4601 「ベルはひざまずき、ネボはかがむ。彼らの偶像は獣と家畜に載せられ、あなたがたの運ぶものは荷物となり、疲れた獣の重荷となる。
4602 彼らは共にかがみ、ひざまずく。彼らは重荷を解くこともできず、彼ら自身もとりことなって行く。
4603 わたしに聞け、ヤコブの家と、イスラエルの家のすべての残りの者よ。胎内にいる時からになわれており、生まれる前から運ばれた者よ。
4604 あなたがたが年をとっても、わたしは同じようにする。あなたがたがしらがになっても、わたしは背負う。わたしはそうしてきたのだ。なお、わたしは運ぼう。わたしは背負って、救い出そう。
4605 わたしをだれになぞらえて比べ、わたしをだれと並べて、なぞらえるのか。
4606 袋から金を惜しげなく出し、銀をてんびんで量る者たちは、金細工人を雇って、それで神を造り、これにひざまずいて、すぐ拝む。
4607 彼らはこれを肩にかついで運び、下に置いて立たせる。これはその場からもう動けない。これに叫んでも答えず、悩みから救ってもくれない。
4608 このことを思い出し、しっかりせよ。そむく者らよ。心に思い返せ。
4609 遠い大昔の事を思い出せ。わたしが神である。ほかにはいない。わたしのような神はいない。
4610 わたしは、終わりの事を初めから告げ、まだなされていない事を昔から告げ、『わたしのはかりごとは成就し、わたしの望む事をすべて成し遂げる』と言う。
4611 わたしは、東から猛禽を、遠い地から、わたしのはかりごとを行う者を呼ぶ。わたしが語ると、すぐそれを行い、わたしが計ると、すぐそれをする。
4612 わたしに聞け。強情な者、正義から遠ざかっている者たちよ。
4613 わたしは、わたしの勝利を近づける。それは遠くはない。わたしの救いは遅れることがない。わたしはシオンに救いを与え、イスラエルにわたしの光栄を与える。」
4701 「おとめバビロンの娘よ。下って、ちりの上にすわれ。カルデヤ人の娘よ。王座のない地にすわれ。もうあなたは、優しい上品な女と呼ばれないからだ。
4702 ひき臼を取って粉をひけ。顔おおいを取り去り、すそをまくって、すねを出し、川を渡れ。
4703 あなたの裸は現れ、あなたの恥もあらわになる。わたしは復讐をする。だれひとり容赦しない。」
4704 私たちを贖う方、その名は万軍の【主】、イスラエルの聖なる方。
4705 「カルデヤ人の娘よ。黙ってすわり、やみに入れ。あなたはもう、王国の女王と呼ばれることはないからだ。
4706 わたしは、わたしの民を怒って、わたしのゆずりの民を汚し、彼らをあなたの手に渡したが、あなたは彼らをあわれまず、老人にも、ひどく重いくびきを負わせた。
4707 あなたは『いつまでも、私は女王でいよう』と考えて、これらのことを心に留めず、自分の終わりのことを思ってもみなかった。
4708 だから今、これを聞け。楽しみにふけり、安心して住んでいる女。心の中で、『私だけは特別だ。私はやもめにはならないし、子を失うことも知らなくて済もう』と言う者よ。
4709 子を失うことと、やもめになること、この二つが一日のうちに、またたくまにあなたに来る。あなたがどんなに多く呪術を行っても、どんなに強く呪文を唱えても、これらは突然、あなたを見舞う。
4710 あなたは自分の悪に拠り頼み、『私を見る者はない』と言う。あなたの知恵と知識、これがあなたを迷わせた。だから、あなたは心の中で言う。『私だけは特別だ。』
4711 しかしわざわいがあなたを見舞う。それを払いのけるまじないをあなたは知らない。災難があなたを襲うが、あなたはそれを避けることはできない。破滅はあなたの知らないうちに、突然あなたにやって来る。
4712 さあ、若い時からの使い古しの呪文や、多くの呪術を使って、立ち上がれ。あるいは役立つかもしれない。おびえさせることができるかもしれない。
4713 あなたに助言する者が多すぎて、あなたは疲れている。さあ、天を観測する者、星を見る者、新月ごとにあなたに起こる事を知らせる者を並べたてて、あなたを救わせてみよ。
4714 見よ。彼らは刈り株のようになり、火が彼らを焼き尽くす。彼らは自分のいのちを炎の手から救い出すこともできない。これは身を暖める炭火でもなく、その前にすわれる火でもない。
4715 あなたが若い時から仕え、行き来してきた者たちは、このようになる。彼らはおのおの自分かってに迷い出て、あなたを救う者はひとりもいない。」
4801 これを聞け。ヤコブの家よ。あなたはイスラエルの名で呼ばれ、ユダの源から出て、【主】の御名によって誓い、イスラエルの神を呼び求めるが、誠実をもってせず、また正義をもってしない。
4802 確かに彼らは聖なる都の名を名のり、イスラエルの神──その名は万軍の【主】──に寄りかかっている。
4803 「先に起こった事は、前からわたしが告げていた。それらはわたしの口から出、わたしはそれらを聞かせた。にわかに、わたしは行い、それは成就した。
4804 あなたがかたくなであり、首筋は鉄の腱、額は青銅だと知っているので、
4805 わたしは、かねてからあなたに告げ、まだ起こらないうちに、聞かせたのだ。『私の偶像がこれをした』とか、『私の彫像や鋳た像がこれを命じた』とかあなたが言わないためだ。
4806 あなたは聞いた。さあ、これらすべてを見よ。あなたがたは告げ知らせないのか。わたしは今から、新しい事、あなたの知らない秘め事をあなたに聞かせよう。
4807 それは今、創造された。ずっと前からではない。きょうまで、あなたはこれを聞いたこともない。『ああ、私は知っていた』とあなたが言わないためだ。
4808 あなたは聞いたこともなく、知っていたこともない。ずっと前から、あなたの耳は開かれていなかった。わたしは、あなたがきっと裏切ること、母の胎内にいる時からそむく者と呼ばれていることを、知っていたからだ。
4809 わたしは、わたしの名のために、怒りを遅らせ、わたしの栄誉のために、これを押さえて、あなたを断ち滅ぼさなかった。
4810 見よ。わたしはあなたを練ったが、銀の場合とは違う。わたしは悩みの炉であなたを試みた。
4811 わたしのため、わたしのために、わたしはこれを行う。どうしてわたしの名が汚されてよかろうか。わたしはわたしの栄光を他の者には与えない。
4812 わたしに聞け。ヤコブよ。わたしが呼び出したイスラエルよ。わたしがそれだ。わたしは初めであり、また、終わりである。
4813 まことに、わたしの手が地の基を定め、わたしの右の手が天を引き延ばした。わたしがそれらに呼びかけると、それらはこぞって立ち上がる。
4814 あなたがた、みな集まって聞け。だれがこれらの事を告げたのか。【主】に愛される者が、主の喜ばれる事をバビロンにしむける。主の御腕はカルデヤ人に向かう。
4815 わたしが、このわたしが語り、そして彼を呼んだのだ。わたしは彼を来させ、彼の行うことを成功させる。
4816 わたしに近づいて、これを聞け。わたしは初めから、隠れた所で語らなかった。それが起こった時から、わたしはそこにいた。」今、神である主は私を、その御霊とともに遣わされた。
4817 あなたを贖う【主】、イスラエルの聖なる方はこう仰せられる。「わたしは、あなたの神、【主】である。わたしは、あなたに益になることを教え、あなたの歩むべき道にあなたを導く。
4818 あなたがわたしの命令に耳を傾けさえすれば、あなたのしあわせは川のように、あなたの正義は海の波のようになるであろうに。
4819 あなたの子孫は砂のように、あなたの身から出る者は、真砂のようになるであろうに。その名はわたしの前から断たれることも、滅ぼされることもないであろうに。」
4820 バビロンから出よ。カルデヤからのがれよ。喜びの歌声をあげて、これを告げ知らせよ。地の果てにまで響き渡らせよ。「【主】が、そのしもべヤコブを贖われた」と言え。
4821 主がかわいた地を通らせたときも、彼らは渇かなかった。主は彼らのために岩から水を流れ出させ、岩を裂いて水をほとばしり出させた。
4822 「悪者どもには平安がない」と【主】は仰せられる。