箴言

2801 悪者は追う者もないのに逃げる。しかし、正しい人は若獅子のように頼もしい。
2802 国にそむきがあるときは、多くの首長たちがいる。しかし、分別と知識のあるひとりの人によって、それは長く安定する。
2803 寄るべのない者をしいたげる貧しい者は、押し流して食物を残さない豪雨のようだ。
2804 おしえを捨てる者は悪者をほめる。おしえを守る者は彼らと争う。
2805 悪人は公義を悟らない。【主】を尋ね求める者はすべての事を悟る。
2806 貧しくても、誠実に歩む者は、富んでいても、曲がった道を歩む者にまさる。
2807 おしえを守る者は分別のある子、放蕩者と交わる者は、その父に恥ずかしい思いをさせる。
2808 利息や高利によって財産をふやす者は、寄るべのない者たちに恵む者のためにそれをたくわえる。
2809 耳をそむけておしえを聞かない者は、その者の祈りさえ忌みきらわれる。
2810 正直な人を悪い道に迷わす者は、自分の掘った穴に陥る。しかし潔白な人たちはしあわせを継ぐ。
2811 富む者は自分を知恵のある者と思い込む。分別のある貧しい者は、自分を調べる。
2812 正しい者が喜ぶときには、大いなる光栄があり、悪者が起き上がるときには、人は身を隠す。
2813 自分のそむきの罪を隠す者は成功しない。それを告白して、それを捨てる者はあわれみを受ける。
2814 幸いなことよ。いつも主を恐れている人は。しかし心をかたくなにする人はわざわいに陥る。
2815 うなる雄獅子、襲いかかる熊、寄るべのない民を治める悪い支配者。
2816 英知を欠く君主は、多くの物を強奪する。不正な利得を憎む者は、長生きをする。
2817 流血の罪に苦しむ者は、墓まで逃げるが、だれも彼をつかまえない。
2818 潔白な生活をする者は救われ、曲がった生活をする者は墓穴に陥る。
2819 自分の畑を耕す者は食糧に飽き足り、むなしいものを追い求める者は貧しさに飽きる。
2820 忠実な人は多くの祝福を得る。しかし富を得ようとあせる者は罰を免れない。
2821 人をかたより見るのは良くない。人は一切れのパンで、そむく。
2822 貪欲な人は財産を得ようとあせり、欠乏が自分に来るのを知らない。
2823 人を責める者は、へつらいを言う者より後に、恵みを得る。
2824 自分の父母の物を盗んで、「私は罪を犯していない」と言う者は、滅びをもたらす者の仲間である。
2825 欲の深い人は争いを引き起こす。しかし【主】に拠り頼む人は豊かになる。
2826 自分の心にたよる者は愚かな者、知恵をもって歩む者は救われる。
2827 貧しい者に施す者は不足することがない。しかし目をそむける者は多くののろいを受ける。
2828 悪者が起こると、人は身を隠し、彼らが滅びると、正しい人がふえる。
2901 責められても、なお、うなじのこわい者は、たちまち滅ぼされて、いやされることはない。
2902 正しい人がふえると、民は喜び、悪者が治めると、民は嘆く。
2903 知恵を愛する人は、その父を喜ばせ、遊女と交わる者は、財産を滅ぼす。
2904 王は正義によって国を建てる。しかし重税を取り立てる者は国を滅ぼす。
2905 自分の友人にへつらう者は、自分の足もとに網を張る。
2906 悪人はそむきの罪を犯して自分のわなをかける。しかし正しい人は喜びの声をあげ、楽しむ。
2907 正しい人は寄るべのない者を正しくさばくことを知っている。しかし悪者はそのような知識をわきまえない。
2908 あざける者たちは町を騒がし、知恵のある人々は怒りを静める。
2909 知恵のある人が愚か者を訴えて争うと、愚か者は怒り、あざ笑い、休むことがない。
2910 血に飢えた者たちは潔白な人を憎み、正直な人のいのちをねらう。
2911 愚かな者は怒りをぶちまける。しかし知恵のある者はそれを内におさめる。
2912 支配者が偽りのことばに聞き入るなら、従者たちもみな悪者になる。
2913 貧しい者としいたげる者とは互いに出会う。【主】は、この両者に日の光を見させる。
2914 誠実をもって寄るべのない者をさばく王、その王座はとこしえまでも堅く立つ。
2915 むちと叱責とは知恵を与える。わがままにさせた子は、母に恥を見させる。
2916 悪者がふえると、そむきの罪も増す。しかし正しい者は彼らの滅びを見る。
2917 あなたの子を懲らせ。そうすれば、彼はあなたを安らかにし、あなたの心に喜びを与える。
2918 幻がなければ、民はほしいままにふるまう。しかし律法を守る者は幸いである。
2919 しもべをことばだけで戒めることはできない。彼はそれがわかっても、反応がない。
2920 軽率に話をする人を見ただろう。彼よりも愚かな者のほうが、まだ望みがある。
2921 自分のしもべを幼い時から甘やかすと、ついには彼は手におえない者になる。
2922 怒る者は争いを引き起こし、憤る者は多くのそむきの罪を犯す。
2923 人の高ぶりはその人を低くし、心の低い人は誉れをつかむ。
2924 盗人にくみする者は自分自身を憎む者だ。彼はのろいを聞いても何も言わない。
2925 人を恐れるとわなにかかる。しかし【主】に信頼する者は守られる。
2926 支配者の顔色をうかがう者は多い。しかし人をさばくのは【主】である。
2927 不正な人は正しい人に忌みきらわれ、行いの正しい人は悪者に忌みきらわれる。
3001 マサの人ヤケの子アグルのことば。イティエルに告げ、イティエルとウカルに告げたことば。
3002 確かに、私は人間の中でも最も愚かで、私には人間の悟りがない。
3003 私はまだ知恵も学ばず、聖なる方の知識も知らない。
3004 だれが天に上り、また降りて来ただろうか。だれが風をたなごころに集めただろうか。だれが水を衣のうちに包んだだろうか。だれが地のすべての限界を堅く定めただろうか。その名は何か、その子の名は何か。あなたは確かに知っている。
3005 神のことばは、すべて純粋。神は拠り頼む者の盾。
3006 神のことばにつけ足しをしてはならない。神が、あなたを責めないように、あなたがまやかし者とされないように。
3007 二つのことをあなたにお願いします。私が死なないうちに、それをかなえてください。
3008 不信実と偽りとを私から遠ざけてください。貧しさも富も私に与えず、ただ、私に定められた分の食物で私を養ってください。
3009 私が食べ飽きて、あなたを否み、「【主】とはだれだ」と言わないために。また、私が貧しくて、盗みをし、私の神の御名を汚すことのないために。
3010 しもべのことを、その主人に中傷してはならない。そうでないと、彼はあなたをのろい、あなたは罰せられる。
3011 自分の父をのろい、自分の母を祝福しない世代。
3012 自分をきよいと見、汚れを洗わない世代。
3013 なんとも、その目が高く、まぶたが上がっている世代。
3014 歯が剣のようで、きばが刀のような世代。彼らは地の苦しむ者を、人のうちの貧しい者を食い尽くす。
3015 蛭にはふたりの娘がいて、「くれろ、くれろ」と言う。飽くことを知らないものが、三つある。いや、四つあって、「もう十分だ」と言わない。
3016 よみと、不妊の胎、水に飽くことを知らない地と、「もう十分だ」と言わない火。
3017 自分の父をあざけり、母への従順をさげすむ目は、谷の烏にえぐりとられ、鷲の子に食われる。
3018 私にとって不思議なことが三つある。いや、四つあって、私はそれを知らない。
3019 天にある鷲の道、岩の上にある蛇の道、海の真ん中にある舟の道、おとめへの男の道。
3020 姦通する女の道もそのとおり。彼女は食べて口をぬぐい、「私は不法を行わなかった」と言う。
3021 この地は三つのことによって震える。いや、四つのことによって耐えられない。
3022 奴隷が王となり、しれ者がパンに飽き、
3023 きらわれた女が夫を得、女奴隷が女主人の代わりとなることによって。
3024 この地上には小さいものが四つある。しかし、それは知恵者中の知恵者だ。
3025 蟻は力のない種族だが、夏のうちに食糧を確保する。
3026 岩だぬきは強くない種族だが、その巣を岩間に設ける。
3027 いなごには王はないが、みな隊を組んで出て行く。
3028 やもりは手でつかまえることができるが、王の宮殿にいる。
3029 歩きぶりの堂々としているものが三つある。いや、その歩みの堂々としているものが四つある。
3030 獣のうちで最も強く、何ものからも退かない雄獅子、
3031 いばって歩くおんどりと、雄やぎ、軍隊を率いる王である。
3032 もし、あなたが高ぶって、愚かなことをしたり、たくらんだりしたら、手を口に当てよ。
3033 乳をかき回すと凝乳ができる。鼻をねじると血が出る。怒りをかき回すと争いが起こる。

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