2801 その同じ年、すなわち、ユダの王ゼデキヤの治世の初め、 四年の 五の月に、ギブオンの出の預言者、アズルの子ハナヌヤが、【主】の宮で、祭司たちとすべての民の前で、私に語って言った。
2802 「イスラエルの神、万軍の【主】は、こう仰せられる。わたしは、バビロンの王のくびきを打ち砕く。
2803 二年のうちに、わたしは、バビロンの王ネブカデネザルがこの所から取って、バビロンに運んだ【主】の宮のすべての器をこの所に帰らせる。
2804 バビロンに行ったエホヤキムの子、ユダの王エコヌヤと、ユダのすべての捕囚の民も、わたしはこの所に帰らせる。──【主】の御告げ──わたしがバビロンの王のくびきを打ち砕くからだ。」
2805 そこで預言者エレミヤは、【主】の宮に立っている祭司たちや、すべての民の前で、預言者ハナヌヤに言った。
2806 預言者エレミヤは言った。「アーメン。そのとおりに【主】がしてくださるように。あなたが預言したことばを【主】が成就させ、【主】の宮の器と、すべての捕囚の民がバビロンからこの所に帰って来るように。
2807 しかし、私があなたの耳と、すべての民の耳に語っているこのことばを聞きなさい。
2808 昔から、私と、あなたの先に出た預言者たちは、多くの国と大きな王国について、戦いとわざわいと疫病とを預言した。
2809 平安を預言する預言者については、その預言者のことばが成就して初めて、ほんとうに【主】が遣わされた預言者だ、と知られるのだ。」
2810 しかし預言者ハナヌヤは、預言者エレミヤの首から例のかせを取り、それを砕いた。
2811 そしてハナヌヤは、すべての民の前でこう言った。「【主】はこう仰せられる。『このとおり、わたしは二年のうちに、バビロンの王ネブカデネザルのくびきを、すべての国の首から砕く。』」そこで、預言者エレミヤは立ち去った。
2812 預言者ハナヌヤが預言者エレミヤの首からかせを取ってこれを砕いて後、エレミヤに次のような【主】のことばがあった。
2813 「行って、ハナヌヤに次のように言え。『【主】はこう仰せられる。あなたは木のかせを砕いたが、その代わりに、鉄のかせを作ることになる。
2814 まことに、イスラエルの神、万軍の【主】は、こう仰せられる。わたしは鉄のくびきをこれらすべての国の首にはめて、バビロンの王ネブカデネザルに仕えさせる。それで彼らは彼に仕える。野の獣まで、わたしは彼に与えた。』」
2815 そこで預言者エレミヤは、預言者ハナヌヤに言った。「ハナヌヤ。聞きなさい。【主】はあなたを遣わされなかった。あなたはこの民を偽りに拠り頼ませた。
2816 それゆえ、【主】はこう仰せられる。『見よ。わたしはあなたを地の面から追い出す。ことし、あなたは死ぬ。【主】への反逆をそそのかしたからだ。』」
2817 預言者ハナヌヤはその年の 七の月に死んだ。
2901 預言者エレミヤは、ネブカデネザルがエルサレムからバビロンへ引いて行った捕囚の民、長老たちで生き残っている者たち、祭司たち、預言者たち、およびすべての民に、エルサレムから手紙を送ったが、そのことばは次のとおりである。
2902 ──これは、エコヌヤ王と王母と宦官たち、ユダとエルサレムの貴族たち、職人と鍛冶屋たちが、エルサレムを出て後、
2903 ユダの王ゼデキヤがバビロンの王ネブカデネザルのもとに、バビロンへ遣わした、シャファンの子エルアサとヒルキヤの子ゲマルヤの手に託したもので、次のように言っている──
2904 イスラエルの神、万軍の【主】は、こう仰せられる。「エルサレムからバビロンへわたしが引いて行かせたすべての捕囚の民に。
2905 家を建てて住みつき、畑を作って、その実を食べよ。
2906 妻をめとって、息子、娘を生み、あなたがたの息子には妻をめとり、娘には夫を与えて、息子、娘を産ませ、そこでふえよ。減ってはならない。
2907 わたしがあなたがたを引いて行ったその町の繁栄を求め、そのために【主】に祈れ。そこの繁栄は、あなたがたの繁栄になるのだから。」
2908 まことに、イスラエルの神、万軍の【主】は、こう仰せられる。「あなたがたのうちにいる預言者たちや、占い師たちにごまかされるな。あなたがたが夢を見させている、あなたがたの夢見る者の言うことを聞くな。
2909 なぜなら、彼らはわたしの名を使って偽りをあなたがたに預言しているのであって、わたしが彼らを遣わしたのではないからだ。──【主】の御告げ──」
2910 まことに、【主】はこう仰せられる。「バビロンに七十年の満ちるころ、わたしはあなたがたを顧み、あなたがたにわたしの幸いな約束を果たして、あなたがたをこの所に帰らせる。
2911 わたしはあなたがたのために立てている計画をよく知っているからだ。──【主】の御告げ──それはわざわいではなくて、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ。
2912 あなたがたがわたしを呼び求めて歩き、わたしに祈るなら、わたしはあなたがたに聞こう。
2913 もし、あなたがたが心を尽くしてわたしを捜し求めるなら、わたしを見つけるだろう。
2914 わたしはあなたがたに見つけられる。──【主】の御告げ──わたしは、あなたがたの繁栄を元どおりにし、わたしがあなたがたを追い散らした先のすべての国々と、すべての場所から、あなたがたを集める。──【主】の御告げ──わたしはあなたがたを引いて行った先から、あなたがたをもとの所へ帰らせる。」
2915 あなたがたは、「【主】は私たちのために、バビロンでも預言者を起こされた」と言っているが、
2916 まことに、【主】は、ダビデの王座に着いている王と、この町に住んでいるすべての民と、捕囚としてあなたがたといっしょに出て行かなかったあなたがたの兄弟について、こう仰せられる。
2917 万軍の【主】はこう仰せられる。「見よ。わたしは彼らの中に、剣とききんと疫病を送り、彼らを悪くて食べられない割れたいちじくのようにする。
2918 わたしは剣とききんと疫病で彼らを追い、彼らを、地のすべての王国のおののきとし、わたしが彼らを追い散らしたすべての国の間で、のろいとし、恐怖とし、あざけりとし、そしりとする。
2919 彼らがわたしのことばを聞かなかったからだ。──【主】の御告げ──わたしが彼らにわたしのしもべである預言者たちを早くからたびたび送ったのに、あなたがたが聞かなかったからだ。──【主】の御告げ──
2920 わたしがエルサレムからバビロンへ送ったすべての捕囚の民よ。【主】のことばを聞け。」
2921 イスラエルの神、万軍の【主】は、わたしの名によってあなたがたに偽りを預言している者であるコラヤの子アハブと、マアセヤの子ゼデキヤについて、こう仰せられる。「見よ。わたしは彼らを、バビロンの王ネブカデレザルの手に渡す。彼はあなたがたの目の前で、彼らを打ち殺す。
2922 バビロンにいるユダの捕囚の民はみな、のろうときに彼らの名を使い、『【主】がおまえをバビロンの王が火で焼いたゼデキヤやアハブのようにされるように』と言うようになる。
2923 それは、彼らがイスラエルのうちで、恥ずべきことを行い、隣人の妻たちと姦通し、わたしの命じもしなかった偽りのことばをわたしの名によって語ったからである。わたしはそれを知っており、その証人である。──【主】の御告げ──」
2924 あなたはネヘラム人シェマヤに次のように言わなければならない。
2925 「イスラエルの神、万軍の【主】は、次のように仰せられる。あなたは、あなたの名によって、エルサレムにいるすべての民と、マアセヤの子、祭司ゼパニヤ、および、すべての祭司に次のような手紙を送った。
2926 『【主】は、祭司エホヤダの代わりに、あなたを祭司とされましたが、それは、あなたを【主】の宮の監督者に任じて、すべて狂って預言をする者に備え、そういう者に足かせや、首かせをはめるためでした。
2927 それなのに、なぜ、今あなたは、あなたがたに預言しているアナトテ人エレミヤを責めないのですか。
2928 それで、彼はバビロンの私たちのところに使いをよこして、それは長く続く。家を建てて住みつき、畑を作ってその実を食べなさいと、言わせたのです。』」
2929 ──祭司ゼパニヤがこの手紙を預言者エレミヤに読んで聞かせたとき、
2930 エレミヤに次のような【主】のことばがあった。──
2931 「すべての捕囚の民に言い送れ。【主】はネヘラム人シェマヤにこう仰せられる。わたしはシェマヤを遣わさなかったのに、シェマヤがあなたがたに預言し、あなたがたを偽りに拠り頼ませた。
2932 それゆえ、【主】はこう仰せられる。『見よ。わたしはネヘラム人シェマヤと、その子孫とを罰する。彼に属する者で、だれもこの民の中に住んで、わたしがわたしの民に行おうとしている良いことを見る者はいない。──【主】の御告げ──彼が【主】に対する反逆をそそのかしたからである。』」
3001 【主】からエレミヤにあったみことばは、次のとおりである。
3002 イスラエルの神、【主】はこう仰せられる。「わたしがあなたに語ったことばをみな、書物に書きしるせ。
3003 見よ。その日が来る。──【主】の御告げ──その日、わたしは、わたしの民イスラエルとユダの繁栄を元どおりにすると、【主】は言う。わたしは彼らをその先祖たちに与えた地に帰らせる。彼らはそれを所有する。」
3004 【主】がイスラエルとユダについて語られたことばは次のとおりである。
3005 まことに【主】はこう仰せられる。「おののきの声を、われわれは聞いた。恐怖があって平安はない。
3006 男が子を産めるか、さあ、尋ねてみよ。わたしが見るのに、なぜ、男がみな、産婦のように腰に手を当てているのか。なぜ、みなの顔が青く変わっているのか。
3007 ああ。その日は大いなる日、比べるものもない日だ。それはヤコブにも苦難の時だ。しかし彼はそれから救われる。
3008 その日になると、──万軍の【主】の御告げ──わたしは彼らの首のくびきを砕き、彼らのなわめを解く。他国人は二度と彼らを奴隷にしない。
3009 彼らは彼らの神、【主】と、わたしが彼らのために立てる彼らの王ダビデに仕えよう。
3010 わたしのしもべヤコブよ。恐れるな。──【主】の御告げ──イスラエルよ。おののくな。見よ。わたしが、あなたを遠くから、あなたの子孫を捕囚の地から、救うからだ。ヤコブは帰って来て、平穏に安らかに生き、おびえさせる者はだれもいない。
3011 わたしがあなたとともにいて、──【主】の御告げ──あなたを救うからだ。わたしは、あなたを散らした先のすべての国々を滅ぼし尽くすからだ。しかし、わたしはあなたを滅ぼし尽くさない。公義によって、あなたを懲らしめ、あなたを罰せずにおくことは決してないが。」
3012 まことに【主】はこう仰せられる。「あなたの傷はいやしにくく、あなたの打ち傷は痛んでいる。
3013 あなたの訴えを弁護する者もなく、はれものに薬をつけて、あなたをいやす者もいない。
3014 あなたの恋人はみな、あなたを忘れ、あなたを尋ねようともしない。わたしが、敵を打つようにあなたを打ち、ひどい懲らしめをしたからだ。あなたの咎が大きく、あなたの罪が重いために。
3015 なぜ、あなたは自分の傷のために叫ぶのか。あなたの痛みは直らないのか。あなたの咎が大きく、あなたの罪が重いため、わたしはこれらの事を、あなたにしたのだ。
3016 しかし、あなたを食う者はみな、かえって食われ、あなたの敵はみな、とりことなって行き、あなたから略奪した者は、略奪され、あなたをかすめ奪った者は、わたしがみな獲物として与える。
3017 わたしがあなたの傷を直し、あなたの打ち傷をいやすからだ。──【主】の御告げ──あなたが、捨てられた女、だれも尋ねて来ないシオン、と呼ばれたからだ。」
3018 【主】はこう仰せられる。「見よ。わたしはヤコブの天幕の繁栄を元どおりにし、その住まいをあわれもう。町はその廃墟の上に建て直され、宮殿は、その定められている所に建つ。
3019 彼らの中から、感謝と、喜び笑う声がわき出る。わたしは人をふやして減らさず、彼らを尊くして、軽んじられないようにする。
3020 その子たちは昔のようになり、その会衆はわたしの前で堅く立てられる。わたしはこれを圧迫する者をみな罰する。
3021 その権力者は、彼らのうちのひとり、その支配者はその中から出る。わたしは彼を近づけ、彼はわたしに近づく。わたしに近づくためにいのちをかける者は、いったいだれなのか。──【主】の御告げ──
3022 あなたがたはわたしの民となり、わたしはあなたがたの神となる。」
3023 見よ。【主】の暴風、──憤り。──吹きつける暴風が起こり、悪者の頭上にうずを巻く。
3024 【主】の燃える怒りは、御心の思うところを行って、成し遂げるまで去ることはない。終わりの日に、あなたがたはそれを悟ろう。