詩篇

010001 【主】よ。なぜ、あなたは遠く離れてお立ちなのですか。苦しみのときに、なぜ、身を隠されるのですか。
010002 悪者は高ぶって、悩む人に追い迫ります。彼らが、おのれの設けたたくらみにみずから捕らえられますように。
010003 悪者はおのれの心の欲望を誇り、貪欲な者は、【主】をのろい、また、侮る。
010004 悪者は高慢を顔に表して、神を尋ね求めない。その思いは「神はいない」の一言に尽きる。
010005 彼の道はいつも栄え、あなたのさばきは高くて、彼の目に、入らない。敵という敵を、彼は吹き飛ばす。
010006 彼は心の中で言う。「私はゆるぐことがなく、代々にわたって、わざわいに会わない。」
010007 彼の口は、のろいと欺きとしいたげに満ち、彼の舌の裏には害毒と悪意がある。
010008 彼は村はずれの待ち伏せ場にすわり、隠れた所で、罪のない人を殺す。彼の目は不幸な人をねらっている。
010009 彼は茂みの中の獅子のように隠れ場で待ち伏せている。彼は悩む人を捕らえようと待ち伏せる。悩む人を、その網にかけて捕らえてしまう。
010010 不幸な人は、強い者によって砕かれ、うずくまり、倒れる。
010011 彼は心の中で言う。「神は忘れている。顔を隠している。彼は決して見はしないのだ。」
010012 【主】よ。立ち上がってください。神よ。御手を上げてください。どうか、貧しい者を、忘れないでください。
010013 なぜ、悪者は、神を侮るのでしょうか。彼は心の中で、あなたは追い求めないと言っています。
010014 あなたは、見ておられました。害毒と苦痛を。彼らを御手の中に収めるためにじっと見つめておられました。不幸な人は、あなたに身をゆだねます。あなたはみなしごを助ける方でした。
010015 悪者と、よこしまな者の腕を折り、その悪を捜し求めて一つも残らぬようにしてください。
010016 【主】は世々限りなく王である。国々は、主の地から滅びうせた。
010017 【主】よ。あなたは貧しい者の願いを聞いてくださいました。あなたは彼らの心を強くしてくださいます。耳を傾けて、
010018 みなしごと、しいたげられた者をかばってくださいます。地から生まれた人間がもはや、脅かすことができないように。
011001 【主】に私は身を避ける。どうして、あなたたちは私のたましいに言うのか。「鳥のように、おまえたちの山に飛んで行け。
011002 それ、見よ。悪者どもが弓を張り、弦に矢をつがえ、暗やみで心の直ぐな人を射ぬこうとしている。
011003 拠り所がこわされたら正しい者に何ができようか。」
011004 【主】は、その聖座が宮にあり、【主】は、その王座が天にある。その目は見通し、そのまぶたは、人の子らを調べる。
011005 【主】は正しい者と悪者を調べる。そのみこころは、暴虐を好む者を憎む。
011006 主は、悪者の上に網を張る。火と硫黄。燃える風が彼らの杯への分け前となろう。
011007 【主】は正しく、正義を愛される。直ぐな人は、御顔を仰ぎ見る。
012001 【主】よ。お救いください。聖徒はあとを絶ち、誠実な人は人の子らの中から消え去りました。
012002 人は互いにうそを話し、へつらいのくちびると、二心で話します。
012003 【主】が、へつらいのくちびると傲慢の舌とを、ことごとく断ち切ってくださいますように。
012004 彼らはこう言うのです。「われらはこの舌で勝つことができる。われらのくちびるはわれらのものだ。だれが、われらの支配者なのか。」
012005 【主】は仰せられる。「悩む人が踏みにじられ、貧しい人が嘆くから、今、わたしは立ち上がる。わたしは彼を、その求める救いに入れよう。」
012006 【主】のみことばは混じりけのないことば。土の炉で七回もためされて、純化された銀。
012007 あなたが、【主】よ、彼らをお守りになります。あなたはこの時代からとこしえまでも彼らを保たれます。
012008 人の子の間で、卑しいことがあがめられているときには、悪者が、至る所で横行します。

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