0701 王が自分の家に住み、【主】が周囲のすべての敵から守って、彼に安息を与えられたとき、
0702 王は預言者ナタンに言った。「ご覧ください。この私が杉材の家に住んでいるのに、神の箱は天幕の中にとどまっています。」
0703 すると、ナタンは王に言った。「さあ、あなたの心にあることをみな行いなさい。【主】があなたとともにおられるのですから。」
0704 その夜のことである。次のような【主】のことばがナタンにあった。
0705 「行って、わたしのしもべダビデに言え。【主】はこう仰せられる。あなたはわたしのために、わたしの住む家を建てようとしているのか。
0706 わたしは、エジプトからイスラエル人を導き上った日以来、今日まで、家に住んだことはなく、天幕、すなわち幕屋にいて、歩んできた。
0707 わたしがイスラエル人のすべてと歩んできたどんな所ででも、わたしが、民イスラエルを牧せよと命じたイスラエル部族の一つにでも、『なぜ、あなたがたはわたしのために杉材の家を建てなかったのか』と、一度でも、言ったことがあろうか。
0708 今、わたしのしもべダビデにこう言え。万軍の【主】はこう仰せられる。わたしはあなたを、羊の群れを追う牧場からとり、わたしの民イスラエルの君主とした。
0709 そして、あなたがどこに行っても、あなたとともにおり、あなたの前であなたのすべての敵を断ち滅ぼした。わたしは地上の大いなる者の名に等しい大いなる名をあなたに与える。
0710 わたしが、わたしの民イスラエルのために一つの場所を定め、民を住みつかせ、民がその所に住むなら、もはや民は恐れおののくことはない。不正な者たちも、初めのころのように重ねて民を苦しめることはない。
0711 それは、わたしが、わたしの民イスラエルの上にさばきつかさを任命したころのことである。わたしはあなたをすべての敵から守って、安息を与える。さらに【主】はあなたに告げる。『【主】はあなたのために一つの家を造る。』
0712 あなたの日数が満ち、あなたがあなたの先祖たちとともに眠るとき、わたしは、あなたの身から出る世継ぎの子を、あなたのあとに起こし、彼の王国を確立させる。
0713 彼はわたしの名のために一つの家を建て、わたしはその王国の王座をとこしえまでも堅く立てる。
0714 わたしは彼にとって父となり、彼はわたしにとって子となる。もし彼が罪を犯すときは、わたしは人の杖、人の子のむちをもって彼を懲らしめる。
0715 しかし、わたしは、あなたの前からサウルを取り除いて、わたしの恵みをサウルから取り去ったが、わたしの恵みをそのように、彼から取り去ることはない。
0716 あなたの家とあなたの王国とは、わたしの前にとこしえまでも続き、あなたの王座はとこしえまでも堅く立つ。」
0717 ナタンはこれらすべてのことばと、これらすべての幻とを、そのままダビデに告げた。
0718 ダビデ王は行って【主】の前に座し、そして言った。「神、主よ。私がいったい何者であり、私の家が何であるからというので、あなたはここまで私を導いてくださったのですか。
0719 神、主よ。この私はあなたの御目には取るに足りない者でしたのに、あなたは、このしもべの家にも、はるか先のことまで告げてくださいました。神、主よ。これが人の定めでしょうか。
0720 神、主よ。このダビデは、このうえ、あなたに何をつけ加えて申し上げることができましょう。あなたはこのしもべをよくご存じです。
0721 あなたは、ご自分の約束のために、あなたのみこころのままに、この大いなることのすべてを行い、このしもべにそれを知らせてくださいました。
0722 それゆえ、神、主よ。あなたは大いなる方です。私たちの耳に入るすべてについて、あなたのような方はほかになく、あなたのほかに神はありません。
0723 また、地上のどの国民があなたの民のよう、イスラエルのようでしょう。神ご自身が来られて、この民を贖い、これをご自身の民とし、これにご自身の名を置かれました。あなたは、ご自身の国のために、あなたの民の前で、大いなる恐るべきことを行い、この民をあなたのためにエジプトから、そして国々とその神々から贖ってくださいました。
0724 こうして、あなたの民イスラエルをとこしえまでもあなたの民として立てられました。【主】よ。あなたは彼らの神となられました。
0725 どうか、神、【主】よ。あなたが、このしもべとその家について約束されたことを、とこしえまでも守り、あなたの約束どおりに行ってください。
0726 あなたの御名がとこしえまでもあがめられ、『万軍の【主】はイスラエルの神』と言われますように。あなたのしもべダビデの家が御前に堅く立つことができますように。
0727 イスラエルの神、万軍の【主】よ。あなたは、このしもべの耳にはっきり、『わたしが、あなたのために家を建てる』と言われました。それゆえ、このしもべは、この祈りをあなたに祈る勇気を得たのです。
0728 今、神、主よ。あなたこそ神であられます。あなたのおことばはまことです。あなたは、このしもべに、この良いことを約束してくださいました。
0729 今、どうぞあなたのしもべの家を祝福して、とこしえに御前に続くようにしてください。神、主よ。あなたが、約束されました。あなたの祝福によって、あなたのしもべの家はとこしえに祝福されるのです。」
0801 その後、ダビデはペリシテ人を打って、これを屈服させた。ダビデはメテグ・ハアマをペリシテ人の手から奪った。
0802 彼はモアブを打ったとき、彼らを地面に伏させて、なわで彼らを測った。なわ二本を伸ばして測った者を殺し、なわ一本を伸ばして測った者を生かしておいた。こうしてモアブはダビデのしもべとなり、みつぎものを納める者となった。
0803 ダビデは、ツォバの王レホブの子ハダデエゼルが、ユーフラテス川流域にその勢力を回復しようと出て来たとき、彼を打った。
0804 ダビデは、彼から騎兵千七百、歩兵二万を取った。ダビデは、その戦車全部の馬の足の筋を切った。ただし、戦車の馬百頭を残した。
0805 ダマスコのアラムがツォバの王ハダデエゼルを助けに来たが、ダビデはアラムの二万二千人を打った。
0806 ダビデはダマスコのアラムに守備隊を置いた。アラムはダビデのしもべとなり、みつぎものを納める者となった。こうして【主】は、ダビデの行く先々で、彼に勝利を与えられた。
0807 ダビデはハダデエゼルの家来たちの持っていた金の丸い小盾を奪い取り、エルサレムに持ち帰った。
0808 ダビデ王は、ハダデエゼルの町ベタフとベロタイから、非常に多くの青銅を奪い取った。
0809 ハマテの王トイは、ダビデがハダデエゼルの全軍勢を打ち破ったことを聞いた。
0810 そこでトイは、その子ヨラムをダビデ王のもとにやって、安否を尋ねさせ、ダビデがハダデエゼルと戦ってこれを打ち破ったことについて、祝福のことばを述べさせた。ハダデエゼルがトイに戦いをいどんでいたからである。ヨラムは銀の器、金の器、青銅の器を手にして来た。
0811 ダビデ王は、それをもまた、彼の征服したすべての国々から取って聖別する銀や金とともに【主】に聖別してささげた。
0812 それらは、アラム、モアブ、アモン人、ペリシテ人、アマレクから取った物、およびツォバの王レホブの子ハダデエゼルからの分捕り物であった。
0813 ダビデが塩の谷でエドム人一万八千を打ち殺して帰って来たとき、彼は名をあげた。
0814 彼はエドムに守備隊を、すなわち、エドム全土に守備隊を置いた。こうして、エドムの全部がダビデのしもべとなった。このように【主】は、ダビデの行く先々で、彼に勝利を与えられた。
0815 ダビデはイスラエルの全部を治め、その民のすべての者に正しいさばきを行った。
0816 ツェルヤの子ヨアブは軍団長、アヒルデの子ヨシャパテは参議、
0817 アヒトブの子ツァドクとエブヤタルの子アヒメレクは祭司、セラヤは書記、
0818 エホヤダの子ベナヤはケレテ人とペレテ人の上に立つ者、ダビデの子らは祭司であった。
0901 ダビデが言った。「サウルの家の者で、まだ生き残っている者はいないか。私はヨナタンのために、その者に恵みを施したい。」
0902 サウルの家にツィバという名のしもべがいた。彼がダビデのところに召し出されたとき、王は彼に尋ねた。「あなたがツィバか。」すると彼は答えた。「はい、このしもべです。」
0903 王は言った。「サウルの家の者で、まだ、だれかいないのか。私はその者に神の恵みを施したい。」ツィバは王に言った。「まだ、ヨナタンの子で足の不自由な方がおられます。」
0904 王は彼に言った。「彼は、どこにいるのか。」ツィバは王に言った。「今、ロ・デバルのアミエルの子マキルの家におられます。」
0905 そこでダビデ王は人をやり、ロ・デバルのアミエルの子マキルの家から彼を連れて来させた。
0906 サウルの子ヨナタンの子メフィボシェテは、ダビデのところに来て、ひれ伏して礼をした。ダビデは言った。「メフィボシェテか。」彼は答えた。「はい、このしもべです。」
0907 ダビデは言った。「恐れることはない。私は、あなたの父ヨナタンのために、あなたに恵みを施したい。あなたの祖父サウルの地所を全部あなたに返そう。あなたはいつも私の食卓で食事をしてよい。」
0908 彼は礼をして言った。「このしもべが何者だというので、あなたは、この死んだ犬のような私を顧みてくださるのですか。」
0909 そこで王はサウルのしもべツィバを呼び寄せて言った。「サウルと、その一家の所有になっていた物をみな、私はあなたの主人の子に与えた。
0910 あなたも、あなたの息子たちも、あなたの召使いたちも、彼のために地を耕して、作物を得たなら、それはあなたの主人の子のパン、また食物となる。あなたの主人の子メフィボシェテは、私の食卓で、いつも食事をすることになる。」ツィバには十五人の息子と二十人の召使いがあった。
0911 ツィバは王に言った。「王さま。あなたが、このしもべに申しつけられたとおりに、このしもべはいたします。」こうして、メフィボシェテは王の息子たちのひとりのように、王の食卓で食事をすることになった。
0912 メフィボシェテにはミカという名の小さな子どもがいた。ツィバの家に住む者はみな、メフィボシェテのしもべとなった。
0913 メフィボシェテはエルサレムに住み、いつも王の食卓で食事をした。彼は両足が共になえていた。