076001 神はユダにおいて知られ、御名はイスラエルにおいて大きい。
076002 神の仮庵はシャレムにあり、その住まいはシオンにある。
076003 その所で神は弓につがえる火矢、盾と剣、また戦いを打ち砕かれた。 セラ
076004 あなたは輝かしく、えじきの山々にまさって威厳があります。
076005 剛胆な者らは略奪に会い、彼らは全く眠りこけました。勇士たちはだれも、手の施しようがありませんでした。
076006 ヤコブの神よ。あなたが、お叱りになると、騎手も馬も、深い眠りに陥りました。
076007 あなたは、あなたは、恐ろしい方。あなたが怒られたら、だれが御前に立ちえましょう。
076008 あなたの宣告が天から聞こえると、地は恐れて、沈黙を守りました。
076009 神が、さばきのために、そして地上の貧しい者たちをみな、救うために、立ち上がられたそのときに。 セラ
076010 まことに、人の憤りまでもが、あなたをほめたたえ、あなたは、憤りの余りまでをも身に締められます。
076011 あなたがたの神、【主】に、誓いを立て、それを果たせ。主の回りにいる者はみな、恐るべき方に、贈り物をささげよ。
076012 主は君主たちのいのちを絶たれる。地の王たちにとって、恐ろしい方。
077001 私は神に向かい声をあげて、叫ぶ。私が神に向かって声をあげると、神は聞かれる。
077002 苦難の日に、私は主を尋ね求め、夜には、たゆむことなく手を差し伸ばしたが、私のたましいは慰めを拒んだ。
077003 私は神を思い起こして嘆き、思いを潜めて、私の霊は衰え果てる。 セラ
077004 あなたは、私のまぶたを閉じさせない。私の心は乱れて、もの言うこともできない。
077005 私は、昔の日々、遠い昔の年々を思い返した。
077006 夜には私の歌を思い起こし、自分の心と語り合い、私の霊は探り求める。
077007 「主は、いつまでも拒まれるのだろうか。もう決して愛してくださらないのだろうか。
077008 主の恵みは、永久に絶たれたのだろうか。約束は、代々に至るまで、果たされないのだろうか。
077009 神は、いつくしみを忘れたのだろうか。もしや、怒ってあわれみを閉じてしまわれたのだろうか。」 セラ
077010 そのとき私は言った。「私の弱いのはいと高き方の右の手が変わったことによる。」
077011 私は、主のみわざを思い起こそう。まことに、昔からのあなたの奇しいわざを思い起こそう。
077012 私は、あなたのなさったすべてのことに思いを巡らし、あなたのみわざを、静かに考えよう。
077013 神よ。あなたの道は聖です。神のように大いなる神が、ほかにありましょうか。
077014 あなたは奇しいわざを行われる神、国々の民の中に御力を現される方です。
077015 あなたは御腕をもって、ご自分の民、ヤコブとヨセフの子らを贖われました。 セラ
077016 神よ。水はあなたを見たのです。水はあなたを見て、わななきました。わたつみもまた、震え上がりました。
077017 雲は水を注ぎ出し、雷雲は雷をとどろかし、あなたの矢もまた、ひらめき飛びました。
077018 あなたの雷の声は、いくさ車のように鳴り、いなずまは世界を照らし、地は震え、揺れ動きました。
077019 あなたの道は海の中にあり、あなたの小道は大水の中にありました。それで、あなたの足跡を見た者はありません。
077020 あなたは、ご自分の民を、モーセとアロンの手によって、羊の群れのように導かれました。
078001 私の民よ。私の教えを耳に入れ、私の口のことばに耳を傾けよ。
078002 私は、口を開いて、たとえ話を語り、昔からのなぞを物語ろう。
078003 それは、私たちが聞いて、知っていること、私たちの先祖が語ってくれたこと。
078004 それを私たちは彼らの子孫に隠さず、後の時代に語り告げよう。【主】への賛美と御力と、主の行われた奇しいわざとを。
078005 主はヤコブのうちにさとしを置き、みおしえをイスラエルのうちに定め、私たちの先祖たちに命じて、これをその子らに教えるようにされた。
078006 後の世代の者、生まれてくる子らが、これを知り、彼らが興り、これをその子らにまた語り告げるため、
078007 彼らが神に信頼し、神のみわざを忘れず、その仰せを守るためである。
078008 また先祖たちのように、彼らが、かたくなで、逆らう世代の者、心定まらず、その霊が神に忠実でない世代の者とならないためである。
078009 エフライムの人々は、矢をつがえて弓を射る者であったが、戦いの日には退却した。
078010 彼らは、神の契約を守らず、神のおしえに従って歩むことを拒み、
078011 神の数々のみわざと、神が見せてくださった多くの奇しいこととを忘れてしまった。
078012 神は、彼らの先祖たちの前で、エジプトの地、ツォアンの野で、奇しいわざを行われた。
078013 神は海を分けて彼らを通らせ、せきのように水を立てられた。
078014 神は、昼は雲をもって、彼らを導き、夜は、夜通し炎の光で彼らを導いた。
078015 荒野では岩を割り、深い水からのように豊かに飲ませられた。
078016 また、岩から数々の流れを出し、水を川のように流された。
078017 それなのに、彼らはなおも神に罪を犯し、砂漠で、いと高き方に逆らった。
078018 彼らは欲するままに食べ物を求め、心のうちで神を試みた。
078019 そのとき彼らは神に逆らって、こう言った。「神は荒野の中で食事を備えることができようか。
078020 確かに、岩を打たれると、水がほとばしり出て流れがあふれた。だが、神は、パンをも与えることができようか。ご自分の民に肉を備えることができようか。」
078021 それゆえ、【主】は、これを聞いて激しく怒られた。火はヤコブに向かって燃え上がり、怒りもまた、イスラエルに向かって立ち上った。
078022 これは、彼らが神を信ぜず、御救いに信頼しなかったからである。
078023 しかし神は、上の雲に命じて天の戸を開き、
078024 食べ物としてマナを、彼らの上に降らせ、天の穀物を彼らに与えられた。
078025 それで人々は御使いのパンを食べた。神は飽きるほど食物を送られた。
078026 神は、東風を天に起こし、御力をもって、南風を吹かせられた。
078027 神は彼らの上に肉をちりのように、翼のある鳥をも海辺の砂のように降らせた。
078028 それを宿営の中、住まいの回りに落とした。
078029 そこで彼らは食べ、十分に満ち足りた。こうして彼らの欲望を、かなえてくださった。
078030 彼らがその欲望から離れず、まだ、その食べ物が口にあるうちに、
078031 神の怒りは彼らに向かって燃え上がり、彼らのうちの最もがんじょうな者たちを殺し、イスラエルの若い男たちを打ちのめされた。
078032 このすべてのことにもかかわらず、彼らはなおも罪を犯し、神の奇しいわざを信じなかった。
078033 それで神は、彼らの日をひと息のうちに、彼らの齢を、突然の恐怖のうちに、終わらせた。
078034 神が彼らを殺されると、彼らは神を尋ね求め、立ち返って、神を切に求めた。
078035 彼らは、神が自分たちの岩であり、いと高き神が自分たちを贖う方であることを思い出した。
078036 しかしまた彼らは、その口で神を欺き、その舌で神に偽りを言った。
078037 彼らの心は神に誠実でなく、神の契約にも忠実でなかった。
078038 しかし、あわれみ深い神は、彼らの咎を赦して、滅ぼさず、幾度も怒りを押さえ、憤りのすべてをかき立てられはしなかった。
078039 神は、彼らが肉にすぎず、吹き去れば、返って来ない風であることを心に留めてくださった。
078040 幾たび彼らは、荒野で神に逆らい、荒れ地で神を悲しませたことか。
078041 彼らはくり返して、神を試み、イスラエルの聖なる方を痛めた。
078042 彼らは神の力をも、神が敵から贖い出してくださった日をも、覚えてはいなかった。
078043 神が、エジプトでしるしを、ツォアンの野で奇蹟を行われたことを。
078044 神がそこの川を血に変わらせたので、その流れを飲むことができなかった。
078045 神は彼らに、あぶの群れを送って彼らを食わせ、かえるを送って彼らを滅ぼされた。
078046 また、彼らの作物を、油虫に、彼らの勤労の実を、いなごに与えられた。
078047 神は、雹で、彼らのぶどうの木を、いなずまで、彼らのいちじく桑の木を滅ぼされた。
078048 神は、彼らの家畜を、雹に、彼らの家畜の群れを、疫病に渡された。
078049 神は、彼らの上に、燃える怒りと激しい怒り、憤りと苦しみ、それに、わざわいの御使いの群れを送られた。
078050 神は御怒りのために道をならし、彼らのたましいに死を免れさせず、彼らのいのちを疫病に渡された。
078051 また、エジプトのすべての初子、ハムの天幕の彼らの力の初めの子らを打ち殺された。
078052 しかし神は、ご自分の民を、羊の群れのように連れ出し、家畜の群れのように荒野の中を連れて行かれた。
078053 彼らを安らかに導かれたので、彼らは恐れなかった。彼らの敵は、海が包んでしまった。
078054 こうして神は、ご自分の聖なる国、右の御手で造られたこの山に、彼らを連れて行かれた。
078055 神はまた、彼らの前から国々を追い出し、その地を相続地として彼らに分け与え、イスラエルの諸族をおのおのの天幕に住まわせた。
078056 それなのに、彼らはいと高き神を試み、神に逆らって、神のさとしを守らず、
078057 もとに戻って、彼らの先祖たちのように裏切りをし、たるんだ弓の矢のようにそれてしまった。
078058 また彼らは、高き所を築いて神の怒りを引き起こし、刻んだ像で、神のねたみを引き起こした。
078059 神は、聞いて激しく怒り、イスラエルを全く捨てられた。
078060 それで、シロの御住まい、人々の中にお建てになったその幕屋を見放し、
078061 御力をとりこに、御栄えを敵の手に、ゆだねられた。
078062 神はまた、御民を剣に渡し、ご自分のものである民に対して激しく怒られた。
078063 火はその若い男たちを食い尽くし、その若い女たちは婚姻の歌を歌わなかった。
078064 その祭司たちは剣に倒れ、やもめたちは泣き悲しむこともできなかった。
078065 そのとき主は眠りから目をさまされた。ぶどう酒に酔った勇士がさめたように。
078066 その敵を打ち退け、彼らに永遠のそしりを与えられた。
078067 それで、ヨセフの天幕を捨て、エフライム族をお選びにならず、
078068 ユダ族を選び、主が愛されたシオンの山を、選ばれた。
078069 主はその聖所を、高い天のように、ご自分が永遠に基を据えた堅い地のように、お建てになった。
078070 主はまた、しもべダビデを選び、羊のおりから彼を召し、
078071 乳を飲ませる雌羊の番から彼を連れて来て、御民ヤコブとご自分のものであるイスラエルを牧するようにされた。
078072 彼は、正しい心で彼らを牧し、英知の手で彼らを導いた。