箴言

0401 子どもらよ。父の訓戒に聞き従い、悟りを得るように心がけよ。
0402 私は良い教訓をあなたがたに授けるからだ。私のおしえを捨ててはならない。
0403 私が、私の父には、子であり、私の母にとっては、おとなしいひとり子であったとき、
0404 父は私を教えて言った。「私のことばを心に留め、私の命令を守って、生きよ。
0405 知恵を得よ。悟りを得よ。忘れてはならない。私の口の授けたことばからそれてはならない。
0406 知恵を捨てるな。それがあなたを守る。これを愛せ。これがあなたを保つ。
0407 知恵の初めに、知恵を得よ。あなたのすべての財産をかけて、悟りを得よ。
0408 それを尊べ。そうすれば、それはあなたを高めてくれる。それを抱きしめると、それはあなたに誉れを与える。
0409 それはあなたの頭に麗しい花輪を与え、光栄の冠をあなたに授けよう。」
0410 わが子よ。聞け。私の言うことを受け入れよ。そうすれば、あなたのいのちの年は多くなる。
0411 私は知恵の道をあなたに教え、正しい道筋にあなたを導いた。
0412 あなたが歩むとき、その歩みは妨げられず、走るときにも、つまずくことはない。
0413 訓戒を堅く握って、手放すな。それを見守れ。それはあなたのいのちだから。
0414 悪者どもの道に入るな。悪人たちの道を歩むな。
0415 それを無視せよ。そこを通るな。それを避けて通れ。
0416 彼らは悪を行わなければ、眠ることができず、人をつまずかせなければ、眠りが得られない。
0417 彼らは不義のパンを食べ、暴虐の酒を飲むからだ。
0418 義人の道は、あけぼのの光のようだ。いよいよ輝きを増して真昼となる。
0419 悪者の道は暗やみのようだ。彼らは何につまずくかを知らない。
0420 わが子よ。私のことばをよく聞け。私の言うことに耳を傾けよ。
0421 それをあなたの目から離さず、あなたの心のうちに保て。
0422 見いだす者には、それはいのちとなり、その全身を健やかにする。
0423 力の限り、見張って、あなたの心を見守れ。いのちの泉はこれからわく。
0424 偽りを言う口をあなたから取り除き、曲がったことを言うくちびるをあなたから切り離せ。
0425 あなたの目は前方を見つめ、あなたのまぶたはあなたの前をまっすぐに見よ。
0426 あなたの足の道筋に心を配り、あなたのすべての道を堅く定めよ。
0427 右にも左にもそれてはならない。あなたの足を悪から遠ざけよ。
0501 わが子よ。私の知恵に心を留め、私の英知に耳を傾けよ。
0502 これは、分別を守り、あなたのくちびるが知識を保つためだ。
0503 他国の女のくちびるは蜂の巣の蜜をしたたらせ、その口は油よりもなめらかだ。
0504 しかし、その終わりは苦よもぎのように苦く、もろ刃の剣のように鋭い。
0505 その足は死に下り、その歩みはよみに通じている。
0506 その女はいのちの道に心を配らず、その道筋は確かでないが、彼女はそれを知らない。
0507 子どもらよ。今、私に聞け。私の言うことばから離れるな。
0508 あなたの道を彼女から遠ざけ、その家の門に近づくな。
0509 そうでないと、あなたの尊厳を他人に渡し、あなたの年を残忍な者に渡すだろう。
0510 そうでないと、他国人があなたの富で満たされ、あなたの労苦の実は見知らぬ者の家に渡るだろう。
0511 そして、あなたの終わりに、あなたの肉とからだが滅びるとき、あなたは嘆くだろう。
0512 そのとき、あなたは言おう。「ああ、私は訓戒を憎み、私の心は叱責を侮った。
0513 私は私の教師の声に聞き従わず、私を教える者に耳を傾けなかった。
0514 私は、集会、会衆のただ中で、ほとんど最悪の状態であった」と。
0515 あなたの水ためから、水を飲め。豊かな水をあなたの井戸から。
0516 あなたの泉を外に散らし、通りを水路にしてよいものか。
0517 それを自分だけのものにせよ。あなたのところにいる他国人のものにするな。
0518 あなたの泉を祝福されたものとし、あなたの若い時の妻と喜び楽しめ。
0519 愛らしい雌鹿、いとしいかもしかよ。その乳房がいつもあなたを酔わせ、いつも彼女の愛に夢中になれ。
0520 わが子よ。あなたはどうして他国の女に夢中になり、見知らぬ女の胸を抱くのか。
0521 人の道は【主】の目の前にあり、主はその道筋のすべてに心を配っておられる。
0522 悪者は自分の咎に捕らえられ、自分の罪のなわにつながれる。
0523 彼は懲らしめがないために死に、その愚かさが大きいためにあやまちを犯す。
0601 わが子よ。もし、あなたが隣人のために保証人となり、他国人のために誓約をし、
0602 あなたの口のことばによって、あなた自身がわなにかかり、あなたの口のことばによって、捕らえられたなら、
0603 わが子よ、そのときにはすぐこうして、自分を救い出すがよい。あなたは隣人の手に陥ったのだから、行って、伏して隣人にしつこくせがむがよい。
0604 あなたの目を眠らせず、あなたのまぶたをまどろませず、
0605 かもしかが狩人の手からのがれるように、鳥が鳥を取る者の手からのがれるように自分を救い出せ。
0606 なまけ者よ。蟻のところへ行き、そのやり方を見て、知恵を得よ。
0607 蟻には首領もつかさも支配者もいないが、
0608 夏のうちに食物を確保し、刈り入れ時に食糧を集める。
0609 なまけ者よ。いつまで寝ているのか。いつ目をさまして起きるのか。
0610 しばらく眠り、しばらくまどろみ、しばらく手をこまねいて、また休む。
0611 だから、あなたの貧しさは浮浪者のように、あなたの乏しさは横着者のようにやって来る。
0612 よこしまな者や不法の者は、曲がったことを言って歩き回り、
0613 目くばせをし、足で合図し、指でさし、
0614 そのねじれた心は、いつも悪を計り、争いをまき散らす。
0615 それゆえ、災害は突然やって来て、彼はたちまち滅ぼされ、いやされることはない。
0616 【主】の憎むものが六つある。いや、主ご自身の忌みきらうものが七つある。
0617 高ぶる目、偽りの舌、罪のない者の血を流す手、
0618 邪悪な計画を細工する心、悪へ走るに速い足、
0619 まやかしを吹聴する偽りの証人、兄弟の間に争いをひき起こす者。
0620 わが子よ。あなたの父の命令を守れ。あなたの母の教えを捨てるな。
0621 それをいつも、あなたの心に結び、あなたの首の回りに結びつけよ。
0622 これは、あなたが歩くとき、あなたを導き、あなたが寝るとき、あなたを見守り、あなたが目ざめるとき、あなたに話しかける。
0623 命令はともしびであり、おしえは光であり、訓戒のための叱責はいのちの道であるからだ。
0624 これはあなたを悪い女から守り、見知らぬ女のなめらかな舌から守る。
0625 彼女の美しさを心に慕うな。そのまぶたに捕らえられるな。
0626 遊女はひとかたまりのパンで買えるが、人妻は尊いいのちをあさるからだ。
0627 人は火をふところにかき込んで、その着物が焼けないだろうか。
0628 また人が、熱い火を踏んで、その足が焼けないだろうか。
0629 隣の人の妻と姦通する者は、これと同じこと、その女に触れた者はだれでも罰を免れない。
0630 盗人が飢え、自分の飢えを満たすために盗んだとしたら、人々はその者をさげすまないであろうか。
0631 もし、つかまえられたなら、彼は七倍を償い、自分の家の財産をことごとく与えなければならない。
0632 女と姦通する者は思慮に欠けている。これを行う者は自分自身を滅ぼす。
0633 彼は傷と恥辱とを受けて、そのそしりを消し去ることができない。
0634 嫉妬が、その夫を激しく憤らせて、夫が復讐するとき、彼を容赦しないからだ。
0635 彼はどんな償い物も受けつけず、多くの贈り物をしても、彼は和らがない。

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