0401 ところが、相続人というものは、全財産の持ち主なのに、子どものうちは、奴隷と少しも違わず、
0402 父の定めた日までは、後見人や管理者の下にあります。
0403 私たちもそれと同じで、まだ小さかった時には、この世の幼稚な教えの下に奴隷となっていました。
0404 しかし定めの時が来たので、神はご自分の御子を遣わし、この方を、女から生まれた者、また律法の下にある者となさいました。
0405 これは律法の下にある者を贖い出すためで、その結果、私たちが子としての身分を受けるようになるためです。
0406 そして、あなたがたは子であるゆえに、神は「アバ、父」と呼ぶ、御子の御霊を、私たちの心に遣わしてくださいました。
0407 ですから、あなたはもはや奴隷ではなく、子です。子ならば、神による相続人です。
0408 しかし、神を知らなかった当時、あなたがたは本来は神でない神々の奴隷でした。
0409 ところが、今では神を知っているのに、いや、むしろ神に知られているのに、どうしてあの無力、無価値の幼稚な教えに逆戻りして、再び新たにその奴隷になろうとするのですか。
0410 あなたがたは、各種の日と月と季節と年とを守っています。
0411 あなたがたのために私の労したことは、むだだったのではないか、と私はあなたがたのことを案じています。
0412 お願いです。兄弟たち。私のようになってください。私もあなたがたのようになったのですから。あなたがたは私に何一つ悪いことをしていません。
0413 ご承知のとおり、私が最初あなたがたに福音を伝えたのは、私の肉体が弱かったためでした。
0414 そして私の肉体には、あなたがたにとって試練となるものがあったのに、あなたがたは軽蔑したり、きらったりしないで、かえって神の御使いのように、またキリスト・イエスご自身であるかのように、私を迎えてくれました。
0415 それなのに、あなたがたのあの喜びは、今どこにあるのですか。私はあなたがたのためにあかししますが、あなたがたは、もしできれば自分の目をえぐり出して私に与えたいとさえ思ったではありませんか。
0416 それでは、私は、あなたがたに真理を語ったために、あなたがたの敵になったのでしょうか。
0417 あなたがたに対するあの人々の熱心は正しいものではありません。彼らはあなたがたを自分たちに熱心にならせようとして、あなたがたを福音の恵みから締め出そうとしているのです。
0418 良いことで熱心に慕われるのは、いつであっても良いものです。それは私があなたがたといっしょにいるときだけではありません。
0419 私の子どもたちよ。あなたがたのうちにキリストが形造られるまで、私は再びあなたがたのために産みの苦しみをしています。
0420 それで、今あなたがたといっしょにいることができたら、そしてこんな語調でなく話せたらと思います。あなたがたのことをどうしたらよいかと困っているのです。
0421 律法の下にいたいと思う人たちは、私に答えてください。あなたがたは律法の言うことを聞かないのですか。
0422 そこには、アブラハムにふたりの子があって、ひとりは女奴隷から、ひとりは自由の女から生まれた、と書かれています。
0423 女奴隷の子は肉によって生まれ、自由の女の子は約束によって生まれたのです。
0424 このことには比喩があります。この女たちは二つの契約です。一つはシナイ山から出ており、奴隷となる子を産みます。その女はハガルです。
0425 このハガルは、アラビヤにあるシナイ山のことで、今のエルサレムに当たります。なぜなら、彼女はその子どもたちとともに奴隷だからです。
0426 しかし、上にあるエルサレムは自由であり、私たちの母です。
0427 すなわち、こう書いてあります。「喜べ。子を産まない不妊の女よ。声をあげて呼ばわれ。産みの苦しみを知らない女よ。夫に捨てられた女の産む子どもは、夫のある女の産む子どもよりも多い。」
0428 兄弟たちよ。あなたがたはイサクのように約束の子どもです。
0429 しかし、かつて肉によって生まれた者が、御霊によって生まれた者を迫害したように、今もそのとおりです。
0430 しかし、聖書は何と言っていますか。「奴隷の女とその子どもを追い出せ。奴隷の女の子どもは決して自由の女の子どもとともに相続人になってはならない。」
0431 こういうわけで、兄弟たちよ。私たちは奴隷の女の子どもではなく、自由の女の子どもです。
0501 キリストは、自由を得させるために、私たちを解放してくださいました。ですから、あなたがたは、しっかり立って、またと奴隷のくびきを負わせられないようにしなさい。
0502 よく聞いてください。このパウロがあなたがたに言います。もし、あなたがたが割礼を受けるなら、キリストは、あなたがたにとって、何の益もないのです。
0503 割礼を受けるすべての人に、私は再びあかしします。その人は律法の全体を行う義務があります。
0504 律法によって義と認められようとしているあなたがたは、キリストから離れ、恵みから落ちてしまったのです。
0505 私たちは、信仰により、御霊によって、義をいただく望みを熱心に抱いているのです。
0506 キリスト・イエスにあっては、割礼を受ける受けないは大事なことではなく、愛によって働く信仰だけが大事なのです。
0507 あなたがたはよく走っていたのに、だれがあなたがたを妨げて、真理に従わなくさせたのですか。
0508 そのような勧めは、あなたがたを召してくださった方から出たものではありません。
0509 わずかのパン種が、こねた粉の全体を発酵させるのです。
0510 私は主にあって、あなたがたが少しも違った考えを持っていないと確信しています。しかし、あなたがたをかき乱す者は、だれであろうと、さばきを受けるのです。
0511 兄弟たち。もし私が今でも割礼を宣べ伝えているなら、どうして今なお迫害を受けることがありましょう。それなら、十字架のつまずきは取り除かれているはずです。
0512 あなたがたをかき乱す者どもは、いっそのこと切り取ってしまうほうがよいのです。
0513 兄弟たち。あなたがたは、自由を与えられるために召されたのです。ただ、その自由を肉の働く機会としないで、愛をもって互いに仕えなさい。
0514 律法の全体は、「あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ」という一語をもって全うされるのです。
0515 もし互いにかみ合ったり、食い合ったりしているなら、お互いの間で滅ぼされてしまいます。気をつけなさい。
0516 私は言います。御霊によって歩みなさい。そうすれば、決して肉の欲望を満足させるようなことはありません。
0517 なぜなら、肉の願うことは御霊に逆らい、御霊は肉に逆らうからです。この二つは互いに対立していて、そのためあなたがたは、自分のしたいと思うことをすることができないのです。
0518 しかし、御霊によって導かれるなら、あなたがたは律法の下にはいません。
0519 肉の行いは明白であって、次のようなものです。不品行、汚れ、好色、
0520 偶像礼拝、魔術、敵意、争い、そねみ、憤り、党派心、分裂、分派、
0521 ねたみ、酩酊、遊興、そういった類のものです。前にもあらかじめ言ったように、私は今もあなたがたにあらかじめ言っておきます。こんなことをしている者たちが神の国を相続することはありません。
0522 しかし、御霊の実は、愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、
0523 柔和、自制です。このようなものを禁ずる律法はありません。
0524 キリスト・イエスにつく者は、自分の肉を、さまざまの情欲や欲望とともに、十字架につけてしまったのです。
0525 もし私たちが御霊によって生きるのなら、御霊に導かれて、進もうではありませんか。
0526 互いにいどみ合ったり、そねみ合ったりして、虚栄に走ることのないようにしましょう。
0601 兄弟たちよ。もしだれかがあやまちに陥ったなら、御霊の人であるあなたがたは、柔和な心でその人を正してあげなさい。また、自分自身も誘惑に陥らないように気をつけなさい。
0602 互いの重荷を負い合い、そのようにしてキリストの律法を全うしなさい。
0603 だれでも、りっぱでもない自分を何かりっぱでもあるかのように思うなら、自分を欺いているのです。
0604 おのおの自分の行いをよく調べてみなさい。そうすれば、誇れると思ったことも、ただ自分だけの誇りで、ほかの人に対して誇れることではないでしょう。
0605 人にはおのおの、負うべき自分自身の重荷があるのです。
0606 みことばを教えられる人は、教える人とすべての良いものを分け合いなさい。
0607 思い違いをしてはいけません。神は侮られるような方ではありません。人は種を蒔けば、その刈り取りもすることになります。
0608 自分の肉のために蒔く者は、肉から滅びを刈り取り、御霊のために蒔く者は、御霊から永遠のいのちを刈り取るのです。
0609 善を行うのに飽いてはいけません。失望せずにいれば、時期が来て、刈り取ることになります。
0610 ですから、私たちは、機会のあるたびに、すべての人に対して、特に信仰の家族の人たちに善を行いましょう。
0611 ご覧のとおり、私は今こんなに大きな字で、自分のこの手であなたがたに書いています。
0612 あなたがたに割礼を強制する人たちは、肉において外見を良くしたい人たちです。彼らはただ、キリストの十字架のために迫害を受けたくないだけなのです。
0613 なぜなら、割礼を受けた人たちは、自分自身が律法を守っていません。それなのに彼らがあなたがたに割礼を受けさせようとするのは、あなたがたの肉を誇りたいためなのです。
0614 しかし私には、私たちの主イエス・キリストの十字架以外に誇りとするものが決してあってはなりません。この十字架によって、世界は私に対して十字架につけられ、私も世界に対して十字架につけられたのです。
0615 割礼を受けているか受けていないかは、大事なことではありません。大事なのは新しい創造です。
0616 どうか、この基準に従って進む人々、すなわち神のイスラエルの上に、平安とあわれみがありますように。
0617 これからは、だれも私を煩わさないようにしてください。私は、この身に、イエスの焼き印を帯びているのですから。
0618 どうか、私たちの主イエス・キリストの恵みが、兄弟たちよ、あなたがたの霊とともにありますように。アーメン。