1601 人は心に計画を持つ。【主】はその舌に答えを下さる。
1602 人は自分の行いがことごとく純粋だと思う。しかし【主】は人のたましいの値うちをはかられる。
1603 あなたのしようとすることを【主】にゆだねよ。そうすれば、あなたの計画はゆるがない。
1604 【主】はすべてのものを、ご自分の目的のために造り、悪者さえもわざわいの日のために造られた。
1605 【主】はすべて心おごる者を忌みきらわれる。確かに、この者は罰を免れない。
1606 恵みとまことによって、咎は贖われる。【主】を恐れることによって、人は悪を離れる。
1607 【主】は、人の行いを喜ぶとき、その人の敵をも、その人と和らがせる。
1608 正義によって得たわずかなものは、不正によって得た多くの収穫にまさる。
1609 人は心に自分の道を思い巡らす。しかし、その人の歩みを確かなものにするのは【主】である。
1610 王のくちびるには神の宣告がある。さばくとき、その口に不実があってはならない。
1611 正しいてんびんとはかりとは、【主】のもの。袋の中の重り石もみな、主が造られたもの。
1612 悪を行うことは王たちの忌みきらうこと。王座は義によって堅く立つからだ。
1613 正しいことばは王たちの喜び。まっすぐに語る者は愛される。
1614 王の憤りは死の使者である。しかし知恵のある人はそれをなだめる。
1615 王の顔の光にはいのちがある。彼のいつくしみは後の雨をもたらす雲のようだ。
1616 知恵を得ることは、黄金を得るよりはるかにまさる。悟りを得ることは銀を得るよりも望ましい。
1617 直ぐな者の大路は悪から離れている。自分のいのちを守る者は自分の道を監視する。
1618 高ぶりは破滅に先立ち、心の高慢は倒れに先立つ。
1619 へりくだって貧しい者とともにいるのは、高ぶる者とともにいて、分捕り物を分けるのにまさる。
1620 みことばに心を留める者は幸いを見つける。【主】に拠り頼む者は幸いである。
1621 心に知恵のある者は悟りのある者ととなえられ、その快いことばは理解を増し加える。
1622 思慮を持つ者にはいのちが泉となり、愚か者には愚かさが懲らしめとなる。
1623 知恵のある者の心はその口をさとし、そのことばに理解を増し加える。
1624 親切なことばは蜂蜜、たましいに甘く、骨を健やかにする。
1625 人の目にはまっすぐに見える道がある。その道の終わりは死の道である。
1626 働く者は食欲のために働く。その口が彼を駆り立てるからだ。
1627 よこしまな者は悪をたくらむ。その言うことは焼き尽くす火のようだ。
1628 ねじれ者は争いを巻き起こし、陰口をたたく者は親しい友を離れさせる。
1629 暴虐の者は自分の隣人を惑わし、良くない道へ導く。
1630 目くばせする者はねじれごとをたくらみ、くちびるをすぼめている者は悪を成し遂げた者だ。
1631 しらがは光栄の冠、それは正義の道に見いだされる。
1632 怒りをおそくする者は勇士にまさり、自分の心を治める者は町を攻め取る者にまさる。
1633 くじは、ひざに投げられるが、そのすべての決定は、【主】から来る。
1701 一切れのかわいたパンがあって、平和であるのは、ごちそうと争いに満ちた家にまさる。
1702 思慮のあるしもべは、恥知らずの子を治め、その兄弟たちの間にあって、資産の分け前を受け継ぐ。
1703 銀にはるつぼ、金には炉、人の心をためすのは【主】。
1704 悪を行う者は邪悪なくちびるに聞き入り、偽り者は人を傷つける舌に耳を傾ける。
1705 貧しい者をあざける者は自分の造り主をそしる。人の災害を喜ぶ者は罰を免れない。
1706 孫たちは老人の冠、子らの光栄は彼らの父である。
1707 すぐれたことばは、しれ者にふさわしくない。偽りのくちびるは、高貴な人にはなおさらふさわしくない。
1708 わいろは、その贈り主の目には宝石、その向かう所、どこにおいても、うまくいく。
1709 そむきの罪をおおう者は、愛を追い求める者。同じことをくり返して言う者は、親しい友を離れさせる。
1710 悟りのある者を一度責めることは、愚かな者を百度むち打つよりもききめがある。
1711 ただ逆らうことだけを求める悪人には、残忍な使者が送られる。
1712 愚かさにふけっている愚かな者に会うよりは、子を奪われた雌熊に会うほうがましだ。
1713 善に代えて悪を返すなら、その家から悪が離れない。
1714 争いの初めは水が吹き出すようなものだ。争いが起こらないうちに争いをやめよ。
1715 悪者を正しいと認め、正しい者を悪いとする、この二つを、【主】は忌みきらう。
1716 愚かな者が思慮もないのに、知恵を買おうとして、手に代金を持っている。これはいったいどうしたことか。
1717 友はどんなときにも愛するものだ。兄弟は苦しみを分け合うために生まれる。
1718 思慮に欠けている者はすぐ誓約をして、隣人の前で保証人となる。
1719 そむきの罪を愛する者はけんかを愛する。自分の門を高くする者は破滅を求める。
1720 心の曲がった者は幸いを見つけない。偽りを口にする者はわざわいに陥る。
1721 愚かな者を生む者には悲しみがあり、しれ者の父には喜びがない。
1722 陽気な心は健康を良くし、陰気な心は骨を枯らす。
1723 悪者は人のふところからわいろを受け、さばきの道を曲げる。
1724 悟りのある者はその顔を知恵に向け、愚かな者は目を地の果てに注ぐ。
1725 愚かな子はその父の憂い、これを産んだ母の痛みである。
1726 正しい人に罰金を科し、高貴な人をその正しさのゆえにむち打つのは、どちらもよくない。
1727 自分のことばを控える者は知識に富む者。心の冷静な人は英知のある者。
1728 愚か者でも、黙っていれば、知恵のある者と思われ、そのくちびるを閉じていれば、悟りのある者と思われる。
1801 おのれを閉ざす者は自分の欲望のままに求め、すべてのすぐれた知性と仲たがいする。
1802 愚かな者は英知を喜ばない。ただ自分の意見だけを表す。
1803 悪者が来ると、侮りも来る。恥とともに、そしりも来る。
1804 人の口のことばは深い水のようだ。知恵の泉はわいて流れる川のようだ。
1805 悪者をえこひいきすることはよくない。正しい者をさばきのときに否むこともよくない。
1806 愚かな者のくちびるは争いを起こし、その口はむち打つ者を呼び寄せる。
1807 愚かな者の口は自分の滅びとなり、そのくちびるは自分のたましいのわなとなる。
1808 陰口をたたく者のことばはおいしい食べ物のようだ。腹の奥に下っていく。
1809 自分の仕事をなまける者は、滅びをもたらす者の兄弟である。
1810 【主】の名は堅固なやぐら。正しい者はその中に走って行って安全である。
1811 富む者の財産はその堅固な城。自分ではそそり立つ城壁のように思っている。
1812 人の心の高慢は破滅に先立ち、謙遜は栄誉に先立つ。
1813 よく聞かないうちに返事をする者は、愚かであって、侮辱を受ける。
1814 人の心は病苦をも忍ぶ。しかし、ひしがれた心にだれが耐えるだろうか。
1815 悟りのある者の心は知識を得、知恵のある者の耳は知識を求める。
1816 人の贈り物はその人のために道を開き、高貴な人の前にも彼を導く。
1817 最初に訴える者は、その相手が来て彼を調べるまでは、正しく見える。
1818 くじは争いをやめさせ、強い者の間を解決する。
1819 反抗する兄弟は堅固な城よりも近寄りにくい。敵意は宮殿のかんぬきのようだ。
1820 人はその口の結ぶ実によって腹を満たし、そのくちびるによる収穫に満たされる。
1821 死と生は舌に支配される。どちらかを愛して、人はその実を食べる。
1822 良い妻を見つける者はしあわせを見つけ、【主】からの恵みをいただく。
1823 貧しい者は哀願するが、富む者は荒々しく答える。
1824 滅びに至らせる友人たちもあれば、兄弟よりも親密な者もいる。