民数記
3401 【主】はモーセに告げて仰せられた。
3402 「イスラエル人に命じて、彼らに言え。あなたがたがカナンの地に入るとき、あなたがたの相続地となる国、カナンの地の境界は次のとおりである。
3403 あなたがたの南側は、エドムに接するツィンの荒野に始まる。南の境界線は、東のほうの塩の海の端に始まる。
3404 その境界線は、アクラビムの坂の南から回ってツィンのほうに進み、その終わりはカデシュ・バルネアの南である。またハツァル・アダルを出て、アツモンに進む。
3405 その境界線は、アツモンから回ってエジプト川に向かい、その終わりは海である。
3406 あなたがたの西の境界線は、大海とその沿岸である。これをあなたがたの西の境界線としなければならない。
3407 あなたがたの北の境界線は、次のとおりにしなければならない。大海からホル山まで線を引き、
3408 さらにホル山からレボ・ハマテまで線を引き、その境界線の終わりはツェダデである。
3409 ついでその境界線は、ジフロンに延び、その終わりはハツァル・エナンである。これがあなたがたの北の境界線である。
3410 あなたがたの東の境界線としては、ハツァル・エナンからシェファムまで線を引け。
3411 その境界線は、シェファムからアインの東方のリブラに下り、さらに境界線は、そこから下ってキネレテの海の東の傾斜地に達し、
3412 さらにその境界線は、ヨルダンに下り、その終わりは塩の海である。以上が周囲の境界線によるあなたがたの地である。」
3413 モーセはイスラエル人に命じて言った。「これが、あなたがたがくじを引いて相続地とする土地である。【主】はこれを九部族と半部族に与えよと命じておられる。
3414 ルベン部族は、その父祖の家ごとに、ガド部族も、その父祖の家ごとに相続地を取っており、マナセの半部族も、受けているからである。
3415 この二部族と半部族は、ヨルダンのエリコをのぞむ対岸、東の、日の出るほうに彼らの相続地を取っている。」
3416 【主】はモーセに告げて仰せられた。
3417 「この地をあなたがたのための相続地とする者の名は次のとおり、祭司エルアザルとヌンの子ヨシュアである。
3418 あなたがたは、この地を相続地とするため、おのおのの部族から族長ひとりずつを取らなければならない。
3419 その人々の名は次のとおりである。ユダ部族からは、エフネの子カレブ。
3420 シメオン部族からは、アミフデの子サムエル。
3421 ベニヤミン部族からは、キスロンの子エリダデ。
3422 ダン部族からは、族長として、ヨグリの子ブキ。
3423 ヨセフの子孫、マナセ部族からは、族長として、エフォデの子ハニエル。
3424 エフライム部族からは、族長として、シフタンの子ケムエル。
3425 ゼブルン部族からは、族長として、パルナクの子エリツァファン。
3426 イッサカル部族からは、族長として、アザンの子パルティエル。
3427 アシェル部族からは、族長として、シェロミの子アヒフデ。
3428 ナフタリ部族からは、族長として、アミフデの子ペダフエル。
3429 イスラエル人にカナンの地で相続地を持たせるよう【主】が命じたのはこの人々である。」
3501 エリコに近いヨルダンのほとりのモアブの草原で、【主】はモーセに告げて仰せられた。
3502 「イスラエル人に命じて、その所有となる相続地の一部を、レビ人に住むための町々として与えさせなさい。彼らはその町々の回りの放牧地をレビ人に与えなければならない。
3503 町々は彼らが住むためであり、その放牧地は彼らの家畜や群れや、すべての獣のためである。
3504 あなたがたがレビ人に与える町々の放牧地は、町の城壁から外側に、回り一千キュビトでなければならない。
3505 町の外側に、町を真ん中として東側に二千キュビト、南側に二千キュビト、西側に二千キュビト、北側に二千キュビトを測れ。これが彼らの町々の放牧地である。
3506 あなたがたが、レビ人に与える町々、すなわち、人を殺した者がそこにのがれるために与える六つの、のがれの町と、そのほかに、四十二の町を与えなければならない。
3507 あなたがたがレビ人に与える町は、全部で四十八の町で、放牧地つきである。
3508 あなたがたがイスラエル人の所有地のうちから与える町々は、大きい部族からは多く、小さい部族からは少なくしなければならない。おのおの自分の相続した相続地に応じて、自分の町々からレビ人に与えなければならない。」
3509 【主】はモーセに告げて仰せられた。
3510 「イスラエル人に告げて、彼らに言え。あなたがたがヨルダンを渡ってカナンの地に入るとき、
3511 あなたがたは町々を定めなさい。それをあなたがたのために、のがれの町とし、あやまって人を打ち殺した殺人者がそこにのがれることができるようにしなければならない。
3512 この町々は、あなたがたが復讐する者から、のがれる所で、殺人者が、さばきのために会衆の前に立つ前に、死ぬことのないためである。
3513 あなたがたが与える町々は、あなたがたのために六つの、のがれの町としなければならない。
3514 ヨルダンのこちら側に三つの町を与え、カナンの地に三つの町を与えて、あなたがたののがれの町としなければならない。
3515 これらの六つの町はイスラエル人、または彼らの間の在住異国人のための、のがれの場所としなければならない。すべてあやまって人を殺した者が、そこにのがれるためである。
3516 人がもし鉄の器具で人を打って死なせたなら、その者は殺人者である。その殺人者は必ず殺されなければならない。
3517 もし、人を殺せるほどの石の道具で人を打って死なせたなら、その者は殺人者である。殺人者は必ず殺されなければならない。
3518 あるいは、人を殺せるほどの木製の器具で、人を打って死なせたなら、その者は殺人者である。殺人者は必ず殺されなければならない。
3519 血の復讐をする者は、自分でその殺人者を殺してもよい。彼と出会ったときに、彼を殺してもよい。
3520 もし、人が憎しみをもって人を突くか、あるいは悪意をもって人に物を投げつけて死なせるなら、
3521 あるいは、敵意をもって人を手で打って死なせるなら、その打った者は必ず殺されなければならない。彼は殺人者である。その血の復讐をする者は、彼と出会ったときに、その殺人者を殺してもよい。
3522 もし敵意もなく人を突き、あるいは悪意なしに何か物を投げつけ、
3523 または気がつかないで、人を死なせるほどの石を人の上に落とし、それによって死なせた場合、しかもその人が自分の敵でもなく、傷つけようとしたのでもなければ、
3524 会衆は、打ち殺した者と、その血の復讐をする者との間を、これらのおきてに基づいてさばかなければならない。
3525 会衆は、その殺人者を、血の復讐をする者の手から救い出し、会衆は彼を、逃げ込んだそののがれの町に返してやらなければならない。彼は、聖なる油をそそがれた大祭司が死ぬまで、そこにいなければならない。
3526 もし、その殺人者が、自分が逃げ込んだのがれの町の境界から出て行き、
3527 血の復讐をする者が、そののがれの町の境界の外で彼を見つけて、その殺人者を殺しても、彼には血を流した罪はない。
3528 その者は、大祭司が死ぬまでは、そののがれの町に住んでいなければならないからである。大祭司の死後には、その殺人者は、自分の所有地に帰ることができる。
3529 これらのことは、あなたがたが住みつくすべての所で、代々にわたり、あなたがたのさばきのおきてとなる。
3530 もしだれかが人を殺したなら、証人の証言によってその殺人者を、殺さなければならない。しかし、ただひとりの証人の証言だけでは、死刑にするには十分でない。
3531 あなたがたは、死刑に当たる悪を行った殺人者のいのちのために贖い金を受け取ってはならない。彼は必ず殺されなければならない。
3532 のがれの町に逃げ込んだ者のために、贖い金を受け取り、祭司が死ぬ前に、国に帰らせて住まわせてはならない。
3533 あなたがたは、自分たちのいる土地を汚してはならない。血は土地を汚すからである。土地に流された血についてその土地を贖うには、その土地に血を流させた者の血による以外はない。
3534 あなたがたは、自分たちの住む土地、すなわち、わたし自身がそのうちに宿る土地を汚してはならない。【主】であるわたしが、イスラエル人の真ん中に宿るからである。」
3601 ヨセフ族の一つ、マナセの子マキルの子ギルアデの氏族に属する諸家族のかしらたちが進み出て、モーセとイスラエル人の諸家族のかしらである家長たちに訴えて、
3602 言った。「【主】は、あの土地をくじによってイスラエル人に相続地として与えるように、あなたに命じられました。そしてまた、私たちの親類ツェロフハデの相続地を、彼の娘たちに与えるように、あなたは【主】に命じられています。
3603 もし彼女たちが、イスラエル人の他の部族の息子たちにとついだなら、彼女たちの相続地は、私たちの父祖の相続地から差し引かれて、彼女たちがとつぐ部族の相続地に加えられましょう。こうして私たちの相続の地所は減ることになります。
3604 イスラエル人のヨベルの年になれば、彼女たちの相続地は、彼女たちのとつぐ部族の相続地に加えられ、彼女たちの相続地は、私たちの父祖の部族の相続地から差し引かれることになります。」
3605 そこでモーセは、【主】の命により、イスラエル人に命じて言った。「ヨセフ部族の訴えはもっともである。
3606 【主】がツェロフハデの娘たちについて命じて仰せられたことは次のとおりである。『彼女たちは、その心にかなう人にとついでよい。ただし、彼女たちの父の部族に属する氏族にとつがなければならない。
3607 イスラエル人の相続地は、一つの部族から他の部族に移してはならない。イスラエル人は、おのおのその父祖の部族の相続地を堅く守らなければならないからである。
3608 イスラエル人の部族のうち、相続地を受け継ぐ娘はみな、その父の部族に属する氏族のひとりにとつがなければならない。イスラエル人が、おのおのその父祖の相続地を受け継ぐためである。
3609 こうして相続地は、一つの部族から他の部族に移してはならない。イスラエル人の部族は、おのおのその相続地を堅く守らなければならないからである。』」
3610 ツェロフハデの娘たちは、【主】がモーセに命じられたとおりに行った。
3611 ツェロフハデの娘たち、マフラ、ティルツァ、ホグラ、ミルカおよびノアは、そのおじの息子たちにとついだ。
3612 彼女たちは、ヨセフの子マナセの子孫の氏族にとついだので、彼女たちの相続地は、彼女たちの父の氏族の部族に残った。
3613 これらは、エリコに近いヨルダンのほとりのモアブの草原で、【主】がモーセを通してイスラエル人に命じた命令と定めである。