アモス書

0701 神である主は、私にこのように示された。見よ。王が刈り取ったあとの二番草が生え始めたころ、主はいなごを造っておられた。
0702 そのいなごが地の青草を食い尽くそうとしたとき、私は言った。「神、主よ。どうぞお赦しください。ヤコブはどうして生き残れましょう。彼は小さいのです。」
0703 【主】はこのことについて思い直し、「そのことは起こらない」と【主】は仰せられた。
0704 神である主は、私にこのように示された。見よ。神である主は燃える火を呼んでおられた。火は大淵を焼き尽くし、割り当て地を焼き尽くそうとしていた。
0705 私は言った。「神、主よ。どうか、おやめください。ヤコブはどうして生き残れましょう。彼は小さいのです。」
0706 【主】はこのことについて思い直し、「このことも起こらない」と神である主は仰せられた。
0707 主は私にこのように示された。見よ。主は手に重りなわを持ち、重りなわで築かれた城壁の上に立っておられた。
0708 【主】は私に仰せられた。「アモス。何を見ているのか。」私が「重りなわです」と言うと、主は仰せられた。「見よ。わたしは重りなわを、わたしの民イスラエルの真ん中に垂れ下げよう。わたしはもう二度と彼らを見過ごさない。
0709 イサクの高き所は荒らされ、イスラエルの聖所は廃墟となる。わたしは剣をもって、ヤロブアムの家に立ち向かう。」
0710 ベテルの祭司アマツヤは、イスラエルの王ヤロブアムに人を遣わしてこう言った。「イスラエルの家のただ中で、アモスはあなたに謀反を企てています。この国は彼のすべてのことばを受け入れることはできません。
0711 アモスはこう言っています。『ヤロブアムは剣で死に、イスラエルはその国から必ず捕らえられて行く。』」
0712 アマツヤはアモスに言った。「先見者よ。ユダの地へ逃げて行け。その地でパンを食べ、その地で預言せよ。
0713 ベテルでは二度と預言するな。ここは王の聖所、王宮のある所だから。」
0714 アモスはアマツヤに答えて言った。「私は預言者ではなかった。預言者の仲間でもなかった。私は牧者であり、いちじく桑の木を栽培していた。
0715 ところが、【主】は群れを追っていた私をとり、【主】は私に仰せられた。『行って、わたしの民イスラエルに預言せよ』と。
0716 今、【主】のことばを聞け。あなたは『イスラエルに向かって預言するな。イサクの家に向かって預言するな』と言っている。
0717 それゆえ、【主】はこう仰せられる。『あなたの妻は町で遊女となり、あなたの息子、娘たちは剣に倒れ、あなたの土地は測りなわで分割される。あなたは汚れた地で死に、イスラエルはその国から必ず捕らえられて行く。』」
0801 神である主は、私にこのように示された。そこに一かごの夏のくだものがあった。
0802 主は仰せられた。「アモス。何を見ているのか。」私が、「一かごの夏のくだものです」と言うと、【主】は私に仰せられた。「わたしの民イスラエルに、終わりが来た。わたしはもう二度と彼らを見過ごさない。
0803 その日には、神殿の歌声は泣きわめきとなる。──神である主の御告げ──多くのしかばねが、至る所に投げ捨てられる。口をつぐめ。」
0804 聞け。貧しい者たちを踏みつけ、地の悩む者たちを絶やす者よ。
0805 あなたがたは言っている。「新月の祭りはいつ終わるのか。私たちは穀物を売りたいのだが。安息日はいつ終わるのか。麦を売りに出したいのだが。エパを小さくし、シェケルを重くし、欺きのはかりで欺こう。
0806 弱い者を金で買い、貧しい者を一足のくつで買い取り、くず麦を売るために。」
0807 【主】はヤコブの誇りにかけて誓われる。「わたしは、彼らのしていることをみな、いつまでも、決して忘れない。
0808 このために地は震えないだろうか。地に住むすべての者は泣き悲しまないだろうか。地のすべてのものはナイル川のようにわき上がり、エジプト川のように、みなぎっては、また沈まないだろうか。
0809 その日には、──神である主の御告げ──わたしは真昼に太陽を沈ませ、日盛りに地を暗くし、
0810 あなたがたの祭りを喪に変え、あなたがたのすべての歌を哀歌に変え、すべての腰に荒布をまとわせ、すべての人の頭をそらせ、その日を、ひとり子を失ったときの喪のようにし、その終わりを苦い日のようにする。
0811 見よ。その日が来る。──神である主の御告げ──その日、わたしは、この地にききんを送る。パンのききんではない。水に渇くのでもない。実に、【主】のことばを聞くことのききんである。
0812 彼らは海から海へとさまよい歩き、北から東へと、【主】のことばを捜し求めて、行き巡る。しかしこれを見いだせない。
0813 その日には、美しい若い女も、若い男も、渇きのために衰え果てる。
0814 サマリヤの罪過にかけて誓い、『ダンよ。あなたの神は生きている』と言い、『ベエル・シェバの道は生きている』と言う者は、倒れて、二度と起き上がれない。」
0901 私は、祭壇のかたわらに立っておられる主を見た。主は仰せられた。「柱頭を打って、敷居が震えるようにせよ。そのすべてを頭上で打ち砕け。わたしは彼らの残った者を、剣で殺す。彼らのうち、ひとりも逃げる者はなく、のがれる者もない。
0902 彼らが、よみに入り込んでも、わたしの手はそこから彼らを引き出し、彼らが天に上っても、わたしはそこから彼らを引き降ろす。
0903 彼らがカルメルの頂に身を隠しても、わたしは捜して、そこから彼らを捕らえ出し、彼らがわたしの目を避けて海の底に身を隠しても、わたしは蛇に命じて、そこで彼らをかませる。
0904 もし、彼らが敵のとりことなって行っても、わたしは剣に命じて、その所で彼らを殺させる。わたしはこの目で彼らを見る。それは、わざわいのためで、幸いのためではない。」
0905 万軍の神、主が、地に触れると、それは溶け、そこに住むすべての者は泣き悲しみ、地のすべてのものはナイル川のようにわき上がり、エジプト川のように沈む。
0906 天に高殿を建て、地の上に丸天井を据え、海の水を呼んで、地の面に注がれる方、その名は【主】。
0907 「イスラエルの子ら。あなたがたは、わたしにとって、クシュ人のようではないのか。──【主】の御告げ──わたしはイスラエルをエジプトの国から、ペリシテ人をカフトルから、アラムをキルから連れ上ったではないか。
0908 見よ。神である主の目が、罪を犯した王国に向けられている。わたしはこれを地の面から根絶やしにする。しかし、わたしはヤコブの家を、全く根絶やしにはしない。──【主】の御告げ──
0909 見よ。わたしは命じて、ふるいにかけるように、すべての国々の間でイスラエルの家をふるい、一つの石ころも地に落とさない。
0910 わたしの民の中の罪人はみな、剣で死ぬ。彼らは『わざわいは私たちに近づかない。私たちまでは及ばない』と言っている。
0911 その日、わたしはダビデの倒れている仮庵を起こし、その破れを繕い、その廃墟を復興し、昔の日のようにこれを建て直す。
0912 これは彼らが、エドムの残りの者と、わたしの名がつけられたすべての国々を手に入れるためだ。──これをなされる【主】の御告げ──
0913 見よ。その日が来る。──【主】の御告げ──その日には、耕す者が刈る者に近寄り、ぶどうを踏む者が種蒔く者に近寄る。山々は甘いぶどう酒をしたたらせ、すべての丘もこれを流す。
0914 わたしは、わたしの民イスラエルの繁栄を元どおりにする。彼らは荒れた町々を建て直して住み、ぶどう畑を作って、そのぶどう酒を飲み、果樹園を作って、その実を食べる。
0915 わたしは彼らを彼らの地に植える。彼らは、わたしが彼らに与えたその土地から、もう、引き抜かれることはない」とあなたの神、【主】は、仰せられる。

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