1301 【主】は私にこう仰せられた。「行って、亜麻布の帯を買い、それを腰に締めよ。水に浸してはならない。」
1302 私は【主】のことばのとおり、帯を買って、腰に締めた。
1303 すると、私に次のような【主】のことばがあった。
1304 「あなたが買って腰に着けているその帯を取り、すぐ、ユーフラテス川へ行き、それをそこの岩の割れ目に隠せ。」
1305 そこで、【主】が私に命じられたように、私は行って、それをユーフラテス川のほとりに隠した。
1306 多くの日を経て、【主】は私に仰せられた。「すぐ、ユーフラテス川へ行き、わたしが隠せとあなたに命じたあの帯を取り出せ。」
1307 私はユーフラテス川に行って、掘り、隠した所から帯を取り出したが、なんと、その帯は腐って、何の役にも立たなくなっていた。
1308 すると、私に次のような【主】のことばがあった。
1309 「【主】はこう仰せられる。わたしはユダとエルサレムの大きな誇りを腐らせる。
1310 わたしのことばを聞こうともせず、自分たちのかたくなな心のままに歩み、ほかの神々に従って、それに仕え、それを拝むこの悪い民は、何の役にも立たないこの帯のようになる。
1311 なぜなら、帯が人の腰に結びつくように、わたしは、イスラエルの全家とユダの全家をわたしに結びつけた。──【主】の御告げ──それは、彼らがわたしの民となり、名となり、栄誉となり、栄えとなるためだったのに、彼らがわたしに聞き従わなかったからだ。
1312 あなたは彼らにこのことばを伝えよ。『イスラエルの神、【主】は、こう仰せられる。すべてのつぼには酒が満たされる。』彼らはあなたに、『すべてのつぼに酒が満たされることくらい、私たちは知りぬいていないだろうか』と言うが、
1313 あなたは彼らに言え。『【主】はこう仰せられる。見よ。わたしは、この国の全住民、ダビデの王座に着いている王たち、祭司、預言者、およびエルサレムの全住民をすっかり酔わせ、
1314 彼らを互いにぶつけ合わせて砕く。父も子もともどもに。──【主】の御告げ──わたしは容赦せず、惜しまず、あわれまないで、彼らを滅ぼしてしまおう。』」
1315 耳を傾けて聞け。高ぶるな。【主】が語られたからだ。
1316 あなたがたの神、【主】に、栄光を帰せよ。まだ主がやみを送らないうちに、まだあなたがたの足が、暗い山でつまずかないうちに。そのとき、あなたがたが光を待ち望んでも、主はそれを死の陰に変え、暗やみとされる。
1317 もし、あなたがたがこれに聞かなければ、私は隠れた所で、あなたがたの高ぶりのために泣き、涙にくれ、私の目は涙を流そう。【主】の群れが、とりこになるからだ。
1318 王と王母に告げよ。「低い座に着け。あなたがたの頭から、あなたがたの輝かしい冠が落ちたから。」
1319 ネゲブの町々は閉ざされて、だれもあける者はいない。ユダはことごとく捕らえ移され、ひとり残らず捕らえ移される。
1320 あなたがたの目を上げ、北から来る者たちを見よ。──あなたに賜った群れ、あなたの美しい羊の群れはどこにいるのか──
1321 あなたは彼らを最も親しい友として、自分に教えこんでいたのに。主があなたを罰するとき、あなたは何と言おうとするのか。苦痛があなたを捕らえないだろうか。子を産む女のように。
1322 あなたが心の中で、「なぜ、こんなことが、私の身に起こったのか」と言うなら、それは、あなたの多くの咎のために、あなたのすそはまくられ、あなたのかかとがそこなわれたからだ。
1323 クシュ人がその皮膚を、ひょうがその斑点を、変えることができようか。もしできたら、悪に慣れたあなたがたでも、善を行うことができるだろう。
1324 わたしは、彼らを、荒野の風に吹き飛ばされるわらのように散らす。
1325 これがあなたの受ける割り当て、わたしがあなたに量り与える分である。──【主】の御告げ──あなたがわたしを忘れ、偽りに拠り頼んだためだ。
1326 わたしも、あなたのすそを、顔の上までまくるので、あなたの恥ずべき所が現れる。
1327 あなたの姦淫、あなたのいななき、あなたの淫行のわざ──この忌むべき行いを、わたしは、丘の上や野原で見た。ああ。エルサレムよ。あなたはいつまでたっても、きよめられないのか。
1401 日照りのことについて、エレミヤにあった【主】のことば。
1402 ユダは喪に服し、その門は打ちしおれ、地に伏して嘆き悲しみ、エルサレムは哀れな叫び声をあげる。
1403 その貴人たちは、召使いを、水を汲みにやるが、彼らが水ためのほとりに来ても、水は見つからず、からの器のままで帰る。彼らは恥を見、侮られて、頭をおおう。
1404 国に秋の大雨が降らず、地面が割れたため、農夫たちも恥を見、頭をおおう。
1405 若草がないために、野の雌鹿さえ、子を産んでも捨てる。
1406 野ろばは裸の丘の上に立ち、ジャッカルのようにあえぎ、目も衰え果てる。青草がないためだ。
1407 私たちの咎が、私たちに不利な証言をしても、【主】よ、あなたの御名のために事をなしてください。私たちの背信ははなはだしく、私たちはあなたに罪を犯しました。
1408 イスラエルの望みである方、苦難の時の救い主よ。なぜあなたは、この国にいる在留異国人のように、また、一夜を過ごすため立ち寄った旅人のように、すげなくされるのですか。
1409 なぜ、あなたはあわてふためく人のように、また、人を救うこともできない勇士のように、されるのですか。【主】よ。あなたは私たちの真ん中におられ、私たちはあなたの御名をもって、呼ばれているのです。私たちを、置き去りにしないでください。
1410 この民について、【主】はこう仰せられる。「このように、彼らはさすらうことを愛し、その足を制することもしない。それで、【主】は彼らを喜ばず、今、彼らの咎を覚えて、その罪を罰する。」
1411 【主】はさらに、私に仰せられた。「この民のために幸いを祈ってはならない。
1412 彼らが断食しても、わたしは彼らの叫びを聞かない。全焼のいけにえや、穀物のささげ物をささげても、わたしはそれを受け入れない。かえって、剣とききんと疫病で、彼らをことごとく絶ち滅ぼす。」
1413 私は言った。「ああ、神、主よ。預言者たちは、『あなたがたは剣を見ず、ききんもあなたがたに起こらない。かえって、わたしはこの所でまことの平安をあなたがたに与える』と人々に言っているではありませんか。」
1414 【主】は私に仰せられた。「あの預言者たちは、わたしの名によって偽りを預言している。わたしは彼らを遣わしたこともなく、彼らに命じたこともなく、語ったこともない。彼らは、偽りの幻と、むなしい占いと、自分の心の偽りごとを、あなたがたに預言しているのだ。
1415 それゆえ、わたしの名によって預言はするが、わたしが遣わしたのではない預言者たち、『剣やききんがこの国に起こらない』と言っているこの預言者たちについて、【主】はこう仰せられる。『剣とききんによって、その預言者たちは滅びうせる。』
1416 彼らの預言を聞いた民も、ききんと剣によってエルサレムの道ばたに投げ出され、彼らを葬る者もいなくなる。彼らも、その妻も、息子、娘もそのようになる。わたしは、彼らの上にわざわいを注ぎかける。
1417 あなたは彼らに、このことばを言え。『私の目は夜も昼も涙を流して、やむことがない。私の民の娘、おとめの打たれた傷は大きく、いやしがたい、ひどい打ち傷。
1418 野に出ると、見よ、剣で刺し殺された者たち。町に入ると、見よ、飢えて病む者たち。しかし、預言者も祭司も、地にさまよって、途方にくれている。』」
1419 あなたはユダを全く退けたのですか。あなたはシオンをきらわれたのですか。なぜ、あなたは、私たちを打って、いやされないのですか。私たちが平安を待ち望んでも、幸いはなく、いやしの時を待ち望んでも、なんと、恐怖しかありません。
1420 【主】よ。私たちは自分たちの悪と、先祖の咎とを知っています。ほんとうに私たちは、あなたに罪を犯しています。
1421 御名のために、私たちを退けないでください。あなたの栄光の御座をはずかしめないでください。あなたが私たちに立てられた契約を覚えて、それを破らないでください。
1422 異国のむなしい神々の中で、大雨を降らせる者がいるでしょうか。それとも、天が夕立を降らせるでしょうか。私たちの神、【主】よ。それは、あなたではありませんか。私たちはあなたを待ち望みます。あなたがこれらすべてをなさるからです。
1501 【主】は私に仰せられた。「たといモーセとサムエルがわたしの前に立っても、わたしはこの民を顧みない。彼らをわたしの前から追い出し、立ち去らせよ。
1502 彼らがあなたに、『どこへ去ろうか』と言うなら、あなたは彼らに言え。『【主】はこう仰せられる。死に定められた者は死に、剣に定められた者は剣に、ききんに定められた者はききんに、とりこに定められた者はとりこに。』
1503 わたしは四つの種類のもので彼らを罰する。──【主】の御告げ──すなわち、切り殺すために剣、引きずるために犬、食い尽くし、滅ぼすために空の鳥と地の獣である。
1504 わたしは彼らを、地のすべての王国のおののきとする。ユダの王ヒゼキヤの子マナセがエルサレムで行ったことのためである。
1505 エルサレムよ。いったい、だれがおまえをあわれもう。だれがおまえのために嘆こう。だれが立ち寄って、おまえの安否を尋ねよう。
1506 おまえがわたしを捨てたのだ、──【主】の御告げ──おまえはわたしに背を向けた。わたしはおまえに手を伸ばし、おまえを滅ぼす。わたしはあわれむのに飽いた。
1507 わたしはこの国の町囲みのうちで、熊手で彼らを追い散らし、彼らの子を失わせ、わたしの民を滅ぼした。彼らがその行いを悔い改めなかったからだ。
1508 わたしはそのやもめの数を海の砂よりも多くした。わたしは若い男の母親に対し、真昼に荒らす者を送り、にわかに、苦痛と恐怖を彼女の上に襲わせた。
1509 七人の子を産んだ女は打ちしおれ、その息はあえいだ。彼女の太陽は、まだ昼のうちに没し、彼女は恥を見、はずかしめを受けた。また、わたしは、彼らの残りの者を彼らの敵の前で剣に渡す。──【主】の御告げ──」
1510 ああ、悲しいことだ。私の母が私を産んだので、私は国中の争いの相手、けんかの相手となっている。私は貸したことも、借りたこともないのに、みな、私をのろっている。
1511 【主】は仰せられた。「必ずわたしはあなたを解き放って、しあわせにする。必ずわたしは、わざわいの時、苦難の時に、敵があなたにとりなしを頼むようにする。
1512 だれが鉄、北からの鉄や青銅を砕くことができようか。
1513 わたしは、あなたの財宝、あなたの宝物を獲物として、ただで引き渡す。それは、あなたの国中で、あなたが犯した罪のためだ。
1514 わたしはあなたをあなたの知らない国で敵に仕えさせる。わたしの怒りによって火がつき、あなたがたに向かって燃えるからだ。」
1515 【主】よ。あなたはご存じです。私を思い出し、私を顧み、私を追う者たちに復讐してください。あなたの御怒りをおそくして、私を取り去らないでください。私があなたのためにそしりを受けているのを、知ってください。
1516 私はあなたのみことばを見つけ出し、それを食べました。あなたのみことばは、私にとって楽しみとなり、心の喜びとなりました。万軍の神、【主】よ。私にはあなたの名がつけられているからです。
1517 私は、戯れる者たちの集まりにすわったことも、こおどりして喜んだこともありません。私はあなたの御手によって、ひとりすわっていました。あなたが憤りで私を満たされたからです。
1518 なぜ、私の痛みはいつまでも続き、私の打ち傷は直らず、いえようともしないのでしょう。あなたは、私にとって、欺く者、当てにならない小川のようになられるのですか。
1519 それゆえ、【主】はこう仰せられた。「もし、あなたが帰って来るなら、わたしはあなたを帰らせ、わたしの前に立たせよう。もし、あなたが、卑しいことではなく、尊いことを言うなら、あなたはわたしの口のようになる。彼らがあなたのところに帰ることがあっても、あなたは彼らのところに帰ってはならない。
1520 わたしはあなたを、この民に対し、堅固な青銅の城壁とする。彼らは、あなたと戦っても、勝てない。わたしがあなたとともにいて、あなたを救い、あなたを助け出すからだ。──【主】の御告げ──
1521 また、わたしは、あなたを悪人どもの手から救い出し、横暴な者たちの手から助け出す。」