2501 次もまたソロモンの箴言であり、ユダの王ヒゼキヤの人々が書き写したものである。
2502 事を隠すのは神の誉れ。事を探るのは王の誉れ。
2503 天が高く、地が深いように、王の心は測り知れない。
2504 銀から、かなかすを除け。そうすれば、練られて良い器ができる。
2505 王の前から悪者を除け。そうすれば、その王座は義によって堅く据えられる。
2506 王の前で横柄ぶってはならない。偉い人のいる所に立っていてはならない。
2507 高貴な人の前で下に下げられるよりは、「ここに上って来なさい」と言われるほうがよいからだ。あなたがその目で見たことを、
2508 軽々しく訴えて出るな。そうでないと、あとになって、あなたの隣人があなたに恥ずかしい思いをさせたとき、あなたはどうしようとするのか。
2509 あなたは隣人と争っても、他人の秘密を漏らしてはならない。
2510 そうでないと、聞く者があなたを侮辱し、あなたの評判は取り返しのつかないほど悪くなる。
2511 時宜にかなって語られることばは、銀の彫り物にはめられた金のりんごのようだ。
2512 知恵のある叱責は、それを聞く者の耳にとって、金の耳輪、黄金の飾りのようだ。
2513 忠実な使者はこれを遣わす者にとって、夏の暑い日の冷たい雪のようだ。彼は主人の心を生き返らせる。
2514 贈りもしない贈り物を自慢する者は、雨を降らせない雲や風のようだ。
2515 忍耐強く説けば、首領も納得する。柔らかな舌は骨を砕く。
2516 蜜を見つけたら、十分、食べよ。しかし、食べすぎて吐き出すことがないように。
2517 隣人の家に、足しげく通うな。彼があなたに飽きて、あなたを憎むことがないようにせよ。
2518 隣人に対し、偽りの証言をする人は、こん棒、剣、また鋭い矢のようだ。
2519 苦難の日に、裏切り者に拠り頼むのは、悪い歯やよろける足を頼みとするようなもの。
2520 心配している人の前で歌を歌うのは、寒い日に着物を脱ぐようであり、ソーダの上に酢を注ぐようなものだ。
2521 もしあなたを憎む者が飢えているなら、パンを食べさせ、渇いているなら、水を飲ませよ。
2522 あなたはこうして彼の頭に燃える炭火を積むことになり、【主】があなたに報いてくださる。
2523 北風は大雨を起こし、陰口をきく舌は人を怒らす。
2524 争い好きな女と社交場にいるよりは、屋根の片隅に住むほうがよい。
2525 遠い国からの良い消息は、疲れた人への冷たい水のようだ。
2526 正しい人が悪者の前に屈服するのは、きたなくされた泉、荒らされた井戸のようだ。
2527 あまり多くの蜜を食べるのはよくない。しかし、りっぱなことばは尊重しなければならない。
2528 自分の心を制することができない人は、城壁のない、打ちこわされた町のようだ。
2601 誉れが愚かな者にふさわしくないのは、夏の雪、刈り入れ時の雨のようだ。
2602 逃げる雀のように、飛び去るつばめのように、いわれのないのろいはやって来ない。
2603 馬には、むち。ろばには、くつわ。愚かな者の背には、むち。
2604 愚かな者には、その愚かさにしたがって答えるな。あなたも彼と同じようにならないためだ。
2605 愚かな者には、その愚かさにしたがって答えよ。そうすれば彼は、自分を知恵のある者と思わないだろう。
2606 愚かな者にことづけする者は、自分の両足を切り、身に害を受ける。
2607 愚かな者が口にする箴言は、足のなえた者の垂れ下がった足のようだ。
2608 愚かな者に誉れを与えるのは、石投げ器に石をゆわえるようだ。
2609 愚かな者が口にする箴言は、酔った人が手にして振り上げるいばらのようだ。
2610 愚かな者や通りすがりの者を雇う者は、すべての人を傷つける投げ槍のようだ。
2611 犬が自分の吐いた物に帰って来るように、愚かな者は自分の愚かさをくり返す。
2612 自分を知恵のある者と思っている人を見ただろう。彼よりも、愚かな者のほうが、まだ望みがある。
2613 なまけ者は「道に獅子がいる。ちまたに雄獅子がいる」と言う。
2614 戸がちょうつがいで回転するように、なまけ者は寝台の上でころがる。
2615 なまけ者は手を皿に差し入れても、それを口に持っていくことをいとう。
2616 なまけ者は、分別のある答えをする七人の者よりも、自分を知恵のある者と思う。
2617 自分に関係のない争いに干渉する者は、通りすがりの犬の耳をつかむ者のようだ。
2618 気が狂った者は、燃え木を死の矢として投げるが、
2619 隣人を欺きながら、「ただ、戯れただけではないか」と言う者も、それと同じだ。
2620 たきぎがなければ火が消えるように、陰口をたたく者がなければ争いはやむ。
2621 おき火に炭を、火にたきぎをくべるように、争い好きな人は争いをかき立てる。
2622 陰口をたたく者のことばは、おいしい食べ物のようだ。腹の奥に下っていく。
2623 燃えるくちびるも、心が悪いと、銀の上薬を塗った土の器のようだ。
2624 憎む者は、くちびるで身を装い、心のうちでは欺きを図っている。
2625 声を和らげて語りかけても、それを信じるな。その心には七つの忌みきらわれるものがあるから。
2626 憎しみは、うまくごまかし隠せても、その悪は集会の中に現れる。
2627 穴を掘る者は、自分がその穴に陥り、石をころがす者は、自分の上にそれをころがす。
2628 偽りの舌は、真理を憎み、へつらう口は滅びを招く。
2701 あすのことを誇るな。一日のうちに何が起こるか、あなたは知らないからだ。
2702 自分の口でではなく、ほかの者にあなたをほめさせよ。自分のくちびるでではなく、よその人によって。
2703 石は重く、砂も重い。しかし愚か者の怒りはそのどちらよりも重い。
2704 憤りは残忍で、怒りはあふれ出る。しかし、ねたみの前にはだれが立ちはだかることができよう。
2705 あからさまに責めるのは、ひそかに愛するのにまさる。
2706 憎む者が口づけしてもてなすよりは、愛する者が傷つけるほうが真実である。
2707 飽き足りている者は蜂の巣の蜜も踏みつける。しかし飢えている者には苦い物もみな甘い。
2708 自分の家を離れてさまよう人は、自分の巣を離れてさまよう鳥のようだ。
2709 香油と香料は心を喜ばせ、友の慰めはたましいを力づける。
2710 あなたの友、あなたの父の友を捨てるな。あなたが災難に会うとき、兄弟の家に行くな。近くにいる隣人は、遠くにいる兄弟にまさる。
2711 わが子よ。知恵を得よ。私の心を喜ばせよ。そうすれば、私をそしる者に、私は言い返すことができよう。
2712 利口な者はわざわいを見て、これを避け、わきまえのない者は進んで行って、罰を受ける。
2713 他国人の保証人となるときは、その者の着物を取れ。見知らぬ女のためにも、着物を抵当に取れ。
2714 朝早くから、大声で友人を祝福すると、かえってのろいとみなされる。
2715 長雨の日にしたたり続ける雨漏りは、争い好きな女に似ている。
2716 その女を制する者は、風を制し、右手に油をつかむことができる。
2717 鉄は鉄によってとがれ、人はその友によってとがれる。
2718 いちじくの木の番人はその実を食う。主人の身を守る者は誉れを得る。
2719 顔が、水に映る顔と同じように、人の心は、その人に映る。
2720 よみと滅びの淵は飽くことがなく、人の目も飽くことがない。
2721 るつぼは銀のため、炉は金のためにあるように、他人の称賛によって人はためされる。
2722 愚か者を臼に入れ、きねでこれを麦といっしょについても、その愚かさは彼から離れない。
2723 あなたの羊の様子をよく知り、群れに心を留めておけ。
2724 富はいつまでも続くものではなく、王冠も代々に続かないからだ。
2725 草が刈り取られ、若草が現れ、山々の青草も集められると、
2726 子羊はあなたに着物を着させ、やぎは畑の代価となる。
2727 やぎの乳は十分あって、あなたの食物、あなたの家族の食物となり、あなたの召使いの女たちを養う。