詩篇

073001 まことに神は、イスラエルに、心のきよい人たちに、いつくしみ深い。
073002 しかし、私自身は、この足がたわみそうで、私の歩みは、すべるばかりだった。
073003 それは、私が誇り高ぶる者をねたみ、悪者の栄えるのを見たからである。
073004 彼らの死には、苦痛がなく、彼らのからだは、あぶらぎっているからだ。
073005 人々が苦労するとき、彼らはそうではなく、ほかの人のようには打たれない。
073006 それゆえ、高慢が彼らの首飾りとなり、暴 虐の着物が彼らをおおっている。
073007 彼らの目は脂肪でふくらみ、心の思いはあふれ出る。
073008 彼らはあざけり、悪意をもって語り、高い所からしいたげを告げる。
073009 彼らはその口を天にすえ、その舌は地を行き巡る。
073010 それゆえ、その民は、ここに帰り、豊かな水は、彼らによって飲み干された。
073011 こうして彼らは言う。「どうして神が知ろうか。いと高き方に知識があろうか。」
073012 見よ。悪者とは、このようなものだ。彼らはいつまでも安らかで、富を増している。
073013 確かに私は、むなしく心をきよめ、手を洗って、きよくしたのだ。
073014 私は一日中打たれどおしで、朝ごとに責められた。
073015 もしも私が、「このままを述べよう」と言ったなら、確かに私は、あなたの子らの世代の者を裏切ったことだろう。
073016 私は、これを知ろうと思い巡らしたが、それは、私の目には、苦役であった。
073017 私は、神の聖所に入り、ついに、彼らの最後を悟った。
073018 まことに、あなたは彼らをすべりやすい所に置き、彼らを滅びに突き落とされます。
073019 まことに、彼らは、またたくまに滅ぼされ、突然の恐怖で滅ぼし尽くされましょう。
073020 目ざめの夢のように、主よ、あなたは、奮い立つとき、彼らの姿をさげすまれましょう。
073021 私の心が苦しみ、私の内なる思いが突き刺されたとき、
073022 私は、愚かで、わきまえもなく、あなたの前で獣のようでした。
073023 しかし私は絶えずあなたとともにいました。あなたは私の右の手をしっかりつかまえられました。
073024 あなたは、私をさとして導き、後には栄光のうちに受け入れてくださいましょう。
073025 天では、あなたのほかに、だれを持つことができましょう。地上では、あなたのほかに私はだれをも望みません。
073026 この身とこの心とは尽き果てましょう。しかし神はとこしえに私の心の岩、私の分の土地です。
073027 それゆえ、見よ。あなたから遠く離れている者は滅びます。あなたはあなたに不誠実な者をみな滅ぼされます。
073028 しかし私にとっては、神の近くにいることが、しあわせなのです。私は、神なる主を私の避け所とし、あなたのすべてのみわざを語り告げましょう。
074001 神よ。なぜ、いつまでも拒み、あなたの牧場の羊に御怒りを燃やされるのですか。
074002 どうか思い起こしてください。昔あなたが買い取られた、あなたの会衆、あなたがご自分のものである部族として贖われた民を。また、あなたがお住まいになったシオンの山を。
074003 永遠の廃墟に、あなたの足を向けてください。敵は聖所であらゆる害を加えています。
074004 あなたに敵対する者どもは、あなたの集会のただ中でほえたけり、おのれらの目じるしを、しるしとして掲げ、
074005 森の中で斧を振り上げるかのようです。
074006 そうして今や、手斧と槌で、聖所の彫り物をことごとく打ち砕き、
074007 あなたの聖所に火を放ち、あなたの御名の住まいを、その地まで汚しました。
074008 彼らは心の中で、「彼らを、ことごとく征服しよう」と言い、国中の神の集会所をみな、焼き払いました。
074009 もう私たちのしるしは見られません。もはや預言者もいません。いつまでそうなのかを知っている者も、私たちの間にはいません。
074010 神よ。いつまで、仇はそしるのでしょうか。敵は、永久に御名を侮るのでしょうか。
074011 なぜ、あなたは御手を、右の御手を、引っ込めておられるのですか。その手をふところから出して彼らを滅ぼし尽くしてください。
074012 確かに、神は、昔から私の王、地上のただ中で、救いのわざを行われる方です。
074013 あなたは、御力をもって海を分け、海の巨獣の頭を砕かれました。
074014 あなたは、レビヤタンの頭を打ち砕き、荒野の民のえじきとされました。
074015 あなたは泉と谷を切り開き、絶えず流れる川をからされました。
074016 昼はあなたのもの、夜もまたあなたのもの。あなたは月と太陽とを備えられました。
074017 あなたは地のすべての境を定め、夏と冬とを造られました。
074018 【主】よ。どうか、心に留めてください。敵がそしり、愚かな民が御名を侮っていることを。
074019 あなたの山鳩のいのちを獣に引き渡さないでください。あなたの悩む者たちのいのちを永久に忘れないでください。
074020 どうか、契約に目を留めてください。地の暗い所には暴虐が横行していますから。
074021 しいたげられる者が卑しめられて帰ることがなく、悩む者、貧しい者が御名をほめたたえますように。
074022 神よ。立ち上がり、あなたの言い分を立ててください。愚か者が一日中あなたをそしっていることを心に留めてください。
074023 あなたに敵対する者どもの声や、あなたに立ち向かう者どもの絶えずあげる叫びを、お忘れにならないでください。
075001 私たちは、あなたに感謝します。神よ。私たちは感謝します。御名は、近くにあり、人々は、あなたの奇しいわざを語り告げます。
075002 「わたしが、定めの時を決め、わたしみずから公正にさばく。
075003 地とこれに住むすべての者が揺らぐとき、わたしは地の柱を堅く立てる。 セラ
075004 わたしは、誇る者には、『誇るな』と言い、悪者には、『角を上げるな。
075005 おまえたちの角を、高く上げるな。横柄な態度で語るな』と言う。」
075006 高く上げることは、東からでもなく、西からでもなく、荒野からでもない。
075007 それは、神が、さばく方であり、これを低くし、かれを高く上げられるからだ。
075008 【主】の御手には、杯があり、よく混ぜ合わされた、あわだつぶどう酒がある。主が、これを注ぎ出されると、この世の悪者どもは、こぞって、そのかすまで飲んで、飲み干してしまう。
075009 しかし私は、とこしえまでも告げよう。ヤコブの神を、ほめ歌おう。
075010 悪者どもの角を、ことごとく切り捨てよう。しかし、正しい者の角は、高く上げられる。

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