歴代誌 第U

0401 さらに、青銅の祭壇を作った。その長さは二十キュビト、幅も二十キュビト、高さは十キュビトであった。
0402 それから、鋳物の海を作った。縁から縁まで十キュビト。円形で、その高さは五キュビト。その周囲は細なわで巻いて三十キュビトであった。
0403 その下に沿って、牛の型が回りを取り巻いていた。すなわち、一キュビトにつき十ずつの割りでその海の周囲を取り巻いていた。この牛は二段になっており、海を鋳たときに鋳込んだものである。
0404 これは、十二頭の牛の上に据えられていた。三頭は北を向き、三頭は西を向き、三頭は南を向き、三頭は東を向いていた。この海は、これらの牛の上に載せられており、牛の後部はすべて内側に向いていた。
0405 その海の厚さは一手幅あり、その縁は、杯の縁のようにゆりの花の形をしていた。その容量は三千バテであった。
0406 それから、洗盤を十個作り、五個を右側に、五個を左側に置いた。その中で洗うためである。全焼のいけにえに用いるものは、その中ですすぎ清めた。海は祭司たちがその中で身を洗うためのものであった。
0407 さらに、金の燭台十個を、規格どおりに作って、本堂の中に置き、五個を右側に、五個を左側に置いた。
0408 机を十個作り、本堂の中に置き、五個を右側に、五個を左側に置いた。それから、金の鉢を百個作った。
0409 さらに、祭司たちの庭と大庭およびその庭の戸を作り、その戸に青銅を着せた。
0410 海は右側、すなわち、東南の方角に置いた。
0411 さらに、フラムは灰つぼと十能と鉢を作った。こうして、フラムは神の宮のためにソロモン王が注文した仕事を完成した。
0412 すなわち、二本の柱と、二本の柱の頂にある丸い柱頭、および、柱の頂にある丸い二つの柱頭をおおう二つの格子網、
0413 また、二つの格子網に取りつけた四百のざくろ、すなわち、柱の先端にある丸い二つの柱頭をおおうそれぞれの格子網のための二段のざくろ。
0414 また、台を作り、またその台の上の洗盤を作り、
0415 一つの海と、その下の十二頭の牛、
0416 また、灰つぼと十能と肉刺し、およびそれらに属するすべての用具を、ソロモン王の注文により【主】の宮のために、彼の職人の長フラムがみがき上げた青銅で作った。
0417 王は、ヨルダンの低地、スコテとツェレダとの間の粘土層の地で、これらを鋳造した。
0418 こうして、ソロモンはこれらすべての用具を大量に作った。青銅の重さは量りきれなかった。
0419 ついで、ソロモンは神の宮にあるすべての用具を作った。すなわち、金の祭壇と供えのパンを載せる机、
0420 内堂の前で火をともすための燭台と、その上のともしび皿を規格どおりに純金で作った。
0421 さらに、金の花模様、ともしび皿、心切りばさみ。この金は混じりけのない純金であった。
0422 また、心取りばさみ、鉢、平皿、火皿を純金で作った。また、神殿の開き戸は、至聖所に通じるとびらも、本堂に通じる神殿のとびらも、金で作った。
0501 こうして、ソロモンが【主】の宮のためにしたすべての工事が完成した。そこで、ソロモンは父ダビデが聖別した物、すなわち、銀、金、各種の器具類を運び入れ、神の宮の宝物倉に納めた。
0502 そのとき、ソロモンはイスラエルの長老たち、およびイスラエル人の部族のかしらたちと一族の長たちをすべて、エルサレムに召集した。ダビデの町シオンから【主】の契約の箱を運び上るためであった。
0503 イスラエルのすべての人々は、 七の新月の祭りに王のもとに集まった。
0504 こうして、イスラエルの長老全員が到着したところで、レビ人たちは箱をにない、
0505 箱と会見の天幕と天幕にあったすべての聖なる用具とを運び上った。これらのものを祭司たち、レビ人たちが運び上った。
0506 ソロモン王と彼のところに集まったイスラエルの全会衆は、箱の前に行き、羊や牛の群れをいけにえとしてささげたが、その数があまりに多くて数えることも調べることもできなかった。
0507 それから、祭司たちは【主】の契約の箱を、定めの場所、すなわち神殿の内堂である至聖所のケルビムの翼の下に運び入れた。
0508 ケルビムは箱の所の上に翼を広げた。ケルビムは箱とそのかつぎ棒とを上からおおった。
0509 そのかつぎ棒は長かったので、棒の先が内堂の前の聖所から見えていたが、外からは見えなかった。それは、今日までそこにある。
0510 箱の中には、二枚の板のほかには何も入っていなかった。これは、イスラエル人がエジプトから出て来たとき、【主】が彼らと契約を結ばれたときに、モーセがホレブで入れたものである。
0511 祭司たちが聖所から出て来たとき、──列席したすべての祭司が各組の務めの順序にかかわらず身を聖別した。
0512 また、歌うたいであるレビ人全員も、すなわち、アサフもヘマンもエドトンも彼らの子らも彼らの兄弟たちも、白亜麻布を身にまとい、シンバル、十弦の琴および立琴を手にして、祭壇の東側に立ち、百二十人の祭司たちも彼らとともにいて、ラッパを吹き鳴らしていた──
0513 ラッパを吹き鳴らす者、歌うたいたちが、まるでひとりででもあるかのように一致して歌声を響かせ、【主】を賛美し、ほめたたえた。そして、ラッパとシンバルとさまざまの楽器をかなでて声をあげ、「主はまことにいつくしみ深い。その恵みはとこしえまで」と【主】に向かって賛美した。そのとき、その宮、すなわち【主】の宮は雲で満ちた。
0514 祭司たちは、その雲にさえぎられ、そこに立って仕えることができなかった。【主】の栄光が神の宮に満ちたからである。
0601 そのとき、ソロモンは言った。「【主】は、暗やみの中に住む、と仰せられました。
0602 そこでこの私があなたのお治めになる宮を建てました。あなたがとこしえにお住みになる所を。」
0603 それから王は振り向いて、イスラエルの全集団を祝福した。イスラエルの全集団は起立していた。
0604 彼は言った。「イスラエルの神、【主】はほむべきかな。主は御口をもって私の父ダビデに語り、御手をもってこれを成し遂げて言われた。
0605 『わたしの民を、エジプトの地から連れ出した日からこのかた、わたしはわたしの名を置く宮を建てるために、イスラエルの全部族のうちのどの町をも選ばず、また、わたしの民イスラエルの上に立つ君主とするためにどんな人も選ばず、
0606 ただ、エルサレムを選んでそこにわたしの名を置き、ダビデを選んでわたしの民イスラエルの上に立てた。』
0607 それで、私の父ダビデは、イスラエルの神、【主】の名のために宮を建てることを、いつも心がけていた。
0608 ところが、【主】は、私の父ダビデにこう仰せられた。『あなたは、わたしの名のために宮を建てることを心がけていたために、よくやった。あなたは確かに、そう心がけていた。
0609 しかし、あなたがその宮を建ててはならない。あなたの腰から出るあなたの子どもが、わたしの名のためにその宮を建てる。』
0610 【主】は、お告げになった約束を果たされたので、私は父ダビデに代わって立ち、【主】の約束どおりイスラエルの王座に着いた。そして、イスラエルの神、【主】の名のために、この宮を建て、
0611 主がイスラエル人と結ばれた【主】の契約が納められている箱をそこに置いた。」
0612 彼はイスラエルの全集団の前で、【主】の祭壇の前に立ち、両手を差し伸べた。
0613 ソロモンは、長さ五キュビト、幅五キュビト、高さ三キュビトの青銅の足台を作って、これを庭の中央に据えておいたが、その上に立って、イスラエルの全集団の前でひざまずき、両手を天に差し伸べて、
0614 言った。「イスラエルの神、【主】。天にも地にも、あなたのような神はほかにありません。あなたは、心を尽くして御前に歩むあなたのしもべたちに対し、契約と愛とを守られる方です。
0615 あなたは、約束されたことを、あなたのしもべ、私の父ダビデのために守られました。それゆえ、あなたは御口をもって語られました。また御手をもって、これを今日のように、成し遂げられました。
0616 今、イスラエルの神、【主】よ。あなたのしもべ、私の父ダビデに約束して、『あなたがわたしの前に歩んだように、あなたの子孫がその道を守り、わたしの律法に歩みさえするなら、あなたには、イスラエルの王座に着く者が、わたしの前から、絶えることはない』と仰せられたことを、ダビデのために守ってください。
0617 今、イスラエルの神、【主】よ。あなたのしもべダビデに約束されたみことばが堅く立てられますように。
0618 それにしても、神ははたして人間とともに地の上に住まわれるでしょうか。実に、天も、天の天も、あなたをお入れすることはできません。まして、私の建てたこの宮など、なおさらのことです。
0619 けれども、あなたのしもべの祈りと願いに御顔を向けてください。私の神、【主】よ。あなたのしもべが御前にささげる叫びと祈りを聞いてください。
0620 そして、この宮、すなわち、あなたが御名をそこに置くと仰せられたこの所に、昼も夜も御目を開いていてくださって、あなたのしもべがこの所に向かってささげる祈りを聞いてください。
0621 あなたのしもべとあなたの民イスラエルが、この所に向かってささげる願いを聞いてください。あなたご自身が、あなたのお住まいになる所、天からこれを聞いてください。聞いて、お赦しください。
0622 もし、ある人が隣人に罪を犯し、のろいの誓いを立てさせられることになって、この宮の中にあるあなたの祭壇の前に来て、誓うなら、
0623 あなたご自身が天からこれを聞き、あなたのしもべたちにさばきを行って、悪者にはその生き方への報いをその頭上に返し、正しい者にはその正しさにしたがって義を報いてください。
0624 また、もし、あなたの民イスラエルが、あなたに罪を犯したため、敵に打ち負かされるようなとき、立ち返って御名をほめたたえ、この宮で、御前に祈り願うなら、
0625 あなたご自身が天からこれを聞き、あなたの民イスラエルの罪を赦し、あなたが彼らとその先祖たちにお与えになった地に、彼らを帰らせてください。
0626 彼らがあなたに罪を犯したため、天が閉ざされ、雨が降らない場合、彼らがこの所に向かって祈り、御名をほめたたえ、あなたの懲らしめによって、彼らがその罪から立ち返るなら、
0627 あなたご自身が天でこれを聞き、あなたのしもべたち、あなたの民イスラエルの罪を赦し、彼らの歩むべき良い道を彼らに教え、あなたの民に相続地としてお与えになったあなたの地に、雨を降らせてください。
0628 もし、この地に、ききんが起こり、疫病や立ち枯れや、黒穂病、いなごや油虫が発生した場合、また、敵がこの地の町々を攻め囲んだ場合、どんなわざわい、どんな病気の場合にも、
0629 だれでも、あなたの民イスラエルがおのおの自分の疫病と痛みを思い知らされて、この宮に向かって両手を差し伸べて祈るとき、どのような祈り、願いも、
0630 あなたご自身が、あなたの御住まいの所である天から聞いて、赦し、ひとりひとりに、そのすべての生き方にしたがって報いてください。あなたはその心を知っておられます。あなただけが人の子らの心を知っておられるからです。
0631 それは、あなたが私たちの先祖に賜った地の上で彼らが生きながらえる間、いつも彼らがあなたを恐れて、あなたの道に歩むためです。
0632 また、あなたの民イスラエルの者でない外国人についても、彼があなたの大いなる御名と、力強い御手と、伸べられた腕のゆえに、遠方の地から来て、この宮に来て祈るとき、
0633 あなたご自身が、あなたの御住まいの所である天からこれを聞き、その外国人があなたに向かって願うことをすべてかなえてください。そうすれば、この地のすべての民が御名を知り、あなたの民イスラエルと同じように、あなたを恐れるようになり、私の建てたこの宮では、御名が呼び求められなくてはならないことを知るようになるでしょう。
0634 あなたの民が、敵に立ち向かい、あなたが遣わされる道に出て戦いに臨むとき、あなたの選ばれたこの町、私が御名のために建てた宮の方向に向かって、あなたに祈るなら、
0635 天から彼らの祈りと願いを聞いて、彼らの言い分を聞き入れてやってください。
0636 彼らがあなたに対して罪を犯したため──罪を犯さない人間はひとりもいないのですから──あなたが彼らに対して怒り、彼らを敵に渡し、彼らが、遠くの地、あるいは近くの地に、捕虜として捕らわれていった場合、
0637 彼らが捕らわれていった地で、みずから反省して悔い改め、その捕囚の地で、あなたに願い、『私たちは罪を犯しました。悪を行って、咎ある者となりました』と言って、
0638 捕らわれていった捕囚の地で、心を尽くし、精神を尽くして、あなたに立ち返り、あなたが彼らの先祖に与えられた彼らの地、あなたが選ばれたこの町、私が御名のために建てたこの宮のほうに向いて祈るなら、
0639 あなたの御住まいの所である天から、彼らの祈りと願いを聞き、彼らの言い分を聞き入れ、あなたに対して罪を犯したあなたの民をお赦しください。
0640 今、私の神よ。お願いします。どうか、この所でささげる祈りに目を開き、耳を傾けてください。
0641 そこで今、神、【主】よ。あなたもあなたの御力の箱も立ち上がって、休み所にお入りください。神、【主】よ。あなたの祭司たちの身に救いをまとわせてください。あなたの聖徒たちにいつくしみを喜ばせてください。
0642 神、【主】よ。あなたに油そそがれた者たちの顔を退けないでください。あなたのしもべダビデの忠実なわざの数々を思い起こしてください。」

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