2501 アマツヤは二十五歳で王となり、エルサレムで二十九年間、王であった。彼の母の名はエホアダンといい、エルサレムの出であった。
2502 彼は【主】の目にかなうことを行ったが、全き心をもってではなかった。
2503 彼の王国が強くなると、彼は自分の父、王を打ち殺した家来たちを殺した。
2504 しかし、彼らの子どもたちは殺さなかった。それは、モーセの書の律法にしるされているところによったからである。【主】はこう命じておられた。「父親が子どものために殺されてはならない。子どもが父親のために殺されてはならない。人が殺されるのは、自分の罪のためでなければならないからである。」
2505 アマツヤはユダを召集し、ユダおよびベニヤミン全員を、千人隊の長、百人隊の長の下に、父祖の家ごとに整列させた。こうして、二十歳以上の者を登録し、従軍して槍と大盾を手にする精鋭三十万人を得た。
2506 さらに、彼はイスラエルから、銀百タラントで、十万人の勇士を雇った。
2507 神の人が彼のもとに来て言った。「王よ。イスラエルの軍勢をあなたとともに行かせてはなりません。【主】は、イスラエル、すなわち、すべてのエフライム族とは、共におられないからです。
2508 それでも、あなたが行くと言われるのなら、そうしなさい。雄々しく戦いなさい。神は敵の前にあなたをつまずかせられます。神には、助ける力があり、つまずかせる力もあるからです。」
2509 アマツヤは神の人に言った。「では、イスラエルの軍勢に与えた百タラントはどうしたらよいのか。」神の人は答えた。「【主】はそれよりも多くのものをあなたに与えることがおできになります。」
2510 そこで、アマツヤは、エフライムから彼のもとに来た軍隊を取り分けて、彼らの所に帰したので、彼らはユダに向かって怒りを激しく燃やし、怒りに燃えながら、自分たちのところへ帰った。
2511 アマツヤは奮い立って、その民を率いて塩の谷に行き、セイルの者たち一万人を打った。
2512 ユダ族は一万人を生けどりにして、彼らを岩の頂上に連れて行き、その岩の頂上から、彼らを投げ落とした。彼らはひとり残らず砕かれてしまった。
2513 アマツヤが自分とともに戦いに行かせずに帰した軍隊の者たちは、サマリヤからベテ・ホロンに及ぶユダの町々に突入し、三千人を打って、多くの物をかすめ奪った。
2514 アマツヤは、エドム人を打ち殺して帰って来て後、セイルの者たちの神々を持ち帰り、これを自分の神々として立て、その前に伏し拝み、これに香をたいた。
2515 そこで、【主】はアマツヤに向かって怒りを燃やし、彼のもとに預言者を遣わして、彼に仰せられた。「なぜ、あなたは、あなたの手からその民を救い出すこともできないような神々を求めたのか。」
2516 彼が王に語っているうちに、王は彼に言った。「私たちはあなたを王の議官に任じたのか。身のためを思ってやめなさい。なぜ、打ち殺されるようなことをするのか。」そこで、預言者はやめて言った。「私は神があなたを滅ぼそうと計画しておられるのを知りました。あなたがこれを行い、私の勧めを聞かなかったからです。」
2517 そののち、ユダの王アマツヤは、よく考えたうえで、エフーの子エホアハズの子、イスラエルの王ヨアシュに、使者を送って言った。「さあ、勝敗を決めようではないか。」
2518 すると、イスラエルの王ヨアシュは、ユダの王アマツヤに使者を送って言った。「レバノンのあざみが、レバノンの杉に使者を送って、『あなたの娘を私の息子の嫁にくれないか』と言ったが、レバノンの野の獣が通り過ぎて、そのあざみを踏みにじった。
2519 あなたは、どうだ、自分はエドムを打ち破ったと言った。あなたの心は高ぶり、誇っている。今は、自分の家にとどまっていなさい。なぜ、争いをしかけてわざわいを求め、あなたもユダも共に倒れようとするのか。」
2520 しかし、アマツヤは聞き入れなかった。それは、神から出たことで、彼らがエドムの神々を求めたので、彼らを敵の手に渡すためであった。
2521 そこで、イスラエルの王ヨアシュは攻め上った。それで彼とユダの王アマツヤは、ユダのベテ・シェメシュで対戦したが、
2522 ユダはイスラエルに打ち負かされ、おのおの自分の天幕に逃げ帰った。
2523 イスラエルの王ヨアシュは、エホアハズの子ヨアシュの子、ユダの王アマツヤを、ベテ・シェメシュで捕らえ、エルサレムに連れて来たうえ、エルサレムの城壁をエフライムの門から隅の門まで、四百キュビトにわたって打ちこわした。
2524 またオベデ・エドムの管理していた神の宮にあったすべての金と銀、およびすべての器具、それに王宮の財宝と人質を取って、サマリヤに帰った。
2525 ユダの王ヨアシュの子アマツヤは、イスラエルの王エホアハズの子ヨアシュの死んで後、なお十五年生きながらえた。
2526 アマツヤのその他の業績は、最初から最後まで、ユダとイスラエルの王たちの書にまさしくしるされているではないか。
2527 アマツヤが【主】から離れた時、エルサレムで人々が彼に対して謀反を企てたので、彼はラキシュに逃げた。しかし、彼らはラキシュまで追いかけて、そこで彼を殺した。
2528 彼らは、彼を馬にのせて行って、ユダの町に先祖たちといっしょに葬った。
2601 ユダの民はみな、当時十六歳であったウジヤを立てて、その父アマツヤの代わりに王とした。
2602 彼は、アマツヤが先祖たちとともに眠って後、エラテを再建し、それをユダに復帰させた。
2603 ウジヤは十六歳で王となり、エルサレムで五十二年間、王であった。彼の母の名はエコルヤといい、エルサレムの出であった。
2604 彼はすべて父アマツヤが行ったとおりに、【主】の目にかなうことを行った。
2605 彼は神を認めることを教えたゼカリヤの存命中は、神を求めた。彼が【主】を求めていた間、神は彼を栄えさせた。
2606 彼は出陣してペリシテ人と戦ったとき、ガテの城壁、ヤブネの城壁、アシュドデの城壁を打ちこわし、アシュドデの中の、ペリシテ人たちの間に、町々を築いた。
2607 神は彼を助けて、ペリシテ人、グル・バアルに住むアラビヤ人、メウニム人に立ち向かわせた。
2608 アモン人はウジヤのもとにみつぎものを納めた。こうして、彼の名はエジプトの入口にまで届いた。その勢力が並みはずれて強くなったからである。
2609 ウジヤはエルサレムの隅の門、谷の門および曲がりかどの上にやぐらを建て、これを強固にし、
2610 荒野にやぐらを建て、多くの水ためを掘った。彼は低地にも平野にも多くの家畜を持っていたからである。山地や果樹園には農夫やぶどう作りがいた。彼が農業を好んだからである。
2611 さらに、ウジヤは戦闘部隊をかかえていたが、彼らは、書記エイエルとつかさマアセヤによって登録された人数にしたがって各隊に分かれ、王の隊長のひとり、ハナヌヤの指揮下にいくさに出る者たちであった。
2612 勇士である一族のかしらたちの数はみなで二千六百人であった。
2613 その指揮下には三十万七千五百人の軍勢があり、王を助けて敵に当たる強力な戦闘部隊であった。
2614 ウジヤは、彼ら全軍のために、盾、槍、かぶと、よろい、弓および石投げの石を用意した。
2615 さらに、彼はエルサレムで、巧みに考案された兵器を作り、矢や大石を打ち出すために、やぐらの上や、城壁のかどにある塔の上にこれを据えた。こうして、彼の名は遠くにまで鳴り響いた。彼がすばらしいしかたで、助けを得て強くなったからである。
2616 しかし、彼が強くなると、彼の心は高ぶり、ついに身に滅びを招いた。彼は彼の神、【主】に対して不信の罪を犯した。彼は香の壇の上で香をたこうとして【主】の神殿に入った。
2617 すると彼のあとから、祭司アザルヤが、【主】に仕える八十人の有力な祭司たちとともに入って来た。
2618 彼らはウジヤ王の前に立ちふさがって、彼に言った。「ウジヤよ。【主】に香をたくのはあなたのすることではありません。香をたくのは、聖別された祭司たち、アロンの子らのすることです。聖所から出てください。あなたは不信の罪を犯したのです。あなたには神である【主】の誉れは与えられません。」
2619 ウジヤは激しく怒って、手に香炉を取って香をたこうとした。彼が祭司たちに対して激しい怒りをいだいたとき、その祭司たちの前、【主】の神殿の中、香の壇のかたわらで、突然、彼の額にツァラアトが現れた。
2620 祭司のかしらアザルヤと祭司たち全員が彼のほうを見ると、なんと、彼の額はツァラアトに冒されていた。そこで彼らは急いで彼をそこから連れ出した。彼も自分から急いで出て行った。【主】が彼を打たれたからである。
2621 ウジヤ王は死ぬ日までツァラアトに冒され、ツァラアトに冒された者として隔ての家に住んだ。彼は【主】の宮から絶たれたからである。その子ヨタムが王宮を管理し、この国の人々をさばいていた。
2622 ウジヤのその他の業績は、最初から最後まで、アモツの子預言者イザヤが書きしるした。
2623 ウジヤは彼の先祖たちとともに眠った。人々は彼を王たちの墓地の野に先祖たちとともに葬った。彼がツァラアトに冒された者だと言われていたからである。彼の子ヨタムが代わって王となった。
2701 ヨタムは、二十五歳で王となり、エルサレムで十六年間、王であった。彼の母の名はエルシャといい、ツァドクの娘であった。
2702 彼はすべて、【主】の目にかなうことを行った。父ウジヤが行ったとおりである。ただし、彼は、【主】の神殿に入るようなことはしなかった。民はなお滅びに向かっていた。
2703 彼は【主】の宮の上の門を建てた。また、オフェルの城壁上に、多くのものを建てた。
2704 彼はユダの山地に町々を建て、森林地帯には城塞とやぐらを築いた。
2705 彼はアモン人の王と戦い、彼らに打ち勝ったので、アモン人は、その年に、銀百タラント、小麦一万コル、大麦一万コルを彼に贈った。アモン人はこれだけのものを彼に納めた。 二年にも 三年にも同様にした。
2706 このように、ヨタムは勢力を増し加えた。彼が、彼の神、【主】の前に、自分の道を確かなものとしたからである。
2707 ヨタムのその他の業績、彼の戦いと彼の行いは、イスラエルとユダの王たちの書にまさしくしるされている。
2708 彼は二十五歳で王となり、エルサレムで十六年間、王であった。
2709 ヨタムは彼の先祖たちとともに眠り、人々は彼をダビデの町に葬った。彼の子アハズが代わって王となった。