2201 ヨシヤは八歳で王となり、エルサレムで三十一年間、王であった。彼の母の名はエディダといい、ボツカテの出のアダヤの娘であった。
2202 彼は【主】の目にかなうことを行って、先祖ダビデのすべての道に歩み、右にも左にもそれなかった。
2203 ヨシヤ王の 十八年に、王はメシュラムの子アツァルヤの子である書記シャファンを【主】の宮に遣わして言った。
2204 「大祭司ヒルキヤのもとに上って行き、【主】の宮に納められた金、すなわち、入口を守る者たちが民から集めたものを彼に計算させ、
2205 それを【主】の宮で工事している監督者たちの手に渡しなさい。それを【主】の宮で工事している者たちに渡し、宮の破損の修理をさせなさい。
2206 木工、建築師、石工に渡し、また宮の修理のための木材や切り石を買わせなさい。
2207 ただし、彼らの手に渡した金を彼らといっしょに勘定してはならない。彼らは忠実に働いているからである。」
2208 そのとき、大祭司ヒルキヤは書記シャファンに、「私は【主】の宮で律法の書を見つけました」と言って、その書物をシャファンに渡したので、彼はそれを読んだ。
2209 書記シャファンは王のもとに行って、王に報告して言った。「しもべたちは、宮にあった金を箱からあけて、これを【主】の宮で工事している監督者たちの手に渡しました。」
2210 ついで、書記シャファンは王に告げて、言った。「祭司ヒルキヤが私に一つの書物を渡してくれました。」そして、シャファンは王の前でそれを読み上げた。
2211 王は律法の書のことばを聞いたとき、自分の衣を裂いた。
2212 王は祭司ヒルキヤ、シャファンの子アヒカム、ミカヤの子アクボル、書記シャファン、王の家来アサヤに命じて言った。
2213 「行って、この見つかった書物のことばについて、私のため、民のため、ユダ全体のために、【主】のみこころを求めなさい。私たちの先祖が、この書物のことばに聞き従わず、すべて私たちについてしるされているとおりに行わなかったため、私たちに向かって燃え上がった【主】の憤りは激しいから。」
2214 そこで、祭司ヒルキヤ、アヒカム、アクボル、シャファン、アサヤは、女預言者フルダのもとに行った。彼女は、ハルハスの子ティクワの子、装束係シャルムの妻で、エルサレムの 二区に住んでいた。彼らが彼女に伝えると、
2215 彼女は彼らに答えた。「イスラエルの神、【主】は、こう仰せられます。『あなたがたをわたしのもとに遣わした人に告げよ。
2216 【主】はこう仰せられる。見よ。わたしは、この場所とその住民の上にわざわいをもたらす。ユダの王が読み上げた書物のすべてのことばを成就する。
2217 彼らはわたしを捨て、ほかの神々に香をたき、彼らのすべての手のわざで、わたしの怒りを引き起こすようにした。わたしの憤りはこの場所に燃え上がり、消えることがない。』
2218 【主】のみこころを求めるために、あなたがたを遣わしたユダの王には、こう言わなければなりません。『あなたが聞いたことばについて、イスラエルの神、【主】は、こう仰せられます。
2219 あなたが、この場所とその住民について、これは恐怖となり、のろいとなると、わたしが言ったのを聞いたとき、あなたは心を痛め、【主】の前にへりくだり、自分の衣を裂き、わたしの前で泣いたので、わたしもまた、あなたの願いを聞き入れる。──【主】の御告げです──
2220 それゆえ、見よ、わたしは、あなたを先祖たちのもとに集めよう。あなたは安らかに自分の墓に集められる。それで、あなたは自分の目で、わたしがこの場所にもたらすすべてのわざわいを見ることがない。』」彼らはそれを王に報告した。
2301 すると、王は使者を遣わして、ユダとエルサレムの長老をひとり残らず彼のところに集めた。
2302 王は【主】の宮へ上って行った。ユダのすべての人、エルサレムの住民のすべて、祭司と預言者、および、下の者も上の者も、すべての民が彼とともに行った。そこで彼は、【主】の宮で発見された契約の書のことばをみな、彼らに読み聞かせた。
2303 それから、王は柱のわきに立ち、【主】の前に契約を結び、【主】に従って歩み、心を尽くし、精神を尽くして、主の命令と、あかしと、おきてを守り、この書物にしるされているこの契約のことばを実行することを誓った。民もみな、この契約に加わった。
2304 それから、王は大祭司ヒルキヤと次席祭司たち、および、入口を守る者たちに命じて、バアルやアシェラや天の万象のために作られた器物をことごとく【主】の本堂から運び出させ、エルサレムの郊外、キデロンの野でそれを焼き、その灰をベテルへ持って行った。
2305 彼はまた、ユダの王たちが任命して、ユダの町々やエルサレム周辺の高き所で香をたかせた、偶像に仕える祭司たちを、また、バアルや太陽や月や星座や天の万象に香をたく者どもを取り除いた。
2306 彼は、アシェラ像を【主】の宮から、エルサレムの郊外、キデロン川に運び出し、それをキデロン川で焼いた。彼はそれを粉々に砕いて灰にし、その灰を共同墓地にまき散らした。
2307 さらに、彼は【主】の宮の中にあった神殿男娼の家をこわした。そこでは、女たちがアシェラ像のための蔽いを織っていたからである。
2308 彼はユダの町々から祭司たちを全部連れて来て、ゲバからベエル・シェバに至るまでの、祭司たちが香をたいていた高き所を汚し、門にあった高き所をこわした。それは町のつかさヨシュアの門の入口にあり、町の門に入る人の左側にあった。
2309 高き所の祭司たちは、エルサレムの【主】の祭壇に上ることはできなかったが、その同輩たちの間で種を入れないパンを食べた。
2310 彼は、ベン・ヒノムの谷にあるトフェテを汚し、だれも自分の息子や娘に火の中をくぐらせて、モレクにささげることのないようにした。
2311 ついで、ユダの王たちが太陽に献納した馬を、前庭にある宦官ネタン・メレクの部屋のそばの【主】の宮の入口から取り除き、太陽の車を火で焼いた。
2312 王は、ユダの王たちがアハズの屋上の部屋の上に造った祭壇と、マナセが【主】の宮の二つの庭に造った祭壇を取りこわし、そこから走っていって、そして、その灰をキデロン川に投げ捨てた。
2313 王は、イスラエルの王ソロモンがシドン人の、忌むべき、アシュタロテ、モアブの、忌むべきケモシュ、アモン人の、忌みきらうべきミルコムのためにエルサレムの東、破壊の山の南に築いた高き所を汚した。
2314 また、石の柱を打ち砕き、アシェラ像を切り倒し、その場所を人の骨で満たした。
2315 なお彼は、ベテルにある祭壇と、イスラエルに罪を犯させたネバテの子ヤロブアムの造った高き所、すなわち、その祭壇も高き所もこわした。高き所を焼き、粉々に砕いて灰にし、アシェラ像を焼いた。
2316 ヨシヤが向き直ると、山の中に墓があるのが見えた。そこで彼は人をやってその墓から骨を取り出し、それを祭壇の上で焼き、祭壇を汚れたものとした。かつて、神の人がこのことを預言して呼ばわった【主】のことばのとおりであった。
2317 彼は言った。「あそこに見える石碑は何か。」すると、町の人々は彼に答えた。「ユダから出て来て、あなたがベテルの祭壇に対してされた、あのことを預言した神の人の墓です。」
2318 王は言った。「そのままにしておきなさい。だれも彼の骨を移してはならない。」それで人々は彼の骨を、サマリヤから出て来たあの預言者の骨といっしょにそのままにしておいた。
2319 なお、ヨシヤはイスラエルの王たちが造って主の怒りを引き起こした、サマリヤの町々の高き所の宮をすべて取り除き、彼がベテルでしたと全く同じように、それらに対してもした。
2320 それから、彼は、そこにいた高き所の祭司たちをみな、祭壇の上でほふり、その祭壇の上で人間の骨を焼いた。こうして、彼はエルサレムに帰った。
2321 王は民全体に命じて言った。「この契約の書にしるされているとおりに、あなたがたの神、【主】に、過越のいけにえをささげなさい。」
2322 事実、さばきつかさたちがイスラエルをさばいた時代からこのかた、イスラエルの王たちとユダの王たちのどの時代にも、このような過越のいけにえがささげられたことはなかった。
2323 ただ、ヨシヤ王の 十八年に、エルサレムでこの過越のいけにえが【主】にささげられただけであった。
2324 さらにヨシヤは、霊媒、口寄せ、テラフィム、偶像、それに、ユダの地とエルサレムに見られるすべての忌むべき物も除き去った。これは、祭司ヒルキヤが【主】の宮で見つけた書物にしるされている律法のことばを実行するためであった。
2325 ヨシヤのように心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くしてモーセのすべての律法に従って、【主】に立ち返った王は、彼の先にはいなかった。彼の後にも彼のような者は、ひとりも起こらなかった。
2326 それにもかかわらず、マナセが主の怒りを引き起こしたあのいらだたしい行いのために、【主】はユダに向けて燃やされた激しい怒りを静めようとはされなかった。
2327 【主】は仰せられた。「わたしがイスラエルを移したと同じように、ユダもまた、わたしの前から移す。わたしが選んだこの町エルサレムも、わたしの名を置く、と言ったこの宮も、わたしは退ける。」
2328 ヨシヤのその他の業績、彼の行ったすべての事、それはユダの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
2329 彼の時代に、エジプトの王パロ・ネコが、アッシリヤの王のもとに行こうとユーフラテス川のほうに上って来た。そこで、ヨシヤ王は彼を迎え撃ちに行ったが、パロ・ネコは彼を見つけてメギドで殺した。
2330 ヨシヤの家来たちは、彼の死体を戦車にのせ、メギドからエルサレムに運んで来て、彼の墓に葬った。この国の民は、ヨシヤの子エホアハズを選んで、彼に油をそそぎ、彼の父に代えて、彼を王とした。
2331 エホアハズは二十三歳で王となり、エルサレムで三か月間、王であった。彼の母の名はハムタルといい、リブナの出のエレミヤの娘であった。
2332 彼は、その先祖たちがしたように、【主】の目の前に悪を行った。
2333 パロ・ネコは、彼をエルサレムで王であったときに、ハマテの地リブラに幽閉し、この国に銀百タラントと金一タラントの科料を課した。
2334 ついで、パロ・ネコは、ヨシヤの子エルヤキムをその父ヨシヤに代えて王とし、その名をエホヤキムと改めさせた。エホアハズは捕らえられて、エジプトに来て、そこで死んだ。
2335 エホヤキムは銀と金をパロに贈ったが、パロの要求するだけの銀を与えるためには、この国に税を課さなければならなかった。彼は、パロ・ネコに贈るために、ひとりひとりに割り当てて、銀と金をこの国の人々から取り立てた。
2336 エホヤキムは二十五歳で王となり、エルサレムで十一年間、王であった。彼の母の名はゼブダといい、ルマの出のペダヤの娘であった。
2337 彼は、その先祖たちがしたとおり、【主】の目の前に悪を行った。
2401 エホヤキムの時代に、バビロンの王ネブカデネザルが攻め上って来た。エホヤキムは三年間彼のしもべとなったが、その後、再び彼に反逆した。
2402 そこで【主】は、カルデヤ人の略奪隊、アラムの略奪隊、モアブの略奪隊、アモン人の略奪隊を遣わしてエホヤキムを攻められた。ユダを攻めて、これを滅ぼすために彼らを遣わされた。【主】がそのしもべである預言者たちによって告げられたことばのとおりであった。
2403 ユダを主の前から除くということは、実に【主】の命令によることであって、それは、マナセが犯したすべての罪のためであり、
2404 また、マナセが流した罪のない者の血のためであった。マナセはエルサレムを罪のない者の血で満たした。そのため【主】はその罪を赦そうとはされなかった。
2405 エホヤキムのその他の業績、彼の行ったすべての事、それはユダの王たちの年代記の書にしるされているではないか。
2406 エホヤキムは彼の先祖たちとともに眠り、その子エホヤキンが代わって王となった。
2407 エジプトの王は自分の国から再び出て来ることがなかった。バビロンの王が、エジプト川からユーフラテス川に至るまで、エジプトの王に属していた全領土を占領していたからである。
2408 エホヤキンは十八歳で王となり、エルサレムで三か月間、王であった。彼の母の名はネフシュタといい、エルサレムの出のエルナタンの娘であった。
2409 彼は、すべて先祖たちがしたとおり、【主】の目の前に悪を行った。
2410 そのころ、バビロンの王ネブカデネザルの家来たちがエルサレムに攻め上り、町は包囲された。
2411 バビロンの王ネブカデネザルが町にやって来たときに、家来たちは町を包囲していた。
2412 ユダの王エホヤキンは、その母や、家来たちや、高官たち、宦官たちといっしょにバビロンの王に降伏したので、バビロンの王は彼を捕虜にした。これはネブカデネザルの治世の 八年であった。
2413 彼は【主】の宮の財宝と王宮の財宝をことごとく運び出し、イスラエルの王ソロモンが造った【主】の本堂の中のすべての金の用具を断ち切った。【主】の告げられたとおりであった。
2414 彼はエルサレムのすべて、つまり、すべての高官、すべての有力者一万人、それに職人や、鍛冶屋もみな、捕囚として捕らえ移した。貧しい民衆のほかは残されなかった。
2415 彼はさらに、エホヤキンをバビロンへ引いて行き、王の母、王の妻たち、その宦官たち、この国のおもだった人々を、捕囚としてエルサレムからバビロンへ連れて行った。
2416 バビロンの王は、すべての兵士七千人、職人と鍛冶屋千人、勇敢な戦士を、すべて、捕囚としてバビロンへ連れて行った。
2417 バビロンの王は、エホヤキンのおじマタヌヤをエホヤキンの代わりに王とし、その名をゼデキヤと改めさせた。
2418 ゼデキヤは二十一歳で王となり、エルサレムで十一年間、王であった。彼の母の名はハムタルといい、リブナの出のエレミヤの娘であった。
2419 彼は、すべてエホヤキムがしたように、【主】の目の前に悪を行った。
2420 エルサレムとユダにこのようなことが起こったのは、【主】の怒りによるもので、ついに主は彼らを御前から投げ捨てられたのである。その後、ゼデキヤはバビロンの王に反逆した。