2201 幻の谷に対する宣告。これはいったいどうしたことか。おまえたちみな、屋根に上って。
2202 喧噪に満ちた、騒がしい町、おごった都よ。おまえのうちの殺された者たちは、剣で刺し殺されたのでもなく、戦死したのでもない。
2203 おまえの首領たちは、こぞって逃げた。彼らは弓を引かないうちに捕らえられ、おまえのうちの見つけられた者も、遠くへ逃げ去る前に、みな捕らえられた。
2204 それで、私は言う。「私から目をそらしてくれ、私は激しく泣きたいのだ。私の民、この娘の破滅のことで、無理に私を慰めてくれるな。」
2205 なぜなら、恐慌と蹂躙と混乱の日は、万軍の神、主から来るからだ。幻の谷では、城壁の崩壊、山への叫び。
2206 エラムは矢筒を負い、戦車と兵士と騎兵を引き連れ、キルは盾のおおいを取った。
2207 おまえの最も美しい谷は戦車で満ち、騎兵は城門で立ち並んだ。
2208 こうしてユダのおおいは除かれ、その日、おまえは森の宮殿の武器に目を向けた。
2209 おまえたちは、ダビデの町の破れの多いのを見て、下の池の水を集めた。
2210 また、エルサレムの家を数え、その家をこわして城壁を補強し、
2211 二重の城壁の間に貯水池を造って、古い池の水を引いた。しかし、おまえたちは、これをなさった方に目もくれず、昔からこれを計画された方を目にも留めなかった。
2212 その日、万軍の神、主は、「泣け。悲しめ。頭を丸めて、荒布をまとえ」と呼びかけられたのに、
2213 なんと、おまえたちは楽しみ喜び、牛を殺し、羊をほふり、肉を食らい、ぶどう酒を飲み、「飲めよ。食らえよ。どうせ、あすは死ぬのだから」と言っている。
2214 そこで万軍の【主】は、私の耳を開かれた。「この罪は、おまえたちが死ぬまでは決して赦されない」と、万軍の神、主は仰せられた。
2215 万軍の神、主は、こう仰せられる。さあ、宮廷をつかさどるあの執事シェブナのところに行け。
2216 あなたは自分のために、ここに墓を掘ったが、ここはあなたに何のかかわりがあるのか。ここはあなたのだれにかかわりがあるのか。高い所に自分の墓を掘り、岩に自分の住まいを刻んで。
2217 ああ、ますらおよ。【主】はあなたを遠くに投げやる。主はあなたをわしづかみにし、
2218 あなたをまりのように、くるくる丸めて、広い広い地に投げ捨てる。あなたはそこで死ぬ。あなたの誇った車もそこで。主人の家の恥さらしよ。
2219 わたしはあなたをその職から追放し、あなたの地位から引き降ろす。
2220 その日、わたしは、わたしのしもべ、ヒルキヤの子エルヤキムを召し、
2221 あなたの長服を彼に着せ、あなたの飾り帯を彼に締め、あなたの権威を彼の手にゆだねる。彼はエルサレムの住民とユダの家の父となる。
2222 わたしはまた、ダビデの家のかぎを彼の肩に置く。彼が開くと、閉じる者はなく、彼が閉じると、開く者はない。
2223 わたしは、彼を一つの釘として、確かな場所に打ち込む。彼はその父の家にとって栄光の座となる。
2224 彼の上に、父の家のすべての栄光がかけられる。子も孫も、すべての小さい器も、鉢の類からすべてのつぼの類に至るまで。
2225 その日、──万軍の【主】の御告げ──確かな場所に打ち込まれた一つの釘は抜き取られ、折られて落ち、その上にかかっていた荷も取りこわされる。【主】が語られたのだ。
2301 ツロに対する宣告。タルシシュの船よ。泣きわめけ。ツロは荒らされて、家も港もなくなった、とキティムの地から、彼らに示されたのだ。
2302 海辺の住民よ。黙せ。海を渡るシドンの商人はあなたを富ませていた。
2303 大海によって、シホルの穀物、ナイルの刈り入れがあなたの収穫となり、あなたは諸国と商いをしていた。
2304 シドンよ、恥を見よ、と海が言う。海のとりでがこう言っている。「私は産みの苦しみをせず、子を産まず、若い男を育てず、若い女を養ったこともない。」
2305 エジプトがこのツロのうわさを聞いたなら、ひどく苦しもう。
2306 海辺の住民よ。タルシシュへ渡り、泣きわめけ。
2307 これが、あなたがたのおごった町なのか。その起こりは古く、その足を遠くに運んで移住したものを。
2308 だれが、王冠をいただくツロに対してこれを計ったのか。その商人は君主たち、そのあきゅうどは世界で最も尊ばれていたのに。
2309 万軍の【主】がそれを計り、すべての麗しい誇りを汚し、すべて世界で最も尊ばれている者を卑しめられた。
2310 タルシシュの娘よ。ナイル川のように、自分の国にあふれよ。だが、もうこれを制する者がいない。
2311 主は御手を海の上に伸ばし、王国をおののかせた。【主】は命令を下してカナンのとりでを滅ぼした。
2312 そして仰せられた。「もう二度とこおどりして喜ぶな。しいたげられたおとめ、シドンの娘よ。立ってキティムに渡れ。そこでもあなたは休めない。」
2313 見よ、カルデヤ人の国を。──この民はもういない。アッシリヤ人がこれを荒野の獣の住む所にした。──彼らは、やぐらを立てて、その宮殿をかすめ、そこを廃墟にした。
2314 タルシシュの船よ。泣きわめけ。あなたがたのとりでが荒らされたからだ。
2315 その日になると、ツロは、ひとりの王の年代の七十年の間忘れられる。七十年が終わって、ツロは遊女の歌のようになる。
2316 「立琴を取り、町を巡れ、忘れられた遊女よ。うまくひけ、もっと歌え、思い出してもらうために。」
2317 七十年がたつと、【主】はツロを顧みられるので、彼女は再び遊女の報酬を得、地のすべての王国と地上で淫行を行う。
2318 その儲け、遊女の報酬は、【主】にささげられ、それはたくわえられず、積み立てられない。その儲けは、【主】の前に住む者たちが、飽きるほど食べ、上等の着物を着るためのものとなるからだ。
2401 見よ。【主】は地を荒れすたらせ、その面をくつがえして、その住民を散らされる。
2402 民は祭司と等しくなり、奴隷はその主人と、女奴隷はその女主人と、買い手は売り手と、貸す者は借りる者と、債権者は債務者と等しくなる。
2403 地は荒れに荒れ、全くかすめ奪われる。【主】がこのことばを語られたからである。
2404 地は嘆き悲しみ、衰える。世界はしおれ、衰える。天も地とともにしおれる。
2405 地はその住民によって汚された。彼らが律法を犯し、定めを変え、とこしえの契約を破ったからである。
2406 それゆえ、のろいは地を食い尽くし、その地の住民は罪ある者とされる。それゆえ、地の住民は減り、わずかな者が残される。
2407 新しいぶどう酒は嘆き悲しみ、ぶどうの木はしおれ、心楽しむ者はみな、ため息をつく。
2408 陽気なタンバリンの音は終わり、はしゃぐ者の騒ぎもやみ、陽気な立琴の音も終わる。
2409 歌いながらぶどう酒を飲むこともなく、強い酒を飲んでも、それは苦い。
2410 都はこわされて荒地のようになり、すべての家は閉ざされて、入れない。
2411 ちまたには、ぶどう酒はなく、悲しみの叫び。すべての喜びは薄れ、地の楽しみは取り去られる。
2412 町はただ荒れ果てたままに残され、城門は打ち砕かれて荒れ果てる。
2413 それは、世界の真ん中で、国々の民の間で、オリーブの木を打つときのように、ぶどうの取り入れが終わって、取り残しの実を集めるときのようになるからだ。
2414 彼らは、声を張り上げて喜び歌い、海の向こうから【主】の威光をたたえて叫ぶ。
2415 それゆえ、東の国々で【主】をあがめ、西の島々で、イスラエルの神、【主】の御名をあがめよ。
2416 私たちは、「正しい者に誉れあれ」という地の果てからのほめ歌を聞く。しかし、私は言った。「私はだめだ、私はだめだ。なんと私は不幸なことか。裏切る者は裏切り、裏切り者は、裏切り、裏切った。」
2417 地上の住民よ。恐れと、落とし穴と、わなとがあなたにかけられ、
2418 その恐れの叫びから逃げる者は、その落とし穴に落ち、落とし穴からはい上がる者は、そのわなに捕らえられる。天の窓が開かれ、地の基が震えるからだ。
2419 地は裂けに裂け、地はゆるぎにゆるぎ、地はよろめきによろめく。
2420 地は酔いどれのように、ふらふら、ふらつき、仮小屋のように揺り動かされる。そのそむきの罪が地の上に重くのしかかり、地は倒れて、再び起き上がれない。
2421 その日、【主】は天では天の大軍を、地では地上の王たちを罰せられる。
2422 彼らは囚人が地下牢に集められるように集められ、牢獄に閉じ込められ、それから何年かたって後、罰せられる。
2423 月ははずかしめを受け、日も恥を見る。万軍の【主】がシオンの山、エルサレムで王となり、栄光がその長老たちの前に輝くからである。