1601 【主】はサムエルに仰せられた。「いつまであなたはサウルのことで悲しんでいるのか。わたしは彼をイスラエルの王位から退けている。角に油を満たして行け。あなたをベツレヘム人エッサイのところへ遣わす。わたしは彼の息子たちの中に、わたしのために、王を見つけたから。」
1602 サムエルは言った。「私はどうして行けましょう。サウルが聞いたら、私を殺すでしょう。」【主】は仰せられた。「あなたは群れのうちから一頭の雌の子牛を取り、『【主】にいけにえをささげに行く』と言え。
1603 いけにえをささげるときに、エッサイを招け。あなたのなすべきことを、このわたしが教えよう。あなたはわたしのために、わたしが言う人に油をそそげ。」
1604 サムエルは【主】が告げられたとおりにして、ベツレヘムへ行った。すると町の長老たちは恐れながら彼を迎えて言った。「平和なことでおいでになったのですか。」
1605 サムエルは答えた。「平和なことです。【主】にいけにえをささげるために来ました。私がいけにえをささげるとき、あなたがたは身を聖別して私といっしょに来なさい。」こうして、サムエルはエッサイとその子たちを聖別し、彼らを、いけにえをささげるために招いた。
1606 彼らが来たとき、サムエルはエリアブを見て、「確かに、【主】の前で油をそそがれる者だ」と思った。
1607 しかし【主】はサムエルに仰せられた。「彼の容貌や、背の高さを見てはならない。わたしは彼を退けている。人が見るようには見ないからだ。人はうわべを見るが、【主】は心を見る。」
1608 エッサイはアビナダブを呼んで、サムエルの前に進ませた。サムエルは、「この者もまた、【主】は選んでおられない」と言った。
1609 エッサイはシャマを進ませたが、サムエルは、「この者もまた、【主】は選んではおられない」と言った。
1610 こうしてエッサイは七人の息子をサムエルの前に進ませたが、サムエルはエッサイに言った。「【主】はこの者たちを選んではおられない。」
1611 サムエルはエッサイに言った。「子どもたちはこれで全部ですか。」エッサイは答えた。「まだ末の子が残っています。あれは今、羊の番をしています。」サムエルはエッサイに言った。「人をやって、その子を連れて来なさい。その子がここに来るまで、私たちは座に着かないから。」
1612 エッサイは人をやって、彼を連れて来させた。その子は血色の良い顔で、目が美しく、姿もりっぱだった。【主】は仰せられた。「さあ、この者に油をそそげ。この者がそれだ。」
1613 サムエルは油の角を取り、兄弟たちの真ん中で彼に油をそそいだ。【主】の霊がその日以来、ダビデの上に激しく下った。サムエルは立ち上がってラマへ帰った。
1614 【主】の霊はサウルを離れ、【主】からの、わざわいの霊が彼をおびえさせた。
1615 そこでサウルの家来たちは彼に言った。「ご覧ください。わざわいをもたらす、神の霊があなたをおびえさせているのです。
1616 わが君。どうか御前にはべるこの家来どもに命じて、じょうずに立琴をひく者を捜させてください。わざわいをもたらす、神の霊があなたに臨むとき、その者が琴をひけば、あなたは良くなられるでしょう。」
1617 そこでサウルは家来たちに言った。「どうか、私のためにじょうずなひき手を見つけて、私のところに連れて来てくれ。」
1618 すると、若者のひとりが答えて言った。「おります。私はベツレヘム人エッサイの息子を見たことがあります。琴がじょうずで勇士であり、戦士です。ことばには分別があり、体格も良い人です。【主】がこの人とともにおられます。」
1619 そこでサウルは使いをエッサイのところに遣わし、「羊の番をしているあなたの子ダビデを私のところによこしてください」と言わせた。
1620 それでエッサイは、ろば一頭分のパンと、ぶどう酒の皮袋一つ、子やぎ一匹を取り、息子ダビデに託して、これをサウルに送った。
1621 ダビデはサウルのもとに来て、彼に仕えた。サウルは彼を非常に愛し、ダビデはサウルの道具持ちとなった。
1622 サウルはエッサイのところに人をやり、「どうか、ダビデを私に仕えさせてください。私の気に入ったから」と言わせた。
1623 神の霊がサウルに臨むたびに、ダビデは立琴を手に取って、ひき、サウルは元気を回復して、良くなり、わざわいの霊は彼から離れた。
1701 ペリシテ人は戦いのために軍隊を召集した。彼らはユダのソコに集まり、ソコとアゼカとの間にあるエフェス・ダミムに陣を敷いた。
1702 サウルとイスラエル人は集まって、エラの谷に陣を敷き、ペリシテ人を迎え撃つため、戦いの備えをした。
1703 ペリシテ人は向こう側の山の上に、イスラエル人はこちら側の山の上に、谷を隔てて相対した。
1704 ときに、ペリシテ人の陣営から、ひとりの代表戦士が出て来た。その名はゴリヤテ、ガテの生まれで、その背の高さは六キュビト半。
1705 頭には青銅のかぶとをかぶり、身にはうろことじのよろいを着けていた。よろいの重さは青銅で五千シェケル。
1706 足には青銅のすね当て、背中には青銅の投げ槍。
1707 槍の柄は機織りの巻き棒のようであり、槍の穂先は、鉄で六百シェケル。盾持ちが彼の先を歩いていた。
1708 ゴリヤテは立って、イスラエル人の陣に向かって叫んで言った。「おまえらは、なぜ、並んで出て来たのか。おれはペリシテ人だし、おまえらはサウルの奴隷ではないのか。ひとりを選んで、おれのところによこせ。
1709 おれと勝負して勝ち、おれを打ち殺すなら、おれたちはおまえらの奴隷となる。もし、おれが勝って、そいつを殺せば、おまえらがおれたちの奴隷となり、おれたちに仕えるのだ。」
1710 そのペリシテ人はまた言った。「きょうこそ、イスラエルの陣をなぶってやる。ひとりをよこせ。ひとつ勝負をしよう。」
1711 サウルとイスラエルのすべては、このペリシテ人のことばを聞いたとき、意気消沈し、非常に恐れた。
1712 ダビデはユダのベツレヘムのエフラテ人でエッサイという名の人の息子であった。エッサイには八人の息子がいた。この人はサウルの時代には、年をとって老人になっていた。
1713 エッサイの上の三人の息子たちは、サウルに従って戦いに出て行った。戦いに行った三人の息子の名は、長男エリアブ、次男アビナダブ、三男シャマであった。
1714 ダビデは末っ子で、上の三人がサウルに従って出ていた。
1715 ダビデは、サウルのところへ行ったり、帰ったりしていた。ベツレヘムの父の羊を飼うためであった。
1716 例のペリシテ人は、四十日間、朝早くと夕暮れに出て来て姿を現した。
1717 エッサイは息子のダビデに言った。「さあ、兄さんたちのために、この炒り麦一エパと、このパン十個を取り、兄さんたちの陣営に急いで持って行きなさい。
1718 この十個のチーズは千人隊の長に届け、兄さんたちの安否を調べなさい。そしてしるしを持って来なさい。
1719 サウルと兄さんたち、それにイスラエルの人たちはみな、エラの谷でペリシテ人と戦っているのだから。」
1720 ダビデは翌朝早く、羊を番人に預け、エッサイが命じたとおりに、品物を持って出かけた。彼が野営地に来ると、軍勢はときの声をあげて、陣地に出るところであった。
1721 イスラエル人とペリシテ人とは、それぞれ向かい合って陣を敷いていた。
1722 ダビデは、その品物を武器を守る者に預け、陣地に走って行き、兄たちの安否を尋ねた。
1723 ダビデが兄たちと話していると、ちょうどその時、ガテのペリシテ人で、その名をゴリヤテという代表戦士が、ペリシテ人の陣地から上って来て、いつもと同じ文句をくり返した。ダビデはこれを聞いた。
1724 イスラエルの人はみな、この男を見たとき、その前を逃げて、非常に恐れた。
1725 イスラエルの人たちは言った。「あの上って来た男を見たか。イスラエルをなぶるために上って来たのだ。あれを殺す者がいれば、王はその者を大いに富ませ、その者に自分の娘を与え、その父の家にイスラエルでは何も義務を負わせないそうだ。」
1726 ダビデは、そばに立っている人たちに、こう言った。「このペリシテ人を打って、イスラエルのそしりをすすぐ者には、どうされるのですか。この割礼を受けていないペリシテ人は何者ですか。生ける神の陣をなぶるとは。」
1727 民は、先のことばのように、彼を殺した者には、このようにされる、と答えた。
1728 兄のエリアブは、ダビデが人々と話しているのを聞いた。エリアブはダビデに怒りを燃やして、言った。「いったいおまえはなぜやって来たのか。荒野にいるあのわずかな羊を、だれに預けて来たのか。私には、おまえのうぬぼれと悪い心がわかっている。戦いを見にやって来たのだろう。」
1729 ダビデは言った。「私が今、何をしたというのですか。一言も話してはいけないのですか。」
1730 ダビデはエリアブから、ほかの人のほうを振り向いて、同じことを尋ねた。すると民は、先ほどと同じ返事をした。
1731 ダビデが言ったことを人々が聞いて、それをサウルに知らせたので、サウルはダビデを呼び寄せた。
1732 ダビデはサウルに言った。「あの男のために、だれも気を落としてはなりません。このしもべが行って、あのペリシテ人と戦いましょう。」
1733 サウルはダビデに言った。「あなたは、あのペリシテ人のところへ行って、あれと戦うことはできない。あなたはまだ若いし、あれは若い時から戦士だったのだから。」
1734 ダビデはサウルに言った。「しもべは、父のために羊の群れを飼っています。獅子や、熊が来て、群れの羊を取って行くと、
1735 私はそのあとを追って出て、それを殺し、その口から羊を救い出します。それが私に襲いかかるときは、そのひげをつかんで打ち殺しています。
1736 このしもべは、獅子でも、熊でも打ち殺しました。あの割礼を受けていないペリシテ人も、これらの獣の一匹のようになるでしょう。生ける神の陣をなぶったのですから。」
1737 ついで、ダビデは言った。「獅子や、熊の爪から私を救い出してくださった【主】は、あのペリシテ人の手からも私を救い出してくださいます。」サウルはダビデに言った。「行きなさい。【主】があなたとともにおられるように。」
1738 サウルはダビデに自分のよろいかぶとを着させた。頭には青銅のかぶとをかぶらせ、身にはよろいを着けさせた。
1739 ダビデは、そのよろいの上に、サウルの剣を帯び、思い切って歩いてみた。慣れていなかったからである。それから、ダビデはサウルに言った。「こんなものを着けては、歩くこともできません。慣れていないからです。」ダビデはそれを脱ぎ、
1740 自分の杖を手に取り、川から五つのなめらかな石を選んできて、それを羊飼いの使う袋、投石袋に入れ、石投げを手にして、あのペリシテ人に近づいた。
1741 そのペリシテ人も盾持ちを先に立て、ダビデのほうにじりじりと進んで来た。
1742 ペリシテ人はあたりを見おろして、ダビデに目を留めたとき、彼をさげすんだ。ダビデが若くて、紅顔の美少年だったからである。
1743 ペリシテ人はダビデに言った。「おれは犬なのか。杖を持って向かって来るが。」ペリシテ人は自分の神々によってダビデをのろった。
1744 ペリシテ人はダビデに言った。「さあ、来い。おまえの肉を空の鳥や野の獣にくれてやろう。」
1745 ダビデはペリシテ人に言った。「おまえは、剣と、槍と、投げ槍を持って、私に向かって来るが、私は、おまえがなぶったイスラエルの戦陣の神、万軍の【主】の御名によって、おまえに立ち向かうのだ。
1746 きょう、【主】はおまえを私の手に渡される。私はおまえを打って、おまえの頭を胴体から離し、きょう、ペリシテ人の陣営のしかばねを、空の鳥、地の獣に与える。すべての国は、イスラエルに神がおられることを知るであろう。
1747 この全集団も、【主】が剣や槍を使わずに救うことを知るであろう。この戦いは【主】の戦いだ。主はおまえたちをわれわれの手に渡される。」
1748 そのペリシテ人は、立ち上がり、ダビデを迎え撃とうと近づいて来た。ダビデもすばやく戦場を走って行き、ペリシテ人に立ち向かった。
1749 ダビデは袋の中に手を差し入れ、石を一つ取り、石投げでそれを放ち、ペリシテ人の額を打った。石は額に食い込み、彼はうつぶせに倒れた。
1750 こうしてダビデは、石投げと一つの石で、このペリシテ人に勝った。ダビデの手には、一振りの剣もなかったが、このペリシテ人を打ち殺してしまった。
1751 ダビデは走って行って、このペリシテ人の上にまたがり、彼の剣を奪って、さやから抜き、とどめを刺して首をはねた。ペリシテ人たちは、彼らの勇士が死んだのを見て逃げた。
1752 イスラエルとユダの人々は立ち上がり、ときの声をあげて、ペリシテ人をガテに至るまで、エクロンの門まで追った。それでペリシテ人は、シャアライムからガテとエクロンに至る途上で刺し殺されて倒れた。
1753 イスラエル人はペリシテ人追撃から引き返して、ペリシテ人の陣営を略奪した。
1754 ダビデは、あのペリシテ人の首を取って、エルサレムに持ち帰った。武具は彼の天幕に置いた。
1755 サウルは、ダビデがあのペリシテ人に立ち向かって出て行くのを見たとき、将軍アブネルに言った。「アブネル。あの若者はだれの子だ。」アブネルは言った。「王さま。私はあなたに誓います。私は存じません。」
1756 すると王は命じた。「あなたは、あの少年がだれの子か尋ねなさい。」
1757 ダビデが、あのペリシテ人を打って帰って来たとき、アブネルは彼をサウルの前に連れて行った。ダビデはペリシテ人の首を手にしていた。
1758 サウルはダビデに言った。「若者。あなたはだれの子か。」ダビデは言った。「私は、あなたのしもべ、ベツレヘム人エッサイの子です。」
1801 ダビデがサウルと語り終えたとき、ヨナタンの心はダビデの心に結びついた。ヨナタンは、自分と同じほどにダビデを愛した。
1802 サウルはその日、ダビデを召しかかえ、父の家に帰らせなかった。
1803 ヨナタンは、自分と同じほどにダビデを愛したので、ダビデと契約を結んだ。
1804 ヨナタンは、着ていた上着を脱いで、それをダビデに与え、自分のよろいかぶと、さらに剣、弓、帯までも彼に与えた。
1805 ダビデは、どこでもサウルが遣わす所に出て行って、勝利を収めたので、サウルは彼を戦士たちの長とした。このことは、すべての民にも、サウルの家来たちにも喜ばれた。
1806 ダビデがあのペリシテ人を打って帰って来たとき、みなが戻ったが、女たちはイスラエルのすべての町々から出て来て、タンバリン、喜びの歌、三弦の琴をもって、歌い、喜び踊りながら、サウル王を迎えた。
1807 女たちは、笑いながら、くり返してこう歌った。「サウルは千を打ち、ダビデは万を打った。」
1808 サウルは、このことばを聞いて、非常に怒り、不満に思って言った。「ダビデには万を当て、私には千を当てた。彼にないのは王位だけだ。」
1809 その日以来、サウルはダビデを疑いの目で見るようになった。
1810 その翌日、わざわいをもたらす、神の霊がサウルに激しく下り、彼は家の中で狂いわめいた。ダビデは、いつものように、琴を手にしてひいたが、サウルの手には槍があった。
1811 サウルはその槍を投げつけた。ダビデを壁に突き刺してやろう、と思ったからである。しかしダビデは二度も身をかわした。
1812 サウルはダビデを恐れた。【主】はダビデとともにおられ、サウルのところから去られたからである。
1813 それでサウルはダビデを自分のもとから離し、彼を千人隊の長にした。ダビデは民の先に立って行動していた。
1814 ダビデはその行く所、どこででも勝利を収めた。【主】が彼とともにおられた。
1815 ダビデが大勝利を収めるのを見て、サウルは彼を恐れた。
1816 イスラエルとユダの人々はみな、ダビデを愛した。彼が彼らの先に立って行動していたからである。
1817 あるとき、サウルはダビデに言った。「これは、私の上の娘メラブだ。これをあなたの妻として与えよう。ただ、私のために勇敢にふるまい、【主】の戦いを戦ってくれ。」サウルは、自分の手を下さないで、ペリシテ人の手を彼に下そう、と思ったのである。
1818 ダビデはサウルに言った。「私は何者なのでしょう。私の家族、私の父の氏族もイスラエルでは何者なのでしょう。私が王の婿になるなどとは。」
1819 ところが、サウルの娘メラブをダビデに与える、という時になって、彼女はメホラ人のアデリエルに妻として与えられた。
1820 サウルの娘ミカルはダビデを愛していた。そのことがサウルに知らされたとき、サウルはそれはちょうどよいと思った。
1821 サウルは、「ミカルを彼にやろう。ミカルは彼にとって落とし穴となり、ペリシテ人の手が彼に下るだろう」と思った。そこでサウルはもう一度ダビデに言った。「きょう、あなたは私の婿になるのだ。」
1822 そしてサウルは家来たちに命じた。「ダビデにひそかにこう告げなさい。『聞いてください。王はあなたが気に入り、家来たちもみな、あなたを愛しています。今、王の婿になってください。』」
1823 それでサウルの家来たちは、このことばをダビデの耳に入れた。するとダビデは言った。「王の婿になるのがたやすいことだと思っているのか。私は貧しく、身分の低い者だ。」
1824 サウルの家来たちは、ダビデがこのように言っています、と言ってサウルに報告した。
1825 それでサウルは言った。「ダビデにこう言うがよい。王は花嫁料を望んではいない。ただ王の敵に復讐するため、ペリシテ人の陽の皮百だけを望んでいる、と。」サウルは、ダビデをペリシテ人の手で倒そうと考えていた。
1826 サウルの家来たちが、このことばをダビデに告げると、ダビデは、王の婿になるために、それはちょうどよいと思った。そこで、期限が過ぎる前に、
1827 ダビデは立って、彼と部下とで、出て行き、ペリシテ人二百人を打ち殺し、その陽の皮を持ち帰り、王の婿になるためのことを、王に果たした。そこでサウルは娘ミカルを妻としてダビデに与えた。
1828 こうして、サウルは、【主】がダビデとともにおられ、サウルの娘ミカルがダビデを愛していることを見、また、知った。
1829 それでサウルは、ますますダビデを恐れた。サウルはいつまでもダビデの敵となった。
1830 ペリシテ人の首長たちが出て来るときは、そのたびごとに、ダビデはサウルの家来たちのすべてにまさる戦果をあげた。それで彼の名は非常に尊ばれた。