詩篇

043001 神よ。私のためにさばいてください。私の訴えを取り上げ、神を恐れない民の言い分を退けてください。欺きと不正の人から私を助け出してください。
043002 あなたは私の力の神であられるからです。なぜあなたは私を拒まれたのですか。なぜ私は敵のしいたげに、嘆いて歩き回るのですか。
043003 どうか、あなたの光とまことを送り、私を導いてください。あなたの聖なる山、あなたのお住まいに向かってそれらが、私を連れて行きますように。
043004 こうして、私は神の祭壇、私の最も喜びとする神のみもとに行き、立琴に合わせて、あなたをほめたたえましょう。神よ。私の神よ。
043005 わがたましいよ。なぜ、おまえはうなだれているのか。なぜ、私の前で思い乱れているのか。神を待ち望め。私はなおも神をほめたたえる。私の顔の救い、私の神を。
044001 神よ。私たちはこの耳で、先祖たちが語ってくれたことを聞きました。あなたが昔、彼らの時代になさったみわざを。
044002 あなたは御手をもって、国々を追い払い、そこに彼らを植え、国民にわざわいを与え、そこに彼らを送り込まれました。
044003 彼らは、自分の剣によって地を得たのでもなく、自分の腕が彼らを救ったのでもありません。ただあなたの右の手、あなたの腕、あなたの御顔の光が、そうしたのです。あなたが彼らを愛されたからです。
044004 神よ。あなたこそ私の王です。ヤコブの勝利を命じてください。
044005 あなたによって私たちは、敵を押し返し、御名によって私たちに立ち向かう者どもを踏みつけましょう。
044006 私は私の弓にたよりません。私の剣も私を救いません。
044007 しかしあなたは、敵から私たちを救い、私たちを憎む者らをはずかしめなさいました。
044008 私たちはいつも神によって誇りました。また、あなたの御名をとこしえにほめたたえます。 セラ
044009 それなのに、あなたは私たちを拒み、卑しめました。あなたはもはや、私たちの軍勢とともに出陣なさいません。
044010 あなたは私たちを敵から退かせ、私たちを憎む者らは思うままにかすめ奪いました。
044011 あなたは私たちを食用の羊のようにし、国々の中に私たちを散らされました。
044012 あなたはご自分の民を安値で売り、その代価で何の得もなさいませんでした。
044013 あなたは私たちを、隣人のそしりとし、回りの者のあざけりとし、笑いぐさとされます。
044014 あなたは私たちを国々の中で物笑いの種とし、民の中で笑い者とされるのです。
044015 私の前には、一日中、はずかしめがあって、私の顔の恥が私をおおってしまいました。
044016 それはそしる者とののしる者の声のため、敵と復讐者のためでした。
044017 これらのことすべてが私たちを襲いました。しかし私たちはあなたを忘れませんでした。また、あなたの契約を無にしませんでした。
044018 私たちの心はたじろがず、私たちの歩みはあなたの道からそれませんでした。
044019 しかも、あなたはジャッカルの住む所で私たちを砕き、死の陰で私たちをおおわれたのです。
044020 もし、私たちが私たちの神の名を忘れ、ほかの神に私たちの手を差し伸ばしたなら、
044021 神はこれを探り出されないでしょうか。神は心の秘密を知っておられるからです。
044022 だが、あなたのために、私たちは一日中、殺されています。私たちは、ほふられる羊とみなされています。
044023 起きてください。主よ。なぜ眠っておられるのですか。目をさましてください。いつまでも拒まないでください。
044024 なぜ御顔をお隠しになるのですか。私たちの悩みとしいたげをお忘れになるのですか。
044025 私たちのたましいはちりに伏し、私たちの腹は地にへばりついています。
044026 立ち上がって私たちをお助けください。あなたの恵みのために私たちを贖い出してください。
045001 私の心はすばらしいことばでわき立っている。私は王に私の作ったものを語ろう。私の舌は巧みな書記の筆。
045002 あなたは人の子らにまさって麗しい。あなたのくちびるからは優しさが流れ出る。神がとこしえにあなたを祝福しておられるからだ。
045003 雄々しい方よ。あなたの剣を腰に帯びよ。あなたの尊厳と威光を。
045004 あなたの威光は、真理と柔和と義のために、勝利のうちに乗り進め。あなたの右の手は、恐ろしいことをあなたに教えよ。
045005 あなたの矢は鋭い。国々の民はあなたのもとに倒れ、王の敵は気を失う。
045006 神よ。あなたの王座は世々限りなく、あなたの王国の杖は公正の杖。
045007 あなたは義を愛し、悪を憎んだ。それゆえ、神よ。あなたの神は喜びの油をあなたのともがらにまして、あなたにそそがれた。
045008 あなたの着物はみな、没薬、アロエ、肉桂のかおりを放ち、象牙のやかたから聞こえる緒琴はあなたを喜ばせた。
045009 王たちの娘があなたの愛する女たちの中にいる。王妃はオフィルの金を身に着けて、あなたの右に立つ。
045010 娘よ。聞け。心して、耳を傾けよ。あなたの民と、あなたの父の家を忘れよ。
045011 そうすれば王は、あなたの美を慕おう。彼はあなたの夫であるから、彼の前にひれ伏せ。
045012 ツロの娘は贈り物を携えて来、民のうちの富んだ者はあなたの好意を求めよう。
045013 王の娘は奥にいて栄華を窮め、その衣には黄金が織り合わされている。
045014 彼女は綾織物を着て、王の前に導かれ、彼女に付き添うおとめらもあなたのもとに連れて来られよう。
045015 喜びと楽しみをもって彼らは導かれ、王の宮殿に入って行く。
045016 あなたの息子らがあなたの父祖に代わろう。あなたは彼らを全地の君主に任じよう。
045017 わたしはあなたの名を代々にわたって覚えさせよう。それゆえ、国々の民は世々限りなく、あなたをほめたたえよう。

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