0101 さて、ヨシュアの死後、イスラエル人は【主】に伺って言った。「だれが私たちのために最初に上って行って、カナン人と戦わなければならないでしょうか。」
0102 すると、【主】は仰せられた。「ユダが上って行かなければならない。見よ。わたしは、その地を彼の手に渡した。」
0103 そこで、ユダは自分の兄弟シメオンに言った。「私に割り当てられた地に私といっしょに上ってください。カナン人と戦うのです。私も、あなたに割り当てられた地にあなたといっしょに行きます。」そこでシメオンは彼といっしょに行った。
0104 ユダが上って行ったとき、【主】はカナン人とペリジ人を彼らの手に渡されたので、彼らはベゼクで一万人を打った。
0105 彼らはベゼクでアドニ・ベゼクに出会ったとき、彼と戦ってカナン人とペリジ人を打った。
0106 ところが、アドニ・ベゼクが逃げたので、彼らはあとを追って彼を捕らえ、その手足の親指を切り取った。
0107 すると、アドニ・ベゼクは言った。「私の食卓の下で、手足の親指を切り取られた七十人の王たちが、パンくずを集めていたものだ。神は私がしたとおりのことを、私に報いられた。」それから、彼らはアドニ・ベゼクをエルサレムに連れて行ったが、彼はそこで死んだ。
0108 また、ユダ族はエルサレムを攻めて、これを取り、剣の刃でこれを打ち破り、町に火をつけた。
0109 その後、ユダ族は山地やネゲブや低地に住んでいるカナン人と戦うために下って行った。
0110 ユダはヘブロンに住んでいるカナン人を攻めた。ヘブロンの名は以前はキルヤテ・アルバであった。彼らはシェシャイとアヒマンとタルマイを打ち破った。
0111 ユダはそこから進んでデビルの住民を攻めた。デビルの名は以前はキルヤテ・セフェルであった。
0112 そのときカレブは言った。「キルヤテ・セフェルを打って、これを取る者には、私の娘アクサを妻として与えよう。」
0113 ケナズの子で、カレブの弟オテニエルがそれを取ったので、カレブは娘アクサを彼に妻として与えた。
0114 彼女がとつぐとき、オテニエルは彼女をそそのかして、畑を父に求めることにした。彼女がろばから降りたので、カレブは彼女に、「何がほしいのか」と尋ねた。
0115 アクサは彼に言った。「どうか私に祝いの品を下さい。あなたはネゲブの地に私を送るのですから、水の泉を私に下さい。」そこでカレブは、上の泉と下の泉とを彼女に与えた。
0116 モーセの義兄弟であるケニ人の子孫は、ユダ族といっしょに、なつめやしの町からアラデの南にあるユダの荒野に上って行って、民とともに住んだ。
0117 ユダは兄弟シメオンといっしょに行って、ツェファテに住んでいたカナン人を打ち、それを聖絶し、その町にホルマという名をつけた。
0118 ついで、ユダはガザとその地域、アシュケロンとその地域、エクロンとその地域を攻め取った。
0119 【主】がユダとともにおられたので、ユダは山地を占領した。しかし、谷の住民は鉄の戦車を持っていたので、ユダは彼らを追い払わなかった。
0120 彼らはモーセが約束したとおり、ヘブロンをカレブに与えたので、カレブはその所からアナクの三人の息子を追い払った。
0121 ベニヤミン族はエルサレムに住んでいたエブス人を追い払わなかったので、エブス人は今日までベニヤミン族といっしょにエルサレムに住んでいる。
0122 ヨセフの一族もまた、ベテルに上って行った。【主】は彼らとともにおられた。
0123 ヨセフの一族はベテルを探った。この町の名は以前はルズであった。
0124 見張りの者は、ひとりの人がその町から出て来るのを見て、その者に言った。「この町の出入口を教えてくれないか。私たちは、あなたにまことを尽くすから。」
0125 彼が町の出入口を教えたので、彼らは剣の刃でこの町を打った。しかし、その者とその氏族の者全部は自由にしてやった。
0126 そこで、その者はヘテ人の地に行って、一つの町を建て、その名をルズと呼んだ。これが今日までその名である。
0127 マナセはベテ・シェアンとそれに属する村落、タナクとそれに属する村落、ドルの住民とそれに属する村落、イブレアムの住民とそれに属する村落、メギドの住民とそれに属する村落は占領しなかった。それで、カナン人はその土地に住みとおした。
0128 イスラエルは、強くなってから、カナン人を苦役に服させたが、彼らを追い払ってしまうことはなかった。
0129 エフライムはゲゼルの住民カナン人を追い払わなかった。それで、カナン人はゲゼルで彼らの中に住んだ。
0130 ゼブルンはキテロンの住民とナハラルの住民を追い払わなかった。それで、カナン人は彼らの中に住み、苦役に服した。
0131 アシェルはアコの住民や、シドンの住民や、またマハレブ、アクジブ、ヘルバ、アフェク、レホブの住民を追い払わなかった。
0132 そして、アシェル人は、その土地に住むカナン人の中に住みついた。彼らを追い払わなかったからである。
0133 ナフタリはベテ・シェメシュの住民やベテ・アナテの住民を追い払わなかった。そして、その土地に住むカナン人の中に住みついた。しかし、ベテ・シェメシュとベテ・アナテの住民は、彼らのために苦役に服した。
0134 エモリ人はダン族を山地のほうに圧迫した。エモリ人は、彼らの谷に降りて来ることを許さなかった。
0135 こうして、エモリ人はハル・ヘレスと、アヤロンと、シャアルビムに住みとおした。しかし、ヨセフの一族が勢力を得るようになると、彼らは苦役に服した。
0136 エモリ人の国境はアクラビムの坂から、セラを経て、上のほうに及んだ。
0201 さて、【主】の使いがギルガルからボキムに上って来て言った。「わたしはあなたがたをエジプトから上らせて、あなたがたの先祖に誓った地に連れて来て言った。『わたしはあなたがたとの契約を決して破らない。
0202 あなたがたはこの地の住民と契約を結んではならない。彼らの祭壇を取りこわさなければならない。』ところが、あなたがたはわたしの声に聞き従わなかった。なぜこのようなことをしたのか。
0203 それゆえわたしは言う。『わたしはあなたがたの前から彼らを追い出さない。彼らはあなたがたの敵となり、彼らの神々はあなたがたにとってわなとなる。』」
0204 【主】の使いがこれらのことばをイスラエル人全体に語ったとき、民は声をあげて泣いた。
0205 それで、その場所の名をボキムと呼んだ。彼らはその場所で【主】にいけにえをささげた。
0206 ヨシュアが民を送り出したので、イスラエル人はそれぞれ地を自分の相続地として占領するために出て行った。
0207 民は、ヨシュアの生きている間、また、ヨシュアのあとまで生き残って【主】がイスラエルに行われたすべての大きなわざを見た長老たちの生きている間、【主】に仕えた。
0208 【主】のしもべ、ヌンの子ヨシュアは百十歳で死んだ。
0209 人々は彼を、エフライムの山地、ガアシュ山の北にある彼の相続の地境ティムナテ・ヘレスに葬った。
0210 その同世代の者もみな、その先祖のもとに集められたが、彼らのあとに、【主】を知らず、また、主がイスラエルのためにされたわざも知らないほかの世代が起こった。
0211 それで、イスラエル人は【主】の目の前に悪を行い、バアルに仕えた。
0212 彼らは、エジプトの地から自分たちを連れ出した父祖の神、【主】を捨てて、ほかの神々、彼らの回りにいる国々の民の神々に従い、それらを拝み、【主】を怒らせた。
0213 彼らが【主】を捨てて、バアルとアシュタロテに仕えたので、
0214 【主】の怒りがイスラエルに向かって燃え上がり、主は彼らを略奪者の手に渡して、彼らを略奪させた。主は回りの敵の手に彼らを売り渡した。それで、彼らはもはや、敵の前に立ち向かうことができなかった。
0215 彼らがどこへ出て行っても、【主】の手が彼らにわざわいをもたらした。【主】が告げ、【主】が彼らに誓われたとおりであった。それで、彼らは非常に苦しんだ。
0216 そのとき、【主】はさばきつかさを起こして、彼らを略奪する者の手から救われた。
0217 ところが、彼らはそのさばきつかさにも聞き従わず、ほかの神々を慕って淫行を行い、それを拝み、彼らの先祖たちが【主】の命令に聞き従って歩んだ道から、またたくまにそれて、先祖たちのようには行わなかった。
0218 【主】が彼らのためにさばきつかさを起こされる場合は、【主】はさばきつかさとともにおられ、そのさばきつかさの生きている間は、敵の手から彼らを救われた。これは、圧迫し、苦しめる者のために彼らがうめいたので、【主】があわれまれたからである。
0219 しかし、さばきつかさが死ぬと、彼らはいつも逆戻りして、先祖たちよりも、いっそう堕落して、ほかの神々に従い、それに仕え、それを拝んだ。彼らはその行いや、頑迷な生き方を捨てなかった。
0220 それで、【主】の怒りがイスラエルに向かって燃え上がった。主は仰せられた。「この民は、わたしが彼らの先祖たちに命じたわたしの契約を破り、わたしの声に聞き従わなかったから、
0221 わたしもまた、ヨシュアが死んだとき残していた国民を、彼らの前から一つも追い払わない。
0222 彼らの先祖たちが【主】の道を守って歩んだように、彼らもそれを守って歩むかどうか、これらの国民によってイスラエルを試みるためである。」
0223 こうして、【主】はこれらの国民をただちに追い出さないで、残しておき、ヨシュアの手に渡されなかったのである。
0301 カナンでの戦いを少しも知らないすべてのイスラエルを試みるために、【主】が残しておかれた国民は次のとおり。
0302 ──これはただイスラエルの次の世代の者、これまで戦いを知らない者たちに、戦いを教え、知らせるためである──
0303 すなわち、ペリシテ人の五人の領主と、すべてのカナン人と、シドン人と、バアル・ヘルモン山からレボ・ハマテまでのレバノン山に住んでいたヒビ人とであった。
0304 これは、【主】がモーセを通して先祖たちに命じた命令に、イスラエルが聞き従うかどうか、これらの者によってイスラエルを試み、そして知るためであった。
0305 イスラエル人は、カナン人、ヘテ人、エモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の間に住んで、
0306 彼らの娘たちを自分たちの妻にめとり、また自分たちの娘を彼らの息子たちに与え、彼らの神々に仕えた。
0307 こうして、イスラエル人は、【主】の目の前に悪を行い、彼らの神、【主】を忘れて、バアルやアシェラに仕えた。
0308 それで、【主】の怒りがイスラエルに向かって燃え上がり、主は彼らをアラム・ナハライムの王クシャン・リシュアタイムの手に売り渡された。こうして、イスラエル人は、八年の間、クシャン・リシュアタイムに仕えた。
0309 イスラエル人が【主】に叫び求めたとき、【主】はイスラエル人のために、彼らを救うひとりの救助者、カレブの弟ケナズの子オテニエルを起こされた。
0310 【主】の霊が彼の上にあった。彼はイスラエルをさばき、戦いに出て行った。【主】はアラムの王クシャン・リシュアタイムを彼の手に渡された。それで彼の勢力はクシャン・リシュアタイムを押さえた。
0311 こうして、この国は四十年の間、穏やかであった。その後、ケナズの子オテニエルは死んだ。
0312 そうすると、イスラエル人はまた、【主】の目の前に悪を行った。彼らが【主】の目の前に悪を行ったので、【主】はモアブの王エグロンを強くして、イスラエルに逆らわせた。
0313 エグロンはアモン人とアマレク人を集め、イスラエルを攻めて打ち破り、彼らはなつめやしの町を占領した。
0314 それで、イスラエル人は十八年の間、モアブの王エグロンに仕えた。
0315 イスラエル人が【主】に叫び求めたとき、【主】は彼らのために、ひとりの救助者、ベニヤミン人ゲラの子で、左ききのエフデを起こされた。イスラエル人は、彼を通してモアブの王エグロンにみつぎものを送った。
0316 エフデは長さ一キュビトの、一振りのもろ刃の剣を作り、それを着物の下の右ももの上の帯にはさんだ。
0317 こうして、彼はモアブの王エグロンにみつぎものをささげた。エグロンは非常に太っていた。
0318 みつぎものをささげ終わったとき、エフデはみつぎものを運んで来た者たちを帰らせ、
0319 彼自身はギルガルのそばの石切り場から戻って来て言った。「王さま。私はあなたに秘密のお知らせがあります。」すると王は、「今、言うな」と言った。そこで、王のそばに立っていた者たちはみな、彼のところから出て行った。
0320 エフデは王のところへ行った。そのとき、王はひとりで涼しい屋上の部屋に座していた。エフデが、「私にあなたへの神のお告げがあります」と言うと、王はその座から立ち上がった。
0321 このとき、エフデは左手を伸ばして、右ももから剣を取り出し、王の腹を刺した。
0322 柄も刃も、共に入ってしまった。彼が剣を王の腹から抜かなかったので、脂肪が刃をふさいでしまった。エフデは窓から出て、
0323 廊下へ出て行き、王のいる屋上の部屋の戸を閉じ、かんぬきで締めた。
0324 彼が出て行くと、王のしもべたちがやって来た。そして見ると、屋上の部屋にかんぬきがかけられていたので、彼らは、「王はきっと涼み部屋で用をたしておられるのだろう」と思った。
0325 それで、しもべたちはいつまでも待っていたが、王が屋上の部屋の戸をいっこうにあけないので、かぎを取ってあけると、なんと、彼らの主人は床の上に倒れて死んでいた。
0326 エフデはしもべたちが手間取っている間にのがれて、石切り場の所を通り過ぎ、セイラにのがれた。
0327 エフデは行って、エフライムの山地で角笛を吹き鳴らした。すると、イスラエル人は彼といっしょに山地から下って行き、彼はその先頭に立った。
0328 エフデは彼らに言った。「私を追って来なさい。【主】はあなたがたの敵モアブ人をあなたがたの手に渡された。」それで、彼らはエフデのあとについて下って行き、モアブへのヨルダン川の渡し場を攻め取って、ひとりも渡らせなかった。
0329 このとき彼らは約一万人のモアブ人を打った。彼らはみなたくましい、力ある者たちであったが、ひとりも助からなかった。
0330 このようにして、モアブはその日イスラエルによって征服され、この国は八十年の間、穏やかであった。
0331 エフデのあとにアナテの子シャムガルが起こり、牛の突き棒でペリシテ人六百人を打った。彼もまたイスラエルを救った。