている。
1702 彼らの子たちまで、その祭壇や、高い丘の茂った木のほとりにあるアシェラ像を覚えているほどだ。
1703 野にあるわたしの山よ。わたしは、あなたの財宝、すべての宝物を、獲物として引き渡す。あなたの国中にある高き所の罪のために。
1704 あなたは、わたしが与えたあなたの相続地を、手放さなければならない。また、わたしは、あなたの知らない国で、あなたを敵に仕えさせる。あなたがたが、わたしの怒りに火をつけたので、それはとこしえまでも燃えよう。
1705 【主】はこう仰せられる。「人間に信頼し、肉を自分の腕とし、心が【主】から離れる者はのろわれよ。
1706 そのような者は荒地のむろの木のように、しあわせが訪れても会うことはなく、荒野の溶岩地帯、住む者のない塩地に住む。
1707 【主】に信頼し、【主】を頼みとする者に祝福があるように。
1708 その人は、水のほとりに植わった木のように、流れのほとりに根を伸ばし、暑さが来ても暑さを知らず、葉は茂って、日照りの年にも心配なく、いつまでも実をみのらせる。
1709 人の心は何よりも陰険で、それは直らない。だれが、それを知ることができよう。
1710 わたし、【主】が心を探り、思いを調べ、それぞれその生き方により、行いの結ぶ実によって報いる。
1711 しゃこが自分で産まなかった卵を抱くように、公義によらないで富を得る者がある。彼の一生の半ばで、富が彼を置き去りにし、そのすえはしれ者となる。」
1712 私たちの聖所のある所は、初めから高く上げられた栄光の王座である。
1713 イスラエルの望みである【主】よ。あなたを捨てる者は、みな恥を見ます。「わたしから離れ去る者は、地にその名がしるされる。いのちの水の泉、【主】を捨てたからだ。」
1714 私をいやしてください。【主】よ。そうすれば、私はいえましょう。私をお救いください。そうすれば、私は救われます。あなたこそ、私の賛美だからです。
1715 ああ、彼らは私に言っています。「【主】のことばはどこへ行ったのか。さあ、それを来させよ。」
1716 しかし、私は、あなたに従う牧者となることを、避けたことはありません。私は、いやされない日を望んだこともありません。あなたは、私のくちびるから出るものは、あなたの御前にあるのをご存じです。
1717 私を恐れさせないでください。あなたは、わざわいの日の、私の身の避け所です。
1718 私に追い迫る者たちが恥を見、私が恥を見ないようにしてください。彼らがうろたえ、私がうろたえないようにしてください。彼らの上にわざわいの日を来たらせ、破れを倍にして、彼らを打ち破ってください。
1719 【主】は私にこう仰せられる。「行って、ユダの王たちが出入りする、この民の子らの門と、エルサレムのすべての門に立ち、
1720 彼らに言え。これらの門のうちに入るユダの王たち、ユダ全体、エルサレムの全住民よ。【主】のことばを聞け。
1721 【主】はこう仰せられる。『あなたがた自身、気をつけて、安息日に荷物を運ぶな。また、それをエルサレムの門のうちに持ち込むな。
1722 また、安息日に荷物を家から出すな。何の仕事もするな。わたしがあなたがたの先祖に命じたとおりに安息日をきよく保て。
1723 しかし、彼らは聞かず、耳も傾けず、うなじのこわい者となって聞こうとせず、懲らしめを受けなかった。
1724 もし、あなたがたが、ほんとうにわたしに聞き従い、──【主】の御告げ──安息日にこの町の門のうちに荷物を持ち込まず、安息日をきよく保ち、この日に何の仕事もしないなら、
1725 ダビデの王座に着く王たちや、車や馬に乗る首長たち、すなわち王たちとその首長たち、ユダの人、エルサレムの住民は、この町の門のうちに入り、この町はとこしえに人の住む所となる。
1726 ユダの町々やエルサレムの周辺から、ベニヤミンの地や低地から、また山地やネゲブから、全焼のいけにえや、ほかのいけにえ、穀物のささげ物や乳香を携えて来る者、感謝のいけにえを携えて来る者が、【主】の宮に来る。
1727 しかし、もし、わたしの言うことを聞き入れず、安息日をきよく保たずに、安息日に荷物を運んでエルサレムの門のうちに入るなら、わたしはその門に火をつけ、火はエルサレムの宮殿をなめ尽くして、消えることがないであろう。』」
1801 【主】からエレミヤにあったみことばは、こうである。
1802 「立って、陶器師の家に下れ。そこで、あなたに、わたしのことばを聞かせよう。」
1803 私が陶器師の家に下って行くと、ちょうど、彼はろくろで仕事をしているところだった。
1804 陶器師は、粘土で制作中の器を自分の手でこわし、再びそれを陶器師自身の気に入ったほかの器に作り替えた。
1805 それから、私に次のような【主】のことばがあった。
1806 「イスラエルの家よ。この陶器師のように、わたしがあなたがたにすることができないだろうか。──【主】の御告げ──見よ。粘土が陶器師の手の中にあるように、イスラエルの家よ、あなたがたも、わたしの手の中にある。
1807 わたしが、一つの国、一つの王国について、引き抜き、引き倒し、滅ぼすと語ったその時、
1808 もし、わたしがわざわいを予告したその民が、悔い改めるなら、わたしは、下そうと思っていたわざわいを思い直す。
1809 わたしが、一つの国、一つの王国について、建て直し、植えると語ったその時、
1810 もし、それがわたしの声に聞き従わず、わたしの目の前に悪を行うなら、わたしは、それに与えると言ったしあわせを思い直す。
1811 さあ、今、ユダの人とエルサレムの住民に言え。『【主】はこう仰せられる。見よ。わたしはあなたがたに対してわざわいを考え、あなたがたを攻める計画を立てている。さあ、おのおの悪の道から立ち返り、あなたがたの行いとわざとを改めよ。』
1812 しかし、彼らは言う。『だめだ。私たちは自分の計画に従い、おのおの悪いかたくなな心のままに行うのだから』と。
1813 それゆえ、【主】はこう仰せられる。『さあ、国々の中で尋ねてみよ。だれが、こんなことを聞いたことがあるか。おとめイスラエルは、実に恐るべきことを行った。
1814 レバノンの雪は、野の岩から消え去るだろうか。ほかの国から流れて来る冷たい水が、引き抜かれるだろうか。
1815 それなのに、わたしの民はわたしを忘れ、むなしいものに香をたく。それらは、彼らをその道、いにしえの道でつまずかせ、小道に、まだ築かれていない道に行かせ、
1816 彼らの国を恐怖とし、永久にあざけりとする。そこを通り過ぎる者はみな色を失い、頭を振る。
1817 東風のように、わたしは彼らを敵の前で散らす。彼らの災難の日に、わたしは彼らに背を向け、顔を向けない。』」
1818 彼らは言った。「さあ、私たちは計画を立ててエレミヤを倒そう。祭司から律法が、知恵ある者からはかりごとが、預言者からことばが滅びうせることはないはずだから。さあ、舌で彼を打ち、彼のことばにはどれにも耳を傾けまい。」
1819 【主】よ。私に耳を傾け、私と争う者の声を聞いてください。
1820 善に悪を報いてよいでしょうか。まことに彼らは、私のいのちを取ろうとして穴を掘ったのです。私があなたの御前に立って、彼らに対するあなたの憤りをやめていただき、彼らについて良いことを語ったことを、覚えてください。
1821 それゆえ、彼らの子らをききんに渡し、彼らを剣で殺してください。妻たちは子を失い、また、やもめになり、夫たちは虐殺されて死に、若い男たちは戦いで剣に殺されますように。
1822 あなたが突然、略奪隊に彼らを襲わせるとき、彼らの家からの叫びが聞こえます。彼らは私を捕らえようと穴を掘り、私の足もとに、わなを隠したからです。
1823 しかし、【主】よ。あなたは、私を殺そうとする彼らの計画をみな、ご存じです。彼らの咎をおおわず、彼らの罪を御前からぬぐい去らないでください。彼らを、御前で打ち倒し、あなたの御怒りの時に、彼らを罰してください。