マラキ書

0101 宣告。マラキを通してイスラエルにあった【主】のことば。
0102 「わたしはあなたがたを愛している」と【主】は仰せられる。あなたがたは言う。「どのように、あなたが私たちを愛されたのですか」と。「エサウはヤコブの兄ではなかったか。──【主】の御告げ──わたしはヤコブを愛した。
0103 わたしはエサウを憎み、彼の山を荒れ果てた地とし、彼の継いだ地を荒野のジャッカルのものとした。」
0104 たといエドムが、「私たちは打ち砕かれた。だが、廃墟を建て直そう」と言っても、万軍の【主】はこう仰せられる。「彼らは建てるが、わたしは打ちこわす。彼らは、悪の国と言われ、【主】のとこしえにのろう民と呼ばれる。」
0105 あなたがたの目はこれを見て言おう。「【主】はイスラエルの地境を越えて偉大な方だ」と。
0106 「子は父を敬い、しもべはその主人を敬う。もし、わたしが父であるなら、どこに、わたしへの尊敬があるのか。もし、わたしが主人であるなら、どこに、わたしへの恐れがあるのか。──万軍の【主】は、あなたがたに仰せられる──わたしの名をさげすむ祭司たち。あなたがたは言う。『どのようにして、私たちがあなたの名をさげすみましたか』と。
0107 あなたがたは、わたしの祭壇の上に汚れたパンをささげて、『どのようにして、私たちがあなたを汚しましたか』と言う。『主の食卓はさげすまれてもよい』とあなたがたは思っている。
0108 あなたがたは、盲目の獣をいけにえにささげるが、それは悪いことではないか。足のなえたものや病気のものをささげるのは、悪いことではないか。さあ、あなたの総督のところにそれを差し出してみよ。彼はあなたをよみし、あなたを受け入れるだろうか。──万軍の【主】は仰せられる──
0109 さあ、今、恵みを受けるために神に願ってみよ。これはあなたがたの手によることだ。神はあなたがたのうちだれかを、受け入れてくださるだろうか。──万軍の【主】は仰せられる──
0110 あなたがたのうちにさえ、あなたがたがわたしの祭壇に、いたずらに火を点ずることがないように、戸を閉じる人は、だれかいないのか。わたしは、あなたがたを喜ばない。──万軍の【主】は仰せられる──わたしは、あなたがたの手からのささげ物を受け入れない。
0111 日の出る所から、その沈む所まで、わたしの名は諸国の民の間であがめられ、すべての場所で、わたしの名のために、きよいささげ物がささげられ、香がたかれる。わたしの名が諸国の民の間であがめられているからだ。──万軍の【主】は仰せられる──
0112 しかし、あなたがたは、『主の食卓は汚れている。その果実も食物もさげすまれている』と言って、祭壇を冒涜している。
0113 あなたがたはまた、『見よ。なんとうるさいことか』と言って、それを軽蔑する。──万軍の【主】は仰せられる──あなたがたは、かすめたもの、足のなえたもの、病気のものを連れて来て、ささげ物としてささげている。わたしが、それをあなたがたの手から、喜んで、受け入れるだろうか。──【主】は仰せられる──
0114 群れのうちに雄の獣がいて、これをささげると誓いながら、損傷のあるのを主にささげるずるい者は、のろわれる。わたしが大いなる王であり、わたしの名が諸国の民の間で、恐れられているからだ。──万軍の【主】は仰せられる──
0201 祭司たちよ。今、この命令があなたがたに下される。
0202 もし、あなたがたが聞き入れず、もし、わたしの名に栄光を帰することを心に留めないなら、──万軍の【主】は仰せられる──わたしは、あなたがたの中にのろいを送り、あなたがたへの祝福をのろいに変える。もう、それをのろいに変えている。あなたがたが、これを心に留めないからだ。
0203 見よ。わたしは、あなたがたの子孫を責め、あなたがたの顔に糞をまき散らす。あなたがたの祭りの糞を。あなたがたはそれとともに投げ捨てられる。
0204 このとき、あなたがたは、わたしが、レビとのわたしの契約を保つために、あなたがたにこの命令を送ったことを知ろう。──万軍の【主】は仰せられる──
0205 わたしの彼との契約は、いのちと平和であって、わたしは、それらを彼に与えた。それは恐れであったので、彼は、わたしを恐れ、わたしの名の前におののいた。
0206 彼の口には真理の教えがあり、彼のくちびるには不正がなかった。平和と公正のうちに、彼はわたしとともに歩み、多くの者を罪から立ち返らせた。
0207 祭司のくちびるは知識を守り、人々は彼の口から教えを求める。彼は万軍の【主】の使いであるからだ。
0208 しかし、あなたがたは道からはずれ、多くの者を教えによってつまずかせ、レビとの契約をそこなった。──万軍の【主】は仰せられる──
0209 わたしもまた、あなたがたを、すべての民にさげすまれ、軽んじられる者とする。あなたがたがわたしの道を守らず、えこひいきをして教えたからだ。」
0210 私たちはみな、ただひとりの父を持っているではないか。ただひとりの神が、私たちを創造したではないか。なぜ私たちは、互いに裏切り合い、私たちの先祖の契約を汚すのか。
0211 ユダは裏切り、イスラエルとエルサレムの中では忌まわしいことが行われている。まことにユダは、主の愛された【主】の聖所を汚し、外国の神の娘をめとった。
0212 どうか【主】が、このようなことをする者を、たといその者が万軍の【主】にささげ物をささげても、ひとり残らずヤコブの天幕から断ってくださるように。
0213 あなたがたはもう一つのことをしている。あなたがたは、涙と、悲鳴と、嘆きで【主】の祭壇をおおっている。主がもうささげ物を顧みず、あなたがたの手から、それを喜んで受け取らないからだ。
0214 「なぜなのか」とあなたがたは言う。それは【主】が、あなたとあなたの若い時の妻との証人であり、あなたがその妻を裏切ったからだ。彼女はあなたの伴侶であり、あなたの契約の妻であるのに。
0215 神は人を一体に造られたのではないか。彼には、霊の残りがある。その一体の人は何を求めるのか。神の子孫ではないか。あなたがたは、あなたがたの霊に注意せよ。あなたの若い時の妻を裏切ってはならない。
0216 「わたしは、離婚を憎む」とイスラエルの神、【主】は仰せられる。「わたしは、暴力でその着物をおおう」と万軍の【主】は仰せられる。あなたがたは、あなたがたの霊に注意せよ。裏切ってはならない。
0217 あなたがたは、あなたがたのことばで【主】を煩わした。しかし、あなたがたは言う。「どのようにして、私たちは煩わしたのか。」「悪を行う者もみな【主】の心にかなっている。主は彼らを喜ばれる。さばきの神はどこにいるのか」とあなたがたは言っているのだ。
0301 「見よ。わたしは、わたしの使者を遣わす。彼はわたしの前に道を整える。あなたがたが尋ね求めている主が、突然、その神殿に来る。あなたがたが望んでいる契約の使者が、見よ、来ている」と万軍の【主】は仰せられる。
0302 だれが、この方の来られる日に耐えられよう。だれが、この方の現れるとき立っていられよう。まことに、この方は、精錬する者の火、布をさらす者の灰汁のようだ。
0303 この方は、銀を精錬し、これをきよめる者として座に着き、レビの子らをきよめ、彼らを金のように、銀のように純粋にする。彼らは、【主】に、義のささげ物をささげる者となり、
0304 ユダとエルサレムのささげ物は、昔の日のように、ずっと前の年のように、【主】を喜ばせる。
0305 「わたしは、さばきのため、あなたがたのところに近づく。わたしは、ためらうことなく証人となり、呪術者、姦淫を行う者、偽って誓う者、不正な賃金で雇い人をしいたげ、やもめやみなしごを苦しめる者、在留異国人を押しのけて、わたしを恐れない者たちに、向かう。──万軍の【主】は仰せられる──
0306 【主】であるわたしは変わることがない。ヤコブの子らよ。あなたがたは、滅ぼし尽くされない。
0307 あなたがたの先祖の時代から、あなたがたは、わたしのおきてを離れ、それを守らなかった。わたしのところに帰れ。そうすれば、わたしもあなたがたのところに帰ろう。──万軍の【主】は仰せられる──しかし、あなたがたは、『どのようにして、私たちは帰ろうか』と言う。
0308 人は神のものを盗むことができようか。ところが、あなたがたはわたしのものを盗んでいる。しかも、あなたがたは言う。『どのようにして、私たちはあなたのものを盗んだでしょうか。』それは、十分の一と奉納物によってである。
0309 あなたがたはのろいを受けている。あなたがたは、わたしのものを盗んでいる。この民全体が盗んでいる。
0310 十分の一をことごとく、宝物倉に携えて来て、わたしの家の食物とせよ。こうしてわたしをためしてみよ。──万軍の【主】は仰せられる──わたしがあなたがたのために、天の窓を開き、あふれるばかりの祝福をあなたがたに注ぐかどうかをためしてみよ。
0311 わたしはあなたがたのために、いなごをしかって、あなたがたの土地の産物を滅ぼさないようにし、畑のぶどうの木が不作とならないようにする。──万軍の【主】は仰せられる──
0312 すべての国民は、あなたがたをしあわせ者と言うようになる。あなたがたが喜びの地となるからだ」と万軍の【主】は仰せられる。
0313 「あなたがたはわたしにかたくななことを言う」と【主】は仰せられる。あなたがたは言う。「私たちはあなたに対して、何を言いましたか。」
0314 あなたがたは言う。「神に仕えるのはむなしいことだ。神の戒めを守っても、万軍の【主】の前で悲しんで歩いても、何の益になろう。
0315 今、私たちは、高ぶる者をしあわせ者と言おう。悪を行っても栄え、神を試みても罰を免れる」と。
0316 そのとき、【主】を恐れる者たちが、互いに語り合った。【主】は耳を傾けて、これを聞かれた。【主】を恐れ、主の御名を尊ぶ者たちのために、主の前で、記憶の書がしるされた。
0317 「彼らは、わたしのものとなる。──万軍の【主】は仰せられる──わたしが事を行う日に、わたしの宝となる。人が自分に仕える子をあわれむように、わたしは彼らをあわれむ。
0318 あなたがたは再び、正しい人と悪者、神に仕える者と仕えない者との違いを見るようになる。

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