イザヤ書

5501 ああ。渇いている者はみな、水を求めて出て来い。金のない者も。さあ、穀物を買って食べよ。さあ、金を払わないで、穀物を買い、代価を払わないで、ぶどう酒と乳を買え。
5502 なぜ、あなたがたは、食糧にもならない物のために金を払い、腹を満たさない物のために労するのか。わたしに聞き従い、良い物を食べよ。そうすれば、あなたがたは脂肪で元気づこう。
5503 耳を傾け、わたしのところに出て来い。聞け。そうすれば、あなたがたは生きる。わたしはあなたがたととこしえの契約、ダビデへの変わらない愛の契約を結ぶ。
5504 見よ。わたしは彼を諸国の民への証人とし、諸国の民の君主とし、司令官とした。
5505 見よ。あなたの知らない国民をあなたが呼び寄せると、あなたを知らなかった国民が、あなたのところに走って来る。これは、あなたの神、【主】のため、また、あなたを輝かせたイスラエルの聖なる方のためである。
5506 【主】を求めよ。お会いできる間に。近くにおられるうちに、呼び求めよ。
5507 悪者はおのれの道を捨て、不法者はおのれのはかりごとを捨て去れ。【主】に帰れ。そうすれば、主はあわれんでくださる。私たちの神に帰れ。豊かに赦してくださるから。
5508 「わたしの思いは、あなたがたの思いと異なり、わたしの道は、あなたがたの道と異なるからだ。──【主】の御告げ──
5509 天が地よりも高いように、わたしの道は、あなたがたの道よりも高く、わたしの思いは、あなたがたの思いよりも高い。
5510 雨や雪が天から降ってもとに戻らず、必ず地を潤し、それに物を生えさせ、芽を出させ、種蒔く者には種を与え、食べる者にはパンを与える。
5511 そのように、わたしの口から出るわたしのことばも、むなしく、わたしのところに帰っては来ない。必ず、わたしの望む事を成し遂げ、わたしの言い送った事を成功させる。
5512 まことに、あなたがたは喜びをもって出て行き、安らかに導かれて行く。山と丘は、あなたがたの前で喜びの歌声をあげ、野の木々もみな、手を打ち鳴らす。
5513 いばらの代わりにもみの木が生え、おどろの代わりにミルトスが生える。これは【主】の記念となり、絶えることのない永遠のしるしとなる。」
5601 【主】はこう仰せられる。「公正を守り、正義を行え。わたしの救いが来るのは近く、わたしの義が現れるのも近いからだ。」
5602 幸いなことよ。安息日を守ってこれを汚さず、どんな悪事にもその手を出さない、このように行う人、これを堅く保つ人の子は。
5603 【主】に連なる外国人は言ってはならない。「【主】はきっと、私をその民から切り離される」と。宦官も言ってはならない。「ああ、私は枯れ木だ」と。
5604 まことに【主】はこう仰せられる。「わたしの安息日を守り、わたしの喜ぶ事を選び、わたしの契約を堅く保つ宦官たちには、
5605 わたしの家、わたしの城壁のうちで、息子、娘たちにもまさる分け前と名を与え、絶えることのない永遠の名を与える。
5606 また、【主】に連なって主に仕え、【主】の名を愛して、そのしもべとなった外国人がみな、安息日を守ってこれを汚さず、わたしの契約を堅く保つなら、
5607 わたしは彼らを、わたしの聖なる山に連れて行き、わたしの祈りの家で彼らを楽しませる。彼らの全焼のいけにえやその他のいけにえは、わたしの祭壇の上で受け入れられる。わたしの家は、すべての民の祈りの家と呼ばれるからだ。
5608 ──イスラエルの散らされた者たちを集める神である主の御告げ──わたしは、すでに集められた者たちに、さらに集めて加えよう。」
5609 野のすべての獣、林の中のすべての獣よ。食べに来い。
5610 見張り人はみな目が見えず、知ることがない。彼らはみな口のきけない犬、ほえることもできない。あえいで、横になり、眠りをむさぼる。
5611 この貪欲な犬どもは、足ることを知らない。彼らは、悟ることも知らない牧者で、みな、自分かってな道に向かい、ひとり残らず自分の利得に向かって行く。
5612 「やって来い。ぶどう酒を持って来るから、強い酒を浴びるほど飲もう。あすもきょうと同じだろう。もっと、すばらしいかもしれない。」
5701 義人が滅びても心に留める者はなく、誠実な人が取り去られても、心を向ける者もいない。まことに、義人はわざわいから取り去られて、
5702 平安に入り、まっすぐに歩む人は、自分の寝床で休むことができる。
5703 しかし、あなたがた、女卜者の子ら、姦夫と遊女のすえよ。ここに近寄れ。
5704 あなたがたは、だれをからかい、だれに向かって口を大きく開いて、舌を出すのか。あなたがたはそむきの子ら、偽りのすえではないか。
5705 あなたがたは、樫の木の間や、すべての生い茂る木の下で、身を焦がし、谷や、岩のはざまで子どもをほふっているではないか。
5706 谷川のなめらかな石がおまえの分け前、そこいらの石が、おまえの受ける割り当て。それらに、おまえは、注ぎのぶどう酒を注ぎ、穀物のささげ物をささげているが、こんな物で、わたしが慰められようか。
5707 そびえる高い山の上に、あなたは寝床を設け、そこにも、上って行ってあなたはいけにえをささげた。
5708 あなたは、とびらと柱のうしろに、あなたを象徴する像を置いた。あなたはわたしを捨てて、裸になり、寝床に上ってそれを広げ、彼らと契りを結び、彼らの寝床を愛し、その象徴物を見た。
5709 あなたは油を携えてモレクのところまで旅し、香料を増し加え、あなたの使者たちを遠くまで送り出し、よみにまでも下らせた。
5710 あなたは、長い旅に疲れても、「あきらめた」とは言わなかった。あなたは元気を回復し、弱らなかった。
5711 あなたは、だれにおじけ、だれを恐れて、まやかしを言うのか。あなたはわたしを思い出さず、心にも留めなかった。わたしが久しく、黙っていたので、わたしを恐れないのではないか。
5712 わたしは、あなたの義と、あなたのした事どもを告げよう。しかし、それはあなたの益にはならない。
5713 あなたが叫ぶとき、あなたが集めたものどもに、あなたを救わせよ。風が、それらをみな運び去り、息がそれらを連れ去ってしまう。しかし、わたしに身を寄せる者は、地を受け継ぎ、わたしの聖なる山を所有することができる。
5714 主は仰せられる。「盛り上げよ。土を盛り上げて、道を整えよ。わたしの民の道から、つまずきを取り除け。」
5715 いと高くあがめられ、永遠の住まいに住み、その名を聖ととなえられる方が、こう仰せられる。「わたしは、高く聖なる所に住み、心砕かれて、へりくだった人とともに住む。へりくだった人の霊を生かし、砕かれた人の心を生かすためである。
5716 わたしはいつまでも争わず、いつも怒ってはいない。わたしから出る霊と、わたしが造ったたましいが衰え果てるから。
5717 彼のむさぼりの罪のために、わたしは、怒って彼を打ち、顔を隠して怒った。しかし、彼はなおそむいて、自分の思う道を行った。
5718 わたしは彼の道を見たが、彼をいやそう。わたしは彼を導き、彼と、その悲しむ者たちとに、慰めを報いよう。
5719 わたしはくちびるの実を創造した者。平安あれ。遠くの者にも近くの者にも平安あれ。わたしは彼をいやそう」と【主】は仰せられる。
5720 しかし悪者どもは、荒れ狂う海のようだ。静まることができず、水が海草と泥を吐き出すからである。
5721 「悪者どもには平安がない」と私の神は仰せられる。

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