列王記 第T

0701 ソロモンは自分の宮殿を建て、十三年かかって宮殿全部を完成した。
0702 彼はレバノンの森の宮殿を建てた。その長さは百キュビト、幅は五十キュビト、高さは三十キュビトで、それは四列の杉材の柱の上にあり、その柱の上には杉材の梁があった。
0703 また四十五本の柱──一列に十五本ずつ──の上の階段式脇間の屋根は杉材でふかれていた。
0704 戸口は三列、三階になって、向かい合っていた。
0705 戸口のとびらと戸口の柱とはすべて四辺形で、三階になって向かい合っていた。
0706 彼はまた、柱の広間を造った。その長さは五十キュビト、その幅は三十キュビトであった。その前に玄関があり、その前に柱とひさしとがあった。
0707 彼はまた、さばきをするための王座の広間、さばきの広間を造り、床の隅々から天井まで杉材を張りつめた。
0708 彼の住む家は、その広間のうしろの庭にあり、同じ造作であった。また、ソロモンは、彼がめとったパロの娘のためにも、この広間と同じような家を建てた。
0709 これらはすべて、内側も外側も、寸法どおりにのこぎりで切りそろえた切り石、高価な石で造られていた。礎から頂上に至るまで、さらに外庭から大庭に至るまでそうであった。
0710 礎は高価な石、大きな石で、十キュビトも八キュビトもあった。
0711 その上には寸法どおりの切り石、高価な石と杉材が使われていた。
0712 大庭の周囲には、三段の切り石と一段の杉角材とが使われ、【主】の宮の内庭や、神殿の玄関広間と同じであった。
0713 ソロモン王は人をやって、ツロからヒラムを呼んで来た。
0714 彼はナフタリ族のやもめの子であった。彼の父はツロの人で、青銅の細工師であった。それでヒラムは青銅の細工物全般に関する知恵と、英知と、知識とに満ちていた。彼はソロモン王のもとにやって来て、そのいっさいの細工を行った。
0715 彼は青銅で二本の柱を鋳造した。その一本の柱の高さは十八キュビト。周囲は他の柱といっしょに、ひもで測って十二キュビトであった。
0716 彼は青銅で鋳造した二つの柱頭を作り、柱の頂に載せた。一つの柱頭の高さは五キュビト、もう一つの柱頭の高さも五キュビトであった。
0717 柱の頂の柱頭に取りつけて、鎖で編んだ、ふさになった格子細工の網を、一方の柱頭に七つ、他の柱頭に七つ作った。
0718 こうして彼は柱を作り、柱の頂にある柱頭をおおうために、青銅のざくろが格子網の上を二段に取り巻くようにし、他の柱頭にも同じようにした。
0719 この玄関広間にある柱の頂の上の柱頭は、ゆりの花の細工であって、それは四キュビトであった。
0720 二本の柱の上にある柱頭の格子網のあたりで丸い突出部の回りには、二百個のざくろが、両方の柱頭に段をなして並んでいた。
0721 この柱を本堂の玄関広間の前に立てた。彼は右側に立てた柱にヤキンという名をつけ、左側に立てた柱にボアズという名をつけた。
0722 この柱の頂の上には、ゆりの花の細工があり、このようにして、柱の造作を完成した。
0723 それから、鋳物の海を作った。縁から縁まで十キュビト。円形で、その高さは五キュビト。その周囲は測りなわで巻いて三十キュビトであった。
0724 その縁の下に沿って、ひょうたん模様が回りを取り巻いていた。すなわち、一キュビトにつき十ずつの割りでその海の周囲を取り巻いていた。このひょうたん模様は二段になっており、海を鋳たときに鋳込んだものである。
0725 これは十二頭の牛の上に据えられていた。三頭は北を向き、三頭は西を向き、三頭は南を向き、三頭は東を向いていた。この海は、これらの牛の上に載せられており、牛の後部はすべて内側に向いていた。
0726 その海の厚さは一手幅あり、その縁は、杯の縁のようにゆりの花の形をしていた。その容量は二千バテであった。
0727 彼は青銅で十個の台を作った。おのおのの台は長さ四キュビト、幅四キュビト、高さ三キュビトであった。
0728 この台の構造は次のとおり。台には鏡板があり、鏡板はわくにはまっていた。
0729 わくにはめられている鏡板の上には、雄獅子と牛とケルビムとがあり、雄獅子と牛の上と下にあるわくの表面には花模様が鋳込んであった。
0730 それぞれ台には青銅の車輪四つと、青銅の軸がついており、台の四隅には洗盤のささえがあり、そのささえは洗盤の下にあって、各表面が花模様に鋳られていた。
0731 洗盤の口はささえの内側にあって、一キュビト上に出ており、その口は丸く、花模様の細工があって、一キュビト半あり、また、その口の上にも彫刻がしてあり、わくの鏡板は四角で、丸くなかった。
0732 鏡板の下には四つの車輪があり、車軸は台に取りつけられ、一つの車輪の高さは一キュビト半であった。
0733 その車輪の作りは戦車の車輪の作りと同じで、車軸も、輪縁も、輻も、こしきもみな、鋳物であった。
0734 それぞれ台の四隅には四本のささえがあり、ささえと台とは一体をなしていた。
0735 台の上部には高さ半キュビトの丸い部分が取り巻いており、その台の上のささえと鏡板とは一体をなしていた。
0736 そのささえの表面と鏡板には、それぞれの場所に、ケルビムと、雄獅子と、なつめやしの木を刻み、その周囲には花模様を刻んだ。
0737 彼は、以上のように、十個の台を作った。それらは全部、同じ鋳方、同じ寸法、同じ形であった。
0738 ついで、彼は青銅で十個の洗盤を作った。洗盤の容量はそれぞれ四十バテ、それぞれ直径四キュビトであった。洗盤は、一つの台の上に一つずつ、十個の台の上にあった。
0739 彼はその台の五個を神殿の右側に、五個を神殿の左側に置き、海を神殿の右側、すなわち、東南の方角に置いた。
0740 さらに、ヒラムは灰つぼと十能と鉢を作った。こうして、ヒラムは【主】の宮のためにソロモン王が注文したすべての仕事を完成した。
0741 すなわち、二本の柱と、二本の柱の頂にある丸い柱頭、および、柱の頂にある丸い二つの柱頭をおおう二つの格子網、
0742 また、二つの格子網に取りつけた四百のざくろ、すなわち、柱の先端にある丸い二つの柱頭をおおうそれぞれの格子網のための二段のざくろ。
0743 また、十個の台と、その台の上の十個の洗盤、
0744 一つの海と、その海の下の十二頭の牛、
0745 また、灰つぼと十能と鉢であった。ヒラムがソロモン王の注文により【主】の宮のために作ったすべての用具は、みがきをかけた青銅であった。
0746 王は、ヨルダンの低地、スコテとツァレタンとの間の粘土の地で、これらを鋳造した。
0747 ソロモンは、この用具があまりにも多かったので、みなそれを量らないままにしておいた。青銅の重さは量られなかった。
0748 ついで、ソロモンは【主】の宮にあるすべての用具を作った。すなわち、金の祭壇と供えのパンを載せる金の机、
0749 純金の燭台──内堂の右側に五つ、左側に五つ──、金の花模様、ともしび皿、心切りばさみを作った。
0750 また、純金の皿と、心取りばさみ、鉢、平皿、火皿を純金で作った。また、至聖所に通じる神殿のとびらのちょうつがい、神殿の本堂に通じるとびらのちょうつがいも金で作った。
0751 こうして、ソロモン王が【主】の宮のためにしたすべての工事が完成した。そこで、ソロモンは父ダビデが聖別した物、すなわち、銀、金、各種の器具類を運び入れ、【主】の宮の宝物倉に納めた。
0801 そのとき、ソロモンはイスラエルの長老たち、およびイスラエル人の部族のかしらたちと一族の長たちをすべて、エルサレムのソロモン王のもとに召集した。ダビデの町シオンから【主】の契約の箱を運び上るためであった。
0802 イスラエルのすべての人々は、エタニムの月、すなわち 七の新月の祭りに、ソロモン王のもとに集まった。
0803 こうして、イスラエルの長老全員が到着したところで、祭司たちは箱をにない、
0804 【主】の箱と、会見の天幕と、天幕にあったすべての聖なる用具とを運び上った。これらの物を祭司たちとレビ人たちが運び上った。
0805 ソロモン王、そして彼のところに集まったイスラエルの全会衆が彼とともに、箱の前に行き、羊や牛をいけにえとしてささげたが、その数があまりに多くて数えることも調べることもできなかった。
0806 それから、祭司たちは【主】の契約の箱を、定めの場所、すなわち神殿の内堂である至聖所のケルビムの翼の下に運び入れた。
0807 ケルビムは箱の所の上に翼を広げた。ケルビムは箱とそのかつぎ棒とを上からおおった。
0808 そのかつぎ棒は長かったので、棒の先が内堂の前の聖所から見えていたが、外からは見えなかった。それは今日までそこにある。
0809 箱の中には、二枚の石の板のほかには何も入っていなかった。これは、イスラエル人がエジプトの地から出て来たとき、【主】が彼らと契約を結ばれたときに、モーセがホレブでそこに納めたものである。
0810 祭司たちが聖所から出て来たとき、雲が【主】の宮に満ちた。
0811 祭司たちは、その雲にさえぎられ、そこに立って仕えることができなかった。【主】の栄光が【主】の宮に満ちたからである。
0812 そのとき、ソロモンは言った。「主は、暗やみの中に住む、と仰せられました。
0813 そこで私はあなたのお治めになる宮を、あなたがとこしえにお住みになる所を確かに建てました。」
0814 それから王は振り向いて、イスラエルの全集団を祝福した。イスラエルの全集団は起立していた。
0815 彼は言った。「イスラエルの神、【主】はほむべきかな。主は御口をもって私の父ダビデに語り、御手をもってこれを成し遂げて言われた。
0816 『わたしの民イスラエルを、エジプトから連れ出した日からこのかた、わたしはわたしの名を置く宮を建てるために、イスラエルの全部族のうちのどの町をも選ばなかった。わたしはダビデを選び、わたしの民イスラエルの上に立てた。』
0817 それで私の父ダビデは、イスラエルの神、【主】の名のために宮を建てることをいつも心がけていた。
0818 ところが、【主】は、私の父ダビデにこう仰せられた。『あなたは、わたしの名のために宮を建てることを心がけていたために、あなたはよくやった。あなたは確かに、そう心がけていた。
0819 しかし、あなたがその宮を建ててはならない。あなたの腰から出るあなたの子どもが、わたしの名のために宮を建てる。』
0820 【主】は、お告げになった約束を果たされたので、私は父ダビデに代わって立ち、【主】の約束どおりイスラエルの王座に着いた。そして、イスラエルの神、【主】の名のために、この宮を建て、
0821 【主】の契約が納められている箱のために、そこに一つの場所を設けた。その契約は、主が、私たちの先祖をエジプトの地から連れ出されたときに、彼らと結ばれたものである。」
0822 ソロモンはイスラエルの全集団の前で、【主】の祭壇の前に立ち、両手を天に差し伸べて、
0823 言った。「イスラエルの神、【主】。上は天、下は地にも、あなたのような神はほかにありません。あなたは、心を尽くして御前に歩むあなたのしもべたちに対し、契約と愛とを守られる方です。
0824 あなたは、約束されたことを、あなたのしもべ、私の父ダビデのために守られました。それゆえ、あなたは御口をもって語られました。また御手をもって、これを今日のように、成し遂げられました。
0825 それで今、イスラエルの神、【主】よ。あなたのしもべ、私の父ダビデに約束して、『あなたがわたしの前に歩んだように、もしあなたの子孫がその道を守り、わたしの前に歩みさえするなら、あなたには、イスラエルの王座に着く人が、わたしの前から断たれない』と仰せられたことを、ダビデのために守ってください。
0826 今、イスラエルの神。どうかあなたのしもべ、私の父ダビデに約束されたみことばが堅く立てられますように。
0827 それにしても、神ははたして地の上に住まわれるでしょうか。実に、天も、天の天も、あなたをお入れすることはできません。まして、私の建てたこの宮など、なおさらのことです。
0828 けれども、あなたのしもべの祈りと願いに御顔を向けてください。私の神、【主】よ。あなたのしもべが、きょう、御前にささげる叫びと祈りを聞いてください。
0829 そして、この宮、すなわち、あなたが『わたしの名をそこに置く』と仰せられたこの所に、夜も昼も御目を開いていてくださって、あなたのしもべがこの所に向かってささげる祈りを聞いてください。
0830 あなたのしもべとあなたの民イスラエルが、この所に向かってささげる願いを聞いてください。あなたご自身が、あなたのお住まいになる所、天にいまして、これを聞いてください。聞いて、お赦しください。
0831 ある人が隣人に罪を犯し、のろいの誓いを立てさせられることになって、この宮の中にあるあなたの祭壇の前に来て誓うとき、
0832 あなたご自身が天でこれを聞き、あなたのしもべたちにさばきを行って、悪者にはその生き方への報いとして、その頭上に悪を下し、正しい者にはその正しさにしたがって義を報いてください。
0833 また、あなたの民イスラエルが、あなたに罪を犯したために敵に打ち負かされたとき、彼らがあなたのもとに立ち返り、御名をほめたたえ、この宮で、あなたに祈り願ったなら、
0834 あなたご自身が天でこれを聞き、あなたの民イスラエルの罪を赦し、あなたが彼らの先祖たちにお与えになった地に、彼らを帰らせてください。
0835 彼らがあなたに罪を犯したため、天が閉ざされて雨が降らない場合、彼らがこの所に向かって祈り、御名をほめたたえ、あなたの懲らしめによって彼らがその罪から立ち返るなら、
0836 あなたご自身が天でこれを聞き、あなたのしもべたち、あなたの民イスラエルの罪を赦し、彼らの歩むべき良い道を彼らに教え、あなたの民に相続地としてお与えになったあなたの地に雨を降らせてください。
0837 もし、この地に、ききんが起こり、疫病や立ち枯れや、黒穂病、いなごや油虫が発生した場合、また、敵がこの地の町々を攻め囲んだ場合、どんなわざわい、どんな病気の場合にも、
0838 だれでも、あなたの民イスラエルがおのおの自分の心の悩みを知り、この宮に向かって両手を差し伸べて祈るとき、どのような祈り、願いも、
0839 あなたご自身が、あなたの御住まいの所である天で聞いて、赦し、またかなえてください。ひとりひとりに、そのすべての生き方にしたがって報いてください。あなたはその心を知っておられます。あなただけがすべての人の子の心を知っておられるからです。
0840 それは、あなたが私たちの先祖に賜った地の上で彼らが生きながらえる間、いつも彼らがあなたを恐れるためです。
0841 また、あなたの民イスラエルの者でない外国人についても、彼があなたの御名のゆえに、遠方の地から来て、
0842 ──彼らは、あなたの大いなる御名と、力強い御手と、伸べられた腕について聞きますから──この宮に来て祈るとき、
0843 あなたご自身が、あなたの御住まいの所である天でこれを聞き、その外国人があなたに向かって願うことをすべてかなえてください。そうすれば、この地のすべての民が御名を知り、あなたの民イスラエルと同じように、あなたを恐れるようになり、私の建てたこの宮では、御名が呼び求められなくてはならないことを知るようになるでしょう。
0844 あなたの民が、敵に立ち向かい、あなたが遣わされる道に出て戦いに臨むとき、あなたの選ばれた町、私が御名のために建てた宮の方向に向かって、【主】に祈るなら、
0845 天で、彼らの祈りと願いを聞いて、彼らの言い分を聞き入れてやってください。
0846 彼らがあなたに対して罪を犯したため──罪を犯さない人間はひとりもいないのですから──あなたが彼らに対して怒られ、彼らを敵に渡し、彼らが、遠い、あるいは近い敵国に捕虜として捕らわれていった場合、
0847 彼らが捕らわれていった地で、みずから反省して悔い改め、捕らわれていった地で、あなたに願い、『私たちは罪を犯しました。悪を行って、咎ある者となりました』と言って、
0848 捕らわれていった敵国で、心を尽くし、精神を尽くして、あなたに立ち返り、あなたが彼らの先祖に与えられた彼らの地、あなたが選ばれたこの町、私が御名のために建てたこの宮のほうに向いて、あなたに祈るなら、
0849 あなたの御住まいの所である天で、彼らの祈りと願いを聞き、彼らの言い分を聞き入れ、
0850 あなたに対して罪を犯したあなたの民を赦し、あなたにそむいて犯したすべてのそむきの罪を赦し、彼らを捕らえていった者たちが、あわれみの心を起こし、彼らをあわれむようにしてください。
0851 彼らは、あなたの民であり、あなたがエジプトから、すなわち鉄の炉の中から連れ出されたあなたご自身のものであるからです。
0852 どうか、あなたのしもべの願いと、あなたの民イスラエルの願いとに、御目を開き、彼らがあなたに叫び求めるとき、いつも彼らの願いを聞き入れてください。
0853 あなたが彼らを地上のすべての国々の民から区別してご自身のものとされたのです。神、主よ。あなたが私たちの先祖をエジプトから連れ出されたとき、あなたのしもべモーセを通して告げられたとおりです。」
0854 こうして、ソロモンは、この祈りと願いをことごとく【主】にささげ終わった。彼はそれまで、ひざまずいて、両手を天に差し伸ばしていた【主】の祭壇の前から立ち上がり、
0855 まっすぐ立って、イスラエルの全集団を大声で祝福して言った。
0856 「約束どおり、ご自分の民イスラエルに安住の地をお与えになった【主】はほむべきかな。しもべモーセを通して告げられた良い約束はみな、一つもたがわなかった。
0857 私たちの神、【主】は、私たちの先祖とともにおられたように、私たちとともにいて、私たちを見放さず、私たちを見捨てられませんように。
0858 私たちの心を主に傾けさせ、私たちが主のすべての道に歩み、私たちの先祖にお命じになった命令と、おきてと、定めとを守るようにさせてください。
0859 私が【主】の御前で願ったことばが、昼も夜も、私たちの神、【主】のみそば近くにあって、日常のことにおいても、しもべの言い分や、御民イスラエルの言い分を正しく聞き入れてくださいますように。
0860 地上のすべての国々の民が、【主】こそ神であり、ほかに神はないことを知るようになるためです。
0861 あなたがたは、私たちの神、【主】と心を全く一つにし、主のおきてに歩み、今日のように、主の命令を守らなければならない。」
0862 それから、王と王のそばにいたイスラエル人はみな、【主】の前にいけにえをささげた。
0863 ソロモンは【主】へのいけにえとして和解のいけにえをささげた。すなわち牛二万二千頭と羊十二万頭。こうして、王とすべてのイスラエル人は【主】の宮を奉献した。
0864 その日、王は【主】の神殿の前の庭の中央部を聖別し、そこで、全焼のいけにえと、穀物のささげ物と、和解のいけにえの脂肪とをささげた。【主】の前にあった青銅の祭壇は、全焼のいけにえと、穀物のささげ物と、和解のいけにえの脂肪とを受け入れるには小さすぎたからである。
0865 ソロモンは、このとき、彼とともにいた全イスラエル、すなわち、レボ・ハマテからエジプト川に至るまでの大集団といっしょに、七日と七日、すなわち十四日間、私たちの神、【主】の前で祭りを行った。
0866 八日目に、彼は民を去らせた。民は王に祝福のことばを述べ、【主】がそのしもべダビデと、その民イスラエルとに下さったすべての恵みを喜び、心楽しく彼らの天幕へ帰って行った。
0901 ソロモンが、【主】の宮と王宮、およびソロモンが造りたいと望んでいたすべてのものを完成したとき、
0902 【主】は、かつてギブオンで彼に現れたときのように、ソロモンに再び現れた。
0903 【主】は彼に仰せられた。「あなたがわたしの前で願った祈りと願いをわたしは聞いた。わたしは、あなたがわたしの名をとこしえまでもここに置くために建てたこの宮を聖別した。わたしの目とわたしの心は、いつもそこにある。
0904 あなたが、あなたの父ダビデが歩んだように、全き心と正しさをもって、わたしの前に歩み、わたしがあなたに命じたことをすべてそのまま実行し、わたしのおきてと定めとを守るなら、
0905 わたしが、あなたの父ダビデに、『あなたには、イスラエルの王座から人が断たれない』と言って約束したとおり、あなたの王国の王座をイスラエルの上に永遠に確立しよう。
0906 もし、あなたがたとあなたがたの子孫が、わたしにそむいて従わず、あなたがたに授けたわたしの命令とわたしのおきてとを守らず、行ってほかの神々に仕え、これを拝むなら、
0907 わたしが彼らに与えた地の面から、イスラエルを断ち、わたしがわたしの名のために聖別した宮を、わたしの前から投げ捨てよう。こうして、イスラエルはすべての国々の民の間で、物笑いとなり、なぶりものとなろう。
0908 この宮も廃墟となり、そのそばを通り過ぎる者はみな、驚いて、ささやき、『なぜ、【主】はこの地とこの宮とに、このような仕打ちをされたのだろう』と言うであろう。
0909 すると人々は、『あの人たちは、エジプトの地から自分たちの先祖を連れ出した彼らの神、【主】を捨てて、ほかの神々にたより、これを拝み、これに仕えた。そのために、【主】はこのすべてのわざわいをこの人たちに下されたのだ』と言うようになる。」
0910 ソロモンが【主】の宮と王宮との二つの家を二十年かかって建て終わったとき、
0911 ツロの王ヒラムが、ソロモンの要請に応じて、杉の木材、もみの木材、および、金をソロモンに用立てたので、ソロモン王はガリラヤの地方の二十の町をヒラムに与えた。
0912 しかし、ヒラムがツロからやって来て、ソロモンが彼に与えた町々を見たが、それは彼の気に入らなかった。
0913 それで彼は、「兄弟よ。あなたが私に下さったこの町々は、いったい何ですか」と言った。そのため、これらの町々はカブルの地と呼ばれた。今日もそうである。
0914 ヒラムは王に金百二十タラントを贈っていた。
0915 ソロモン王は役務者を徴用して次のような事業をした。彼は【主】の宮と、自分の宮殿、ミロと、エルサレムの城壁、ハツォルとメギドとゲゼルを建設した。
0916 ──エジプトの王パロは、かつて上って来て、ゲゼルを攻め取り、これを火で焼き、この町に住んでいたカナン人を殺し、ソロモンの妻である自分の娘に結婚の贈り物としてこれを与えていたので、
0917 ソロモンは、このゲゼルを再建した──また、下ベテ・ホロンと、
0918 バアラテ、およびこの地の荒野にあるタデモル、
0919 ソロモンの所有のすべての倉庫の町々、戦車のための町々、騎兵のための町々、ソロモンがエルサレムや、レバノンや、すべての領地に建てたいと切に願っていたものを建設した。
0920 イスラエル人でないエモリ人、ヘテ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の生き残りの民全員、
0921 すなわち、イスラエル人が聖絶することのできなかった人々の跡を継いで、この地に生き残った彼らの子孫を、ソロモンは奴隷の苦役に徴用した。今日もそうである。
0922 しかし、ソロモンはイスラエル人を奴隷にはしなかった。彼らは戦士であり、彼の家来であり、隊長であり、補佐官であり、戦車隊と騎兵隊の長であったからである。
0923 ソロモンの工事を監督する者の長は五百五十人であって、工事に携わる民を指揮していた。
0924 パロの娘が、ダビデの町から、彼女のために建てた家に上って来たとき、ソロモンはミロを建てた。
0925 ソロモンは、【主】のために建てた祭壇の上に、一年に三度、全焼のいけにえと和解のいけにえとをささげ、また、【主】の前にある壇で香をたいた。彼は宮を完成した。
926 また、ソロモン王は、エドムの地の葦の海の岸辺にあるエラテに近いエツヨン・ゲベルに船団を設けた。
927 この船団に、ヒラムは自分のしもべであり、海に詳しい水夫たちを、ソロモンのしもべたちといっしょに送り込んだ。
928 彼らはオフィルへ行き、そこから、四百二十タラントの金を取って、これをソロモン王のもとに持って来た。

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