0101 私たちの救い主なる神と私たちの望みなるキリスト・イエスとの命令による、キリスト・イエスの使徒パウロから、
0102 信仰による真実のわが子テモテへ。父なる神と私たちの主なるキリスト・イエスから、恵みとあわれみと平安とがありますように。
0103 私がマケドニヤに出発するとき、あなたにお願いしたように、あなたは、エペソにずっととどまっていて、ある人たちが違った教えを説いたり、
0104 果てしのない空想話と系図とに心を奪われたりしないように命じてください。そのようなものは、論議を引き起こすだけで、信仰による神の救いのご計画の実現をもたらすものではありません。
0105 この命令は、きよい心と正しい良心と偽りのない信仰とから出て来る愛を、目標としています。
0106 ある人たちはこの目当てを見失い、わき道にそれて無益な議論に走り、
0107 律法の教師でありたいと望みながら、自分の言っていることも、また強く主張していることについても理解していません。
0108 しかし私たちは知っています。律法は、もし次のことを知っていて正しく用いるならば、良いものです。
0109 すなわち、律法は、正しい人のためにあるのではなく、律法を無視する不従順な者、不敬虔な罪人、汚らわしい俗物、父や母を殺す者、人を殺す者、
0110 不品行な者、男色をする者、人を誘拐する者、うそをつく者、偽証をする者などのため、またそのほか健全な教えにそむく事のためにあるのです。
0111 祝福に満ちた神の、栄光の福音によれば、こうなのであって、私はその福音をゆだねられたのです。
0112 私は、私を強くしてくださる私たちの主キリスト・イエスに感謝をささげています。なぜなら、キリストは、私をこの務めに任命して、私を忠実な者と認めてくださったからです。
0113 私は以前は、神をけがす者、迫害する者、暴力をふるう者でした。それでも、信じていないときに知らないでしたことなので、あわれみを受けたのです。
0114 私たちの主の、この恵みは、キリスト・イエスにある信仰と愛とともに、ますます満ちあふれるようになりました。
0115 「キリスト・イエスは、罪人を救うためにこの世に来られた」ということばは、まことであり、そのまま受け入れるに値するものです。私はその罪人のかしらです。
0116 しかし、そのような私があわれみを受けたのは、イエス・キリストが、今後彼を信じて永遠のいのちを得ようとしている人々の見本にしようと、まず私に対してこの上ない寛容を示してくださったからです。
0117 どうか、世々の王、すなわち、滅びることなく、目に見えない唯一の神に、誉れと栄えとが世々限りなくありますように。アーメン。
0118 私の子テモテよ。以前あなたについてなされた預言に従って、私はあなたにこの命令をゆだねます。それは、あなたがあの預言によって、信仰と正しい良心を保ち、勇敢に戦い抜くためです。
0119 ある人たちは、正しい良心を捨てて、信仰の破船に会いました。
0120 その中には、ヒメナオとアレキサンデルがいます。私は、彼らをサタンに引き渡しました。それは、神をけがしてはならないことを、彼らに学ばせるためです。
0201 そこで、まず初めに、このことを勧めます。すべての人のために、また王とすべての高い地位にある人たちのために願い、祈り、とりなし、感謝がささげられるようにしなさい。
0202 それは、私たちが敬虔に、また、威厳をもって、平安で静かな一生を過ごすためです。
0203 そうすることは、私たちの救い主である神の御前において良いことであり、喜ばれることなのです。
0204 神は、すべての人が救われて、真理を知るようになるのを望んでおられます。
0205 神は唯一です。また、神と人との間の仲介者も唯一であって、それは人としてのキリスト・イエスです。
0206 キリストは、すべての人の贖いの代価として、ご自身をお与えになりました。これが時至ってなされたあかしなのです。
0207 そのあかしのために、私は宣伝者また使徒に任じられ──私は真実を言っており、うそは言いません──信仰と真理を異邦人に教える教師とされました。
0208 ですから、私は願うのです。男は、怒ったり言い争ったりすることなく、どこででもきよい手を上げて祈るようにしなさい。
0209 同じように女も、つつましい身なりで、控えめに慎み深く身を飾り、はでな髪の形とか、金や真珠や高価な衣服によってではなく、
0210 むしろ、神を敬うと言っている女にふさわしく、良い行いを自分の飾りとしなさい。
0211 女は、静かにして、よく従う心をもって教えを受けなさい。
0212 私は、女が教えたり男を支配したりすることを許しません。ただ、静かにしていなさい。
0213 アダムが初めに造られ、次にエバが造られたからです。
0214 また、アダムは惑わされなかったが、女は惑わされてしまい、あやまちを犯しました。
0215 しかし、女が慎みをもって、信仰と愛と聖さとを保つなら、子を産むことによって救われます。
0301 「人がもし監督の職につきたいと思うなら、それはすばらしい仕事を求めることである」ということばは真実です。
0302 ですから、監督はこういう人でなければなりません。すなわち、非難されるところがなく、ひとりの妻の夫であり、自分を制し、慎み深く、品位があり、よくもてなし、教える能力があり、
0303 酒飲みでなく、暴力をふるわず、温和で、争わず、金銭に無欲で、
0304 自分の家庭をよく治め、十分な威厳をもって子どもを従わせている人です。
0305 ──自分自身の家庭を治めることを知らない人が、どうして神の教会の世話をすることができるでしょう──
0306 また、信者になったばかりの人であってはいけません。高慢になって、悪魔と同じさばきを受けることにならないためです。
0307 また、教会外の人々にも評判の良い人でなければいけません。そしりを受け、悪魔のわなに陥らないためです。
0308 執事もまたこういう人でなければなりません。謹厳で、二枚舌を使わず、大酒飲みでなく、不正な利をむさぼらず、
0309 きよい良心をもって信仰の奥義を保っている人です。
0310 まず審査を受けさせなさい。そして、非難される点がなければ、執事の職につかせなさい。
0311 婦人執事も、威厳があり、悪口を言わず、自分を制し、すべてに忠実な人でなければなりません。
0312 執事は、ひとりの妻の夫であって、子どもと家庭をよく治める人でなければなりません。
0313 というのは、執事の務めをりっぱに果たした人は、良い地歩を占め、また、キリスト・イエスを信じる信仰について強い確信を持つことができるからです。
0314 私は、近いうちにあなたのところに行きたいと思いながらも、この手紙を書いています。
0315 それは、たとい私がおそくなった場合でも、神の家でどのように行動すべきかを、あなたが知っておくためです。神の家とは生ける神の教会のことであり、その教会は、真理の柱また土台です。
0316 確かに偉大なのはこの敬虔の奥義です。「キリストは肉において現れ、霊において義と宣言され、御使いたちに見られ、諸国民の間に宣べ伝えられ、世界中で信じられ、栄光のうちに上げられた。」