アモス書

0101 テコアの牧者のひとりであったアモスのことば。これはユダの王ウジヤの時代、イスラエルの王、ヨアシュの子ヤロブアムの時代、地震の二年前に、イスラエルについて彼が見たものである。
0102 彼は言った。「【主】はシオンから叫び、エルサレムから声を出される。羊飼いの牧場はかわき、カルメルの頂は枯れる。」
0103 【主】はこう仰せられる。「ダマスコの犯した三つのそむきの罪、四つのそむきの罪のために、わたしはその刑罰を取り消さない。彼らが鉄の打穀機でギルアデを踏みにじったからだ。
0104 わたしはハザエルの家に火を送ろう。火はベン・ハダデの宮殿を焼き尽くす。
0105 わたしは、ダマスコのかんぬきを折り、アベンの谷から、王座についている者を、ベテ・エデンから、笏を持っている者を断ち滅ぼす。アラムの民はキルへ捕らえ移される」と【主】は仰せられる。
0106 【主】はこう仰せられる。「ガザの犯した三つのそむきの罪、四つのそむきの罪のために、わたしはその刑罰を取り消さない。彼らがすべての者を捕囚の民として捕らえ移し、エドムに引き渡したからだ。
0107 わたしはガザの城壁に火を送ろう。火はその宮殿を焼き尽くす。
0108 わたしはアシュドデから、王座についている者を、アシュケロンから、笏を持っている者を断ち滅ぼす。わたしはエクロンにわたしの手を向け、ペリシテ人の残った者を滅ぼす」と神である主は仰せられる。
0109 【主】はこう仰せられる。「ツロの犯した三つのそむきの罪、四つのそむきの罪のために、わたしはその刑罰を取り消さない。彼らがすべての者を捕囚の民として、エドムに引き渡し、兄弟の契りを覚えていなかったからだ。
0110 わたしはツロの城壁に火を送ろう。火はその宮殿を焼き尽くす。」
0111 【主】はこう仰せられる。「エドムの犯した三つのそむきの罪、四つのそむきの罪のために、わたしはその刑罰を取り消さない。彼が剣で自分の兄弟を追い、肉親の情をそこない、怒り続けていつまでも激しい怒りを保っていたからだ。
0112 わたしはテマンに火を送ろう。火はボツラの宮殿を焼き尽くす。」
0113 【主】はこう仰せられる。「アモン人の犯した三つのそむきの罪、四つのそむきの罪のために、わたしはその刑罰を取り消さない。彼らが、自分たちの領土を広げるために、ギルアデの妊婦たちを切り裂いたからだ。
0114 わたしはラバの城壁に火を放とう。火はその宮殿を焼き尽くす。これは戦いの日のときの声と、つむじ風の日の暴風のうちに起こる。
0115 彼らの王は、その首長たちとともに、捕囚として連れて行かれる」と【主】は仰せられる。
0201 【主】はこう仰せられる。「モアブの犯した三つのそむきの罪、四つのそむきの罪のために、わたしはその刑罰を取り消さない。彼がエドムの王の骨を焼いて灰にしたからだ。
0202 わたしはモアブに火を送ろう。火はケリヨテの宮殿を焼き尽くす。モアブは、どよめきのうちに、角笛の音と、ときの声のうちに死ぬ。
0203 わたしはさばきつかさをそのうちから断ち滅ぼし、そのすべての首長たちを、彼とともに切り殺す」と【主】は仰せられる。
0204 【主】はこう仰せられる。「ユダの犯した三つのそむきの罪、四つのそむきの罪のために、わたしはその刑罰を取り消さない。彼らが【主】のおしえを捨て、そのおきてを守らず、彼らの先祖たちが従ったまやかしものが彼らを惑わしたからだ。
0205 わたしはユダに火を送ろう。火はエルサレムの宮殿を焼き尽くす。」
0206 【主】はこう仰せられる。「イスラエルの犯した三つのそむきの罪、四つのそむきの罪のために、わたしはその刑罰を取り消さない。彼らが金と引き換えに正しい者を売り、一足のくつのために貧しい者を売ったからだ。
0207 彼らは弱い者の頭を地のちりに踏みつけ、貧しい者の道を曲げ、父と子が同じ女のところに通って、わたしの聖なる名を汚している。
0208 彼らは、すべての祭壇のそばで、質に取った着物の上に横たわり、罰金で取り立てたぶどう酒を彼らの神の宮で飲んでいる。
0209 エモリ人を彼らの前から滅ぼしたのは、このわたしだ。彼らの背たけは杉の木のように高く、樫の木のように強かった。しかし、わたしはその上の実と下の根とを滅ぼした。
0210 あなたがたをエジプトの地から連れ上り、荒野の中で四十年間あなたがたを導き、エモリ人の地を所有させたのは、このわたしだ。
0211 わたしは、あなたがたの子たちから預言者を起こし、あなたがたの若者から、ナジル人を起こした。イスラエルの子らよ。そうではなかったのか。──【主】の御告げ──
0212 それなのに、あなたがたはナジル人に酒を飲ませ、預言者には、命じて、預言するなと言った。
0213 見よ。束を満載した車が押さえつけるように、わたしはあなたがたを押さえつける。
0214 足の速い者も逃げ場を失い、強い者も力をふるうことができず、勇士もいのちを救うことができない。
0215 弓を取る者も立っていることができず、足の速い者ものがれることができず、馬に乗る者もいのちを救うことができない。
0216 勇士の中の強い者も、その日には裸で逃げる。──【主】の御告げ──」
0301 イスラエルの子らよ。【主】があなたがた、すなわちわたしがエジプトの地から連れ上ったすべての氏族について言った、このことばを聞け。
0302 わたしは地上のすべての部族の中から、あなたがただけを選び出した。それゆえ、わたしはあなたがたのすべての咎をあなたがたに報いる。
0303 ふたりの者は、仲がよくないのに、いっしょに歩くだろうか。
0304 獅子は、獲物がないのに、森の中でほえるだろうか。若い獅子は、何も捕らえないのに、そのほら穴から叫ぶだろうか。
0305 鳥は、わながかけられないのに、地の鳥網にかかるだろうか。鳥網は、何も捕らえないのに、地からはね上がるだろうか。
0306 町で角笛が鳴ったら、民は驚かないだろうか。町にわざわいが起これば、それは【主】が下されるのではないだろうか。
0307 まことに、神である主は、そのはかりごとを、ご自分のしもべ、預言者たちに示さないでは、何事もなさらない。
0308 獅子がほえる。だれが恐れないだろう。神である主が語られる。だれが預言しないでいられよう。
0309 アシュドデの宮殿と、エジプトの地の宮殿に告げて言え。「サマリヤの山々の上に集まり、そのうちの大恐慌と、その中のしいたげを見よ。
0310 彼らは正しいことを行うことを知らない。──【主】の御告げ──彼らは自分たちの宮殿で、暴虐と暴行を重ねている。」
0311 それゆえ、神である主はこう仰せられる。「敵だ。この国を取り囲んでいる。彼はあなたの権威を地に落とし、あなたの宮殿はかすめ奪われる。」
0312 【主】はこう仰せられる。「羊飼いが、雄獅子の口から、二本の足、あるいは耳たぶを取り返すように、サマリヤに住んでいるイスラエルの子らは、寝台の隅やダマスコの長いすから救い出される。」
0313 「聞け。そして、これをヤコブの家に証言せよ。──神である主、万軍の神の御告げ──
0314 まことに、イスラエルがわたしに犯したそむきの罪を、わたしが罰する日に、わたしはベテルの祭壇を罰する。その祭壇の角は折られて、地に落ちる。
0315 わたしは冬の家と夏の家とを打つ。象牙の家々は滅び、多くの家々は消えうせる。──【主】の御告げ──」

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